生命保険会社でのキャリア(総合職)

みなさん、こんばんは。noteに書き込みをするのが2年ぶりになってしまいました。この2年の間に私は転職し、生命保険会社からメーカーに移りました。金融機関で勤める方にとっては、かなり珍しい転職先だと思いますが、私はとても満足しています。これらの経験も踏まえながら、前職の在職時は明かせなかった生命保険会社でのキャリアについて語りたいと思います。

私は、入社後にすぐ現場配属され、初めは営業所(生命保険会社によって様々な呼び方があります、「支部」「営業部」等)のスタッフとして働き始めました。大体どこの生命保険会社も、初めは現場配属される方が非常に多いと思います。そこで待ち受けるのは、世間一般でいう生保レディです。彼女たちは年齢構成こそ様々ですが(主に40歳以上ばかり)、非常に手強い性格の方ばかりで毎日が苦労の連続でした。営業所では、営業所長がおり、その指示を受けて生保レディたちの営業活動を支援し、成績を引き出すというのが主な職務です。また、営業所の上位組織として支社という組織があり、そこのスタッフとして配属される場合もあります。この組織では、傘下の営業所を束ねてどのように地域で実績を作っていくかが仕事になるので、生保レディが喜ぶ催しを企画したりします。

営業所の生保レディは個人事業主のため、厳密に言えば会社員ではなく、コンプライアンス違反をしない範囲で成績を出していれば雇用されるため、基本は指示が通りません。ここが営業所長にとっては痛手なのですが、ここを逆手に取って強気に出てくる人もいます。しかし、大概そのような人はすぐに辞めていくような成績しか出せません。

何が言いたいかというと、営業所では生保レディに囲まれて、理不尽な要求に耐えながら職務をこなすという日々でした。また、生命保険会社はおおよそ体育会の雰囲気や慣習が色濃く残るため、朝7時に出社・会社を出るのは夜9時ごろ(もちろんサービス残業)という勤務でしたので、ここを耐えられないのであればおすすめしません。

しかし、このような環境だったため、社会人のスキルとしてはかなり成長できたと思います。とにかく仕事量だけは多かったので、色々な経験をしました。プライベートはかなり削りましたが、ここで頑張れたのは結果として大きな財産になったなと思っています。そのためかわかりませんが、かなり評価を高くもらっていたので、次の異動で人事へ配属されました。

人事では、本当に面白い経験をたくさんしました。ここで赤裸々に語ることはしませんが、会社生活に何が大切かを学びました。簡単にまとめると「実績を出すのではなく、実績を出している風に仕事をこなすこと」が最も効果的であるということを学びました。上位レイヤーとの仕事では、とにかく喜ばれることを意識してこなせば、必然的に評価は上がっていきます。実績ではありません。人間なので、感情がかなり評価に入り込みます。ここは会社員のライフハックとして覚えておいていただければと思います。

人事としては、ほとんど全ての業務に携わったと言っても過言ではありません。かなりマニアックな業務にも携わりました。よく人事はエリートだと言われますが、中で働いている人は意外とそんなこと思っていません。むしろ業務量が多くて、大変だとさえ思っている節はあります。人事は憧れの職場というのは、今は昔で、大変な職場ですがかなり幅広い視座が手に入ることは間違いないです。人脈も広がります。私は人事という仕事が面白いと思ったので、今も人事をしています。

その後、数年の見習い期間を経て、今度は自分が営業所長になりました。この時は、生命保険会社の限界を悟りました。生命保険会社の営業管理職は、とにかく「採用すること」が評価されます。普通の会社ではありえないですよね。普通は、働かせてくださいと言って人が来るはずなのに、生命保険会社では色々とその人に合うであろう理由をつけて熱心に入社してくれと誘うのです。

その理由はなぜでしょうか。世間で言われている通り、採用できれば営業所の成績が上がるからです。採用すれば、まずは周りの知人・友人から保険契約を結んできてくれます。それで一時的に成績が上がればそれでいいのです。総合職は3年程度しか、その営業所にいませんから、いる間にうまくいけば良い人事をしてもらえます。とにかく採用をすることで、営業所の風向きが変わることがあります。例えば、入社してきた新人の友人が芋蔓式で入社してくる場合などがあります。そのため、採用は全てを変えるなどと業界では言われますが、要は成績が上がるというだけです。

私は、この仕組みに嫌気がして転職を決意しました。こんなおかしなビジネスモデルが令和の時代に続いていることにびっくりしますが、情弱のおばちゃんが世の中には意外とおり、入社してくるのです。知識がなく、収入も少ない人が入社してきます。しかし、大概は他の企業では取らないような経歴の人です。これが実態ですので、これから就職しようとしている大学生の方は注意してください。生命保険会社は、給料が高くてホワイトなんて甘い世界ではありませんので。

ですが、給料が高かったのも事実です。同世代の1.5~1.9倍はもらっていたのではないでしょうか。このように、厳しい環境で総合職は仕事をしますが、給料は世間では良い方だと思います。出世できなくても、そこそこいい生活はできます。

生命保険会社のキャリアにおいて、特別なスキル等がない人は大体営業現場で仕事をすることになります。そこでは、普通の人が経験しないような仕事が待っています。ですが給料が高いので、なんとなく続けてしまうのが多い事実もあります。

このキャリアで満足できるか、違う会社がいいと思うかは人それぞれですが、私はそのキャリアや収入をうまく使って生きていけばいいと思っています。

また、生命保険会社の総合職には「営業総合職」と言われる総合職があります。これはいわゆる営業所長を養成するためのソルジャー部隊を作るコースです。よく一国一城の主として仕事ができるなど、意味がわからないことを言って勧誘しますが、これは嘘だと言えます。結局は会社や上位組織である支社の方針に従い、その範囲の中で物事を決定できるというに過ぎません。このような言葉で勘違いした学生を採用する生命保険会社も悪いですが、信じる学生も悪い。所詮サラリーマンであることを忘れないでください。そして、役員や本社部門への出世は基本的に望めません。なぜなら、ソルジャー部隊のソルジャーを減らしたくないからです。

このような厳しい環境の生命保険会社ですが、私は自分を磨くためには面白い環境でもあると思っています。取り止めもない文章になってしまいましたが、この環境で成長できるかどうかは全て自分次第です。生命保険会社でキャリアを築く皆さんに幸あれ。

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