芸能詐欺やスキャンダルに遭わないために。何のために芸能マネージャーになったのか〜初心忘れるべからず〜
芸能界は怖いところです。
僕は大学を卒業してから本格的に芸能界の仕事をはじめ、色々な経験をしました。
新卒の22歳が通用することはほとんどありませんでした。それでも、その経験を活かして今もこうしてマネージャーを続けられているのは、当時の未熟な僕に色々と勉強させてくれた事務所や、周りの業界の方々にお世話になったからです。
タレント志望や芸能活動をはじめた人のほとんどは社会経験に乏しい10代、20代の、世間でいえばまだ子供です。
そんな子供が、大人の世界で、大人を相手に仕事をしなければならないのです。そして、残念ながら芸能界にはそんな経験も知識もない子供を、あわよくばうまく利用してやろうという人がいます。
でも、子供の方は、自分の夢や目標を追いかけるのに必死で、あるいは今までに見たこともない世界に目がくらんで、まるでふわふわと夢の中にいるような状態です。
芸能界はまた、魅力的なところでもあります。
普段は会うようなことのない人と出会えたり、同年代の友達が知らない経験ができたり、メディアや雑誌でしか見たことのない世界の裏側を見ることができます。
実生活の友達や家族とは違う関係の人達……ファンやフォロワー、クライアントやインフルエンサーなどがあなたの周りに現れます。
そういった生活をしながら、自分の夢に向かって努力し、大勢の人に応援され、みんなで協力して夢をかなえることができたら、それは人生で最高に幸福なことだと思います。
夢に手が届かなかったとしても、ここでしか得られない、今しかできないことがそこにはあります。
しかし、全員がそうなれるわけではありません。業界には夢のような話、ドラマみたいな話がゴロゴロしています。普通ならあり得ない現実離れした話をする業界人が大勢います。
誰が信用できるのかわからない、何が正しいのかわからないまま、子供が大勢の注目を浴びて、大勢の大人に囲まれて、そんな話をあちこちから聞かされたら、やはり、それはとても怖いことだと思います。
そして、ほとんどの人が数年もしないうちに(つまり大人になる前に、あるいは大人になったら)芸能活動をやめていきます。
今の僕自身も含めて、未熟であるということは、可能性があるということです。しかし、ほんの数年の活動で、十分に満足して、自分の限界まで成長して納得がいく終わり方ができたという人はほとんどいないでしょう。
自分の未熟さに気付けない子供が、大人にうまく利用されて使いつぶされたり、未熟な自分を過信して天狗になってしまったり、あるいは自分の可能性に気付けないまま終わってしまったりして、実際には「やめる」というより「消える」人がたくさんいるのが現実です。
せっかく芸能活動に興味を持ったり、頑張ってみようと勇気を出したのに、こんな形で自分を見失ってしまう人を見ると、その人だけでなく、業界全体の損失であると感じます。
芸能界は競争社会です。自分を見失ったり、続けられなくなった人からどんどん消えていきます。大学生のミスコンだけでも、毎年何百人もの新人が現れては消えていきます。芸能事務所に所属できても、そこからブレイクしてずっと活躍し続けられる人はほんの一握りの選ばれた人だけです。
幸運にも一瞬スポットライトが当たったとしても、人生で一番輝いていたピークは20歳前後でした、これでは残りの人生が寂しいものになってしまいます。それよりも、その後の長い人生もずっと輝き続けるための土台になるような芸能活動をする方がいいのではないでしょうか。
売れたい、人気者になりたい、そればかり考えて自分を見失うのではなく、表舞台でメディアやイベントに出ることを目指しても、あるいは地下やネット配信でも、裏方のお仕事であっても、自分の居場所を見つけて活動を続けていくことができれば、ほんの一握りの選ばれた人だけでなく、どんな人にもチャンスや収穫があると思います。
僕が独立してフリーのマネージャーになったのは、そういう活動をしていく人と一緒に頑張っていきたいからです。
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