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信じている人から裏切られた

こんにちは。「元気な心と体のあなた」のプロデューサー武衛鮎(ぶえあゆ)です。この連載では、毎回日常の中でどうしてもイライラしてしまうような具体的な事例を1つ取り上げて、それを「体を整える」ことから解消していく方法をご紹介します。事例として取り上げるのは、コンテンツ制作チーム「未来の仕事屋」さんのお仕事小説『生活残業クロニクル』の主人公木田有希ちゃんのイライラです。

※この連載は1回ごとの読み切りです。また『生活残業クロニクル』本編をお読みいただいていない方にも内容がわかるようになっています。

この連載で解説している「イライラ解消」の基本となる考え方については、下記の基本の記事「なぜイライラするの?」で解説しています。

今回取り上げるイライラの元凶は、有希ちゃんの「信じている人から裏切られた」という気持ちです。それでは詳しく見ていきましょう。

●イライラが生まれる背景

この物語の主人公有希ちゃんは、「時給で働く」という働き方をしていて、日々、同僚たちの「生活残業」に悩まされています。「生活残業」というのは、生活費目当てでわざとダラダラと働いて残業代稼ぎをすることを言います。

有希ちゃんは「生活残業」をしている同僚たちに注意する立場にはありません。でも、社員たちは何も言わずに見て見ぬ振り。理不尽に感じながらも何も言えずにいた有希ちゃんのイライラはついに限界に達して、あるとき親友の麻子にすべてをぶちまけてしまいます。

学生時代から正義感の強かった親友の麻子なら「きっと自分の気持ちをわかってくれるはず」と思っていた有希ちゃん。しかし、麻子は有希ちゃんの気持ちを理解するどころか、「生活残業」を繰り返す同僚たちの立場になって、有希ちゃんの考え方を「狭い」と言います。

親友だけは自分を否定しない、親友だけは自分の気持ちをわかってくれると思っていた有希ちゃんはひどく傷ついてしまいます。家族や恋人、親友など、自分との距離が近く、いろんなことを「わかり合える」と思っている関係の中で生じてしまう「わかり合えないこと」にショックを受けたりイライラして「裏切られた」と思ってしまう気持ち。なんとなく想像できるのではないかと思います。

(ご興味のある方は本編をご覧ください)


●「裏切られた」と感じる理由

家族や恋人、友人関係などにおいて、「信じていたのに裏切られた」という気持ちになってしまうことがあります。

この「裏切られた」ということを、少し深く掘り下げてみましょう。先ほど紹介した有希ちゃんの例もそうですが、相手があなたを「裏切った」かどうかは、あなたにはわからないはずです。相手には、あなたのことを「裏切ろう」という気持ちがあったのかもしれないし、なかったのかもしれません。それはあなたにはそもそもわからないことなのです。

コミュニケーション不足から相手の言葉や行動があなたの「思い通り」にならなかったということが言えます。「思い通り」にならないと人は怒りを覚えるものです。

「裏切られた」と感じたら、まずは「自分の何が思い通りにならなかったから怒りを感じたのか」と変換して考えてみることが大切です。先ほどの有希ちゃんの例で言えば、有希ちゃんがなんとかしたいと思っているのは「同僚たちの生活残業」ですよね? 本来の願いは親友の麻子とは関係ないところにあります。しかし、そんな自分の気持ちに「共感」してくれなかった麻子に対して「どうしてわかってくれないの!」とイライラをぶつけてしまったのです。

「同僚たちの生活残業」と「共感してくれない親友」という、2つの思い通りにならないことによって起こっているイライラは、分けて考える必要があります。常に、本来の理由がなんなのかを考えることが大切です。

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●入力を変えると反応も変わる

親しい人間関係の中だからこそ起こってしまう「裏切られた」という気持ち。例えば「愛してほしい」という気持ちは誰でももっているものですが、自分の中に「こんなふうに愛してほしい」という視点があると、それに当てはまらないものを「愛されていない」と受け止めてしまうことがあります。

これは「愛がない」のではなくお互いの「愛し方がズレている」だけで、「愛はある」のです。本来の望みである「愛してほしい」という願いは叶えられているにもかかわらず、「自分の思い通りになっていない」となってしまいます。

このズレを解消する方法があります。それは「入力を変えてみること」です。

とてもシンプルな方法ですが、自分の好きなものや心地よいと思うもので周りを取り囲んだり、体感してみることです。

いつもはしないちょっとした贅沢などでも構いません。「プロがいれた美味しいコーヒーを飲む」「布団のシーツを新調する」など。他にも自然に触れ五感覚で感じてみるということ。例えば「土のにおいを嗅ぐ」「裸足で歩いてみる」など、普段はしないようなことで、あなたが気持ちいいと感じることです。ここでのポイントは、罪悪感を感じないものにすることです。

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まず自分の体感を快適なものへ変えてみる。「感情は反応」です。入力を変えることで、心も体もリフレッシュすることができます。すると思考も変わり始めます。大切な人との関係を大切にするために、ぜひ「入力を変えること」をやってみてください。


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察してくれない

武衛鮎
鍼灸按摩マッサージ指圧師・コーチングコンサルティング/インド政府機関BSS認定パンチャカルマセラピスト取得/アロマセラピスト/個人・アスリート・企業向けヨガインストラクター/『元気な心と体のあなた』をプロデュースする情報を発信しています。
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