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私の役割

私のこれまでの人生で
子どもたちと過ごしてきた『ものづくり』の時間は
子どもたちの小さな夢を叶えるため
だけではなく
大切な宝物のような時間だったことを
一人の女の子との時間を遡ってお話しします。


私の追っかけをしていた6歳の女の子

共働きのご両親の一人娘として生まれ
民間の保育園に行っていた
可愛くてしっかりした印象の女の子でした。

正直、どこで会ったのが初めてだったのか?
思い出せないほどに思い出の多い子です。

私が出店するイベントには、
ほぼ全部?と言えるほどに毎回どこに行っても
会場に来てスイーツデコアートを楽しそうに
一生懸命丁寧に作ってくれるような子でした。

私が小学生を対象としたキッズ教室をしていて
その教室では、イベントで用意している
手作りのデコレーションパーツも
教室では自分で作れるし
アクセサリーを作ることもできる
決められたカリキュラムではなく
その子のレベルに合わせて
自分が好きな作品を自由に作ることができると知り

小学校の入学式を心待ちにしながら
ワークショップを楽しんでくれていました。

いよいよ念願の教室へ

大人の入室を許可していない
私のキッズ教室は、始まる前に保護者の方と本人に
必ず確認を取ります。
『約1時間半、ひとりで先生とお教室のお友達と過ごせますか?』

保護者の方には、もちろん事前に
その理由をお伝えして理解していただいた上で
送迎をお願いしています。

子どもの性格を一番よく知る
保護者の方の判断にお任せしています。

事前にご家庭で『ママは一緒に入れないんだよ』と
聞いてくる子もいれば
当日私から聞かれて初めてそのことを知る子もいます。

教室に通いたい気持ちと
ママとも離れたくない気持ちと
知らないお友達と会う不安を隠せない気持ち・・・と
いろんな子がいましたが
今回お話しする子は
イベントの時に私が何度か話していたことを
覚えていて、自分から
『ママはami+先生の教室入れないからまた後でね』と
行って教室に入ってくるような子でした。

自分と戦っていた小さな女の子

小学校に入学したばかりの小さな女の子です!
内心はそんなに強いわけないですよね〜
私と2人の時はリラックスしていたのに
初めて会う違う学校の自分より少しお姉さんのお友達が
一人二人と増えていくにつれて
緊張が顔に出るくらい固まってしまいました。

『じゃ〜名前を覚えるために自己紹介しようか〜』
『名前と学校名と何年生か教えてください。』と言うと
慣れている子たちも恥ずかしそうに話始めます。

自己紹介が進んで、自分の番になると
いつも堂々としてハキハキと話をしてくれるその子が
首を横に振って『できない』と小さな声で言って
ちょっと涙ぐむシーンがあって
その時は私が代わりに自己紹介をしました。

子どもたちと決めた教室のルール

・新しい子が体験に来てくれた時はみんなでエレベータまで迎えにいく
・作り方が分からなくて困っていたら知っていることは自ら進んで教え合う

これが子どもたちの中で
いつの間にか勝手に生まれていた【キッズ教室のルール】でした。

きっかけは何気ない私の一言から始まったのです。

インターホンが鳴った時に
『今日初めて一人で上の階まで来るんだけど
エレベーターまで誰か迎えに行ってくれないかな?』

すると・・・
『私行く!』『私も行く!』『私も・・・』と言ってくれたので
保護者の方に
『今日は子どもたちがエレベーターまで迎えに行きますので
エレベーターには一人で乗せてください』とお願いし、
『じゃ〜よろしくね』と言うと
先に来ていた子たちがみんなで走って迎えに行きました。

こんなことを繰り返していくうちに
私が『今日新しい子が来るよ』と言うと
『あ!じゃ私行ってくる〜』とお迎えに行ってくれて
教室に着くまでにいろいろと教室のことや作品のことを
話してくれているんでしょうね〜
初めてとは思えない様子で、仲良くなって戻ってきます。

『自分で考えて行動する』って大事!

ami plusのキッズ教室では当たり前の光景でしたが
それがいろんな場面で子どもたちを大きく成長につながっていたようです。

それぞれが作りたい作品を皆で一緒に作り。
完成したら、心から褒め合う子どもたち
経験が足りなくてまだ難しいんじゃないかな?と思う
作品をどうしても今日はこれを作りたいという場面でも
私は『ダメ』とか『無理』とは絶対言いません!
だけど、その難しさは説明します。

すると子どもたちは少し考えて、
今日はこれを作って、次にチャレンジすると言ったり
難しくてもできるところまでチャレンジすると言ったり
いろいろです。

でもその子が考えて決めたことを
自分の力で完成させられるように・・・また
自分ではどうしてもできない部分に自分で気づけるようにして
手が止まった時には『どうすれば完成できるか?』
考える時間を持ちます。

『先生。ここだけやって』と言えば手助けします。
苦戦して悔しくて泣き出す子もいたけど
『でも先生にやってもらったら自分の作品じゃないから』と
頑張る子もいます。

今日の主役の女の子は
どちらかと言うと後者のタイプでした。

どんなに難しくても自分で作る!

自分にはできると思って始めた作品
頑張っても先生に丁寧に教えてもらっても
自分がイメージした通りに手がうまく動かない!
他のことは言われる通りにできるのに
「なんでここだけ?」「なんで上手くいかないの?」と
悔し涙を流した子も実は少なくありません。

すると周りの子が助けてくれるんです。

ここをね。こうするの!と・・・
横に座っていた子だけじゃなく
一度は作ったことがある子がみんなで応援し始めるんです。

そして突破すると
自分のことのように拍手喝采で
『すごいやん』
『できた〜』
『〇〇ちゃんめっちゃすごいね先生!』

こんなシーンを何度見てきたことか

子どもたちの小さな夢を叶えるために

私がこれまでしてきたことは

ワクワクする作品を作って
ドキドキしながらチャレンジする機会を作って
自分で選んで
自分で考えて
自分で行動する
そんな機会をたくさん作って経験させることだけです!

一人ひとり違う子どもたちの違いを尊重して
知的好奇心を豊かに育む環境の中で
その子に合わせて寄り添いサポートする!

その経験で子どもたちは何を手にするか?

それは
自分らしく輝く『笑顔』と
自分で考えて選んで行動する『生きる力』なのです。

この春大学生になる
今日の女の子も自分で選んだ道を自分で決めて
進もうとしていることを聞かせてもらいました。

別れ際に彼女が言ってくれた
『私、先生に出会えてホンマによかった』
と言う言葉は
きっとこれからも私の最強のパワーになります。

『こちらこそ私と出逢ってくれて、ありがとう』

 

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