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シュリナガル④

深夜2時頃、体が痒くて起きてしまう。
体のあちこちに、何ものかに刺された跡が...出た!ベッドバグ。。
ノミかダニか、南京虫か、、。
レーで会った友達に、『ハウスボートには居るからね...虫。』って聞いてはいたけど。
勝手に、わたしは虫には刺されないって過信してたところもあったので、ショック。

もう、この宿は家族も最悪だし、虫はいるしで本当に最悪の最悪である。
どこに虫が居るのか分からないので、カーペットの上にも乗りたくなくて、椅子の上で寝袋に入りながら朝を迎える。こうなってしまうと、服も全部やられてしまったのではないかと、疑心暗鬼になってしまう。
朝6時に早々と宿を出て、新しい宿を探す。
もう、ハウスボートは懲り懲りなので、地に足の着いた宿を...。

マーケットあたりまで行って、とりあえず早朝の肉体労働に向かうおっちゃんだちと一緒に屋台のチャイを飲む。こういうところにいい情報があったりするので、『ここの近くに安くてきれいな宿ない?』と声をかけてみたり。『オレ、宿やってるよ~!』とかいろいろあったけど、何かピンと来なかったので不採用。

とりあえず、周辺を歩いてみる。
何か、朝のマーケットで朝ご飯を作っていたりすると、吸い込まれるように入ってしまうわたし。
ちょっとずつ食べて、また違うところでもちょっと食べてってやってると、本来の目的を忘れそうになる。
お菓子屋さんみたいなところで、お金払うときに『いい宿知らない?』って店主に聞いていたら、横のおじさんが『いい所知ってるよ!』って言ってきた。なんか、信頼できそうな面持ちの人だったので、付いて行ってみる。それが、またハウスボート。しかも、この人の宿。
わたしは、ハウスボートは嫌だと伝えると、陸地の宿も持っているというので、そっちも見にいってみる。値段と雰囲気はいいんだけれど、なんとも一番重要視しなければならないベッドが頼りない。
なんとも怪しい感じなので、やっぱりやめる。今、わたしが必要としているのは、清潔なベッド。それだけだ。

また、ひとりで歩き始める。
ぶらぶらしていると、なんとなく見つけたホテル。外見はいい感じ。
名前は『HOTEL ELLORA』。

どんなに値切り交渉を試みても、値下げは一切受け付けないらしく、300rsからは値段が動かない。
でも、お部屋を見せてもらったらダブルのお部屋でベッドがパリっと糊の効いたシーツを使っていて、中のマットレスもまぁまぁ清潔な感じがする。
これ以上探すのも時間がもったいないので、ここにした。

ハウスボートに戻ってパッキングをし、TV狂のおじさんを呼びつけ、虫が出たことを告げ、今から出て行くことを言った。お金を朝ご飯代も含めて次の日まで前払いしていたので、返金を請求すると、何だかんだと屁理屈をこねながら、出そうとしない。わたしがまた切れる!

『早くお金を返して!』というと、300rs戻さないといけないところを200rsしか返そうとしない。向こうも声の大きさでねじ伏せようとしてくる。こっちも負けじとさらにボルテージをあげて応戦。

50rs返してはまたごねて、怒りも頂点に達した頃に、やっと最後の50rsを取り返す。フ~~...

全く、とんでもないヤツ。これがインドなのね..と思いました。
そして、横ではまたお母さんがもそもそと『チップ、チップ...』と囁いてるし。
ズカズカとボートを出て、後ろを振り返ると、TV狂のおじさんが出口で手を振っていた。
なんだかなぁ...よく分からんよ、、君たちのことが。

HOTEL ELLORAは頑丈な湯沸かし器が付いていて、バンバンお湯が出る。こんなにお湯が出る所は久しぶり...と感激する。清潔なベッドとお湯が出れば、何も文句はない。


疑心暗鬼になり、洗濯やら日光消毒に励んだ...

フロントのおじいちゃんがなんともいい感じ。

値切りは一切NGよ

しばらく休んでから、昨日の素敵なモスクに再び行ってみる。
昨日みたいに、旧市街のマーケットの人々と交流しながら歩いて行きたかったんだけど、なかなかひとりで歩いて向かうのは難しかった。Abudulさんの功績は大きい。
地図が読めないし、地元の人は英語が話せない人が多くて、道を聞くにもなかなか通じない。
おまけに道が広く、交通量が多くて簡単に向こうに渡ることができない。マハラジャバザールというところまで、なんとか自力で行ったけど目的地はまだまだだ。ちょっとした商店でスプライトを飲みながら休憩。

そこに居合わせたお兄ちゃんがまたえらいいい人だった。モスクに行くにはバスがいいよっていうことで、丁寧にどこでどれに乗ればいいかを教えてくれる。不安だったので、何度も何度も聞き直したけど、それでも丁寧に教えてくれた。モスクまでは4ルピーだって~~安いな~~~。(ノ´▽`)ノ

言われた通りの場所に行ってみて、降りるバススタンドの名前を言ってみるけど、『そこへはバスでは行けないよ!』と車掌さんたちに一蹴されてしまう。でも、あんなに何度も教えてくれたことが嘘とも思えず、もう少し奥の方まで進んでみた。ガード下にたくさんバスが止まっているところがあったので、そこに行ってみた。そこでバススタンドの名前を言ってみると、小さい男の子がこっちだ!とバスまで案内してくれた。どうやら、その男の子がわたしが乗るバスの車掌さんだったみたい。

まだ、小学校低学年ぐらいなのに、意気揚々とバスの客引きをしている。でも、まだこの仕事を始めたばかりでそんなに要領を得ていないようだ。バスに乗り込んで、バススタンドの名前を周辺のお客さんに言ってみると、みんなに「大丈夫だ」という意味合いでうなずかれる。一応、これで一安心。
小さい車掌さんはみんなのお金を集めて廻る。おつりが全く足りないみたいで、みんなにちょっと小突かれていて苦笑いしてる。まだ不慣れなんだけど、働いている以上は甘えていられない。こういう表情のを見るのがわたしは大好きです。

結局、わたしもおつりをもらっていないまま、バススタンドに着いてしまったけど、そこにちょうど商店があってその場で崩してもらって、わたしにおつりを渡してくれた。さわやかな笑顔とともに。

いいですわぁ....最高です、こういうの。

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