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捨てるのちょっと待った!低速USB充電ケーブルも使いどころがある

おまけで付いてきたUSBケーブル、どうしてます?

Amazonで格安のワイヤレスイヤホンとか買うと、付属してきますよね。
細くてちゃちな充電用USBケーブルが。

ああいうのって、だいたいが高速充電に対応していなくて、手持ちの充電ケーブルよりも性能が低いんです。

そういったケーブルを僕はよく考えずに捨てていたんですが、最近思い直しました。

なぜかというと、性能の低い充電ケーブルでないとデバイスに給電できないことがあると気づいたからです。


USB充電機器には出力特性があって、「5V/3A」とか「5V/2A」とか、いろいろあります。

例えば「5V/2A」は、以下の意味を持ちます。

5V:出力電圧が5ボルトであることを示す。多くのUSBデバイスで標準的な電圧。
2A:出力電流が2アンペアであることを示す。この数値はアダプタが供給できる最大電流を表している。

出力電力というのはワット(W)で表されます。

出力電力 (W)=電圧 (V)×電流 (A)

よって、「5V/2A」の出力電力を求める計算式は以下になります。

10W(電力) = 5V(電圧) × 2A(電流)

つまり、「5V/2A」に対応した充電機器は、10ワットの出力電力を発揮する、ということです。


それで、この出力特性なんですが。

実は充電アダプタ、充電ケーブル、それぞれに設計されているんです。

アダプタとケーブルが一体になったものはその限りではありませんが、別体になっている場合、ある事実に注意が必要です。

それは、充電効率は出力が低い方の機器に引きずられてしまう、ということ。

例として、アダプタとケーブルそれぞれの出力特性が違うとしましょう。

アダプタの出力特性:5V/3A
ケーブルの出力特性:5V/2A

この場合では、アダプタは15ワットの出力を発揮しますが、ケーブルは10ワットまでしか出せません。

すると、最終的な出力電力は10ワットになります。
出力が低い機器(ケーブル)に合わせた力しか発揮できないわけです。

どれだけアダプタが高性能であっても、ケーブルが貧弱では宝の持ち腐れ。

PD(Power Delivery)対応の充電機器が本来の力を発揮するには、アダプタ・ケーブル両方ともPD対応していないと意味がないというのは、こういう理由があったんですね。


そこで、冒頭の話に戻ります。
低速充電ケーブルの活かしどころについて。

全てのデジタルデバイスに言える話ではないですが、中には設計より高い出力では充電できないものも存在します。

僕の持つ機器だと、USB充電式のミニ懐中電灯がそういうタイプでした。

これ、5V/3Aのアダプタとケーブルだと、充電されないんです。
しかし、5V/2Aだったら充電できる。

こういう時に、低速の充電ケーブルが役に立つんですよ。

手持ちのアダプタが高出力(5V/3A以上)であっても、ケーブルが低出力(5V/2A)だったら充電できるようになる。

わざわざ5V/2Aの充電アダプタを用意する必要がなくなるんです。

僕はこのことに気づいてから、余分に持っていた5V/2Aの充電アダプタを手放せました。

手持ちのデジタルデバイスで充電できないものがあったら、出力特性をチェックしてみてください。

もしかしたら、充電アダプタを準備しなくても、ケーブルを変えるだけで充電できるようになるかもしれません。

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