迷走と疑問
コーヒーの正解はない。
コーヒーというのは奥が深く、0.01mmのグラインドを変えるだけで味は変わるし、1sの抽出時間で風味はガラッと変わる。
その微調整を行うのがバリスタの本業なのだ。
毎朝コーヒーの味のチェックを行う。
特にブラックコーヒーを飲む人間としては、味のチェックをお願いされる。
ミルクを使用するホワイトコーヒーは、ミルクの味でまろやかになるけれど、ブラックはエスプレッソ本来の味を楽しむためにあるからだ。
だからか最初はたくさん飲めなかったコーヒーは1日に5杯以上は飲んでいるし、死ぬんじゃないかなと思うくらいコーヒーのショットを飲んでいる。
ホワイトコーヒーはニュージーランドではフラットホワイトが定番なのに、ミルクが自分の体に合わなくなり、それよりも小さいピッコロで飲むようになった。
ところが最近はコーヒーの味に迷走している。
果たして自分の美味しいと思うコーヒーの味が正しいのか?
はたまた本来あるべきコーヒーの味はどれなのか。
わからなくて夜の街を放浪した。
実際美味しいと思ったコーヒーを作っていても、気温や湿度、風などで微調整が何度も必要とさせられる。
ただ美味しいと思って飲んでいるコーヒーの裏側ではかなりの戦いが行われているのだ。
これに関してはもう働かないと絶対にわからないと思う。
どこのカフェがどこまでのコーヒーのクオリティを目指しているのかはわからない。
ただコーヒーを売りにしている店のバリスタはかなりコーヒーと向き合って、常に味に関して嗜好を感じ、勉強していることを知って欲しいとは思う。
うちの店でも日々コーヒーの味について議論する。
おかしいと思ったら調整してもらうし、最大の美味しさを引き出しているつもり。
だけれど、それもわからなくなって思わず夜の街に繰り出して散歩する。
昔はワインを嗜好の一つとして、仕事終わりにワインと料理を楽しみながら色んな議論をした。
今はコーヒーだけれど、一周回って何が良くて何がダメなのかがわからない。
でもこれだけは言える。
”コーヒーは楽しんで飲むことが1番大事だということ”
ただその背景ではバリスタはコーヒーという繊細な生き物と戦っている。
ご支援いただいた分は海外移住への未来の投資とコーヒーの技術向上に使わせていただきます。