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Edtech(エドテック)とは何か

EdTech(エドテック)とは?

EdTech(エドテック)は、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせて作られた造語です。これまでアナログが主流だった教育業界にITをはじめとしたテクノロジーを導入して、より効果的、効率的に学習を進めていこうという考え方が背景にあります。

注目されている背景

現在の教育環境は、皆様が子供の頃に受けていたシステムから大きな変化はありません。朝学校に行き、決められた時間割に沿って勉強をし、みんなで給食を食べ、午後の授業を受けるという1日の流れを覚えていらっしゃると思います。21世紀を生きる子供たちも同じ1日を学校で過ごしているのです。

実は我々世代だけでなく、私たちの親世代からも大きな変化はないのです。「100年前の教師がタイムマシーンに乗って現代にやってきたとしても何ら問題なく授業を行えるだろう」と嘲笑されるように教育業界は長らく大きな変化を拒んできました。

2000年代以降インターネットやスマートフォンによってもたらされたテクノロジーの進化により、他の業界では大きな変化が起こっています。特にソーシャルゲームをはじめとするゲーム業界や広告業界は変化が早く、直近はお堅い業界と言われていた金融業界でさえ、Fintech(フィンテック)の波にのりテクノロジーの導入が進んでいます。

テクノロジーの導入によってもたらされる影響は大きく、Fintech(フィンテック)業界では2020年度に1兆2,102億円まで拡大されると予測され(2019年9月 矢野経済研究所調べ)います。また、コスト削減効果も莫大で、年間2兆円近く掛かっているATMの維持費用が大幅に削減されるとも言われています(2017年12月日本経済新聞)

世の中がより便利になっていく中で、この波がいよいよ教育業界にも波及してくるというのが2019年までの状況です。もちろん子供向けだけでなく大人向けもEdTech(エドテック)がカバーする領域です。政府の人生100年時代の戦略もあり生涯学習する気運が盛り上る中で、社会人向けやシニア向けの教育も増えてきています。(少子化や元気なシニア層が増えているという企業視点での戦略もあるのですが、また別の機会に触れたいと思います)

具体的にどういったサービスがあるのか

ベンチャー企業を中心として様々なサービスが増えてきています。その中でもユニークなサービスを5つ紹介します。(新しいサービスは次々と出てきていますので、順次ご紹介していきたいと思います)

Smart Education

いわゆる知育アプリを多く開発・運営しています。ディズニーの絵本やアンパンマンやはらぺこあおむしなど子供たちに人気のIP(題材)をテーマにしたアプリが主力です。

スタディサプリ

リクルートが運営されている、オンライン総合学習サービスです。小学校4年生から大学受験対策まで幅広い年齢に対応しており、スマートフォン、動画を活用した学習コンテンツを提供しています。

レアジョブ

オンライン英会話の大手で、中学生・高校生コースから社会人向けのビジネス英会話まで提供しています。スカイプとフィリピン人を中心としたネイティブ英会話講師の組み合わせで、圧倒的な低コストを実現しています。

Progete

オンラインでプログラミングが学べるサービスです。初めての方でも習得しやすいよう、イラストを多用し初心者でも挫折せずに続けられる仕組みを用意しています。対応言語も多く、全14コース・76レッスンが提供されています。

GLOBAL CROWN

子供向けに特化したオンライン英会話サービスです。講師が全員バイリンガルというのが大きな特徴で、専用アプリを使いAIを使った発音練習の機能も提供されています。

EdTech導入が進まない理由

ここまで読んでいただきありがとうございます。前述の通り世の中に素晴らしいサービスが増えてきているのに、なかなか身の回りに増えていかないと感じないでしょうか?

実はテクノロジーを義務教育にも導入しようという試みは過去挑戦されていました。90年代〜2000年代初頭、学校に「パソコン室」と言われる環境が整備されたことを覚えている方も多いのではないでしょうか?みなさんはその環境で何をされましたか?

筆者の通っていた小学校、中学校にもあったのですが、小学校はみんなでビデオを観る、お絵かきソフトで遊ぶだけでした。かろうじて中学校はインターネットを使用しましたが、ネットで調べ学習をするといった程度でした。

筆者のスキル不足では?という指摘は甘んじて受け入れますが、今のITベンチャーの起業家たちもその世代中心ですが、生い立ちを取り上げたインタビューで学校で触れたからと語っていた方は少ないです。皆さんご自身で興味を持ち独学で学ばれた方が大半です。

EdTechが浸透しないのはなぜでしょうか?理由は、大きく2つあると考えています。

①学校の先生に指導できるスキルが身についていない

最初に断っておきたいのですが、先生を責めるものではないです。先生が日々やることは膨大です。教科別の授業はもちろん、採点、次の授業の準備、家庭訪問から部活の顧問まで、責任も業務も多岐に渡ります。さらに2020年から小学校では英語やプログラミングも始まります。これらを同時に行えということに無理があります。

これは仕組みの問題です。箱(PCやブレット)を子供たちに渡しただけでは当然活用はできませんが、子供たちの新しいものを吸収する力は凄まじいです。先生は指導する立場「ティーチング」からモチベーションを管理する「コーチング」の立場に立ち、子供たちが自主性を持って取り組める環境を促すことが求められているのではないでしょうか。つまり、学習指導要領(先生たちのマニュアル)の見直しが必要だと考えます。

②家庭の学習環境

「勉強は紙とえんぴつで行うもの」という考えがを持つ人が多いです。特にその学習方法で良い大学に受かった等、成功体験がある親はその手法を子供に押し付けがちです。私たち親世代と時代は違います。自分たちがポケベル、ガラケー、スマートフォンと時代の変化に合わせて便利さを享受しているのに、子供の勉強は昔から変わらないというのはおかしな話ではないでしょうか?

まずは親の意識を変えることが重要です。タブレットでユーチューブを観ていたり、アプリを使うことを「悪いこと」という固定観念を捨てるべきです。私たちが映画を映画館でなくNetflixで見たり、メールをスマホで送るようになったりしているように、子供達の勉強環境の変化も受け入れてみても良いのではないでしょうか?(最新のタブレット、スマホにはアプリや利用時間を制限する機能も用意されていますのでご安心ください)

これからEdTechが世の中に受け入れられていくためには、親である私たちも意識改革、知識強化が必須です。本メディアでは今後便利なコンテンツやサービスを随時紹介していく予定です。読者の皆さまの一助になりますと幸いです。

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