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星合の空 感想

今回は星合の空。

今日一気見したので感想を書きたいと思う。

ストーリーは、ソフトテニス部に所属している中学生男子たちの話。主人公は転校生で、転校した先の学校に古い友人がおり、その友人に声をかけられソフトテニス部に勧誘される。主人公はタダでは入らないと言い、毎月1万円を用意しろと要求する。それに応じた友人はお金を払い主人公を部活に入れることに成功した。しかし、その部は弱小チームであり、次の大会で成績を残さないと廃部になってしまう状態にあった。テニス初心者の主人公が部活に入ることによってチームの中に変化をもたらしながら物語が展開されていく青春ストーリー。

内容はこんな感じになっている。

最初の印象としてはよくあるスポーツ部の熱い青春ものだと思っており、個人的にスポ根は好きだし、前から気になっていた。

しかし、蓋を開けてみればかなり複雑なシリアスアニメだった。

それは登場人物一人一人に家庭の事情があるということだ。例えば、主人公は8歳のときに両親が離婚している。母方に引きとられ、母親と2人暮らしをしているのだが、父親は主人公の後を追いかけ住所を調べ、度々お金を主人公に要求をするようなクズな性格をしている。その際に、小さい頃から虐待を受けていたため、素直に渡さないと暴力を振るわれる。離婚しているとは言え父親ということもあり、主人公は父親との関係に苦しめられながら学生生活を送っている。
他にも兄弟関係に悩まされているキャラ、母親に兄弟の出来を比較される弟キャラ、養子として育てられているキャラ、親が再婚した義母に軽蔑の目で見られるキャラ、幼児期に母親に熱湯をかけられ背中に火傷の跡があるキャラ、モンスターペアレントの母を持つキャラ、Xジェンダーに悩んでいるキャラと言った主要人物がみんな何かしらの悩みを抱えているキャラが多い。

回を重ねるごとにキャラの1人1人の悩みに触れつつ話が展開されていくが、年頃の男の子(中学2年生)で家庭事情に悩まされるというのは本当に苦しいもので、自分もキャラたちと同じ歳に同じような悩みを抱えていた時期でもあったため、かなり共感できる部分があった。

そんな内面を持ったキャラたちだが、主人公が入部することにより部活のことだけでなく、精神面でも向き合うシーンが多い。

つまり、ただの熱血青春スポーツアニメではないということだ。

多分、初見で見た人はみんなこんなに重い内容だったのかと思って見るのを辞めてしまう人も多くいるだろう。

それでも僕は面白くて一気に見てしまった。

というのも、主人公の考え方や性格が中学生離れしているというところに面白さを感じた。
ずっと家庭的な事情で苦しみながら生活をしているせいか、周りにそういった悩みを抱えている人に優しく寄り添えるというところがすごいと思った。こういった過去や経験や環境で育った人でしか生まれないだろう考え方を持っているため、人が何かに悩んでいたりしても行動に違和感を感じ、そのことに寄り添うことができるというのは普通の人間ではできない。

そして頭の回転もいいため、ソフトテニス初心者でも数ヶ月で上達し、大会でもそこそこな結果を残すという、スポーツ面と人間の抱える悩みという2つの要素に自分は主人公に惹かれた。

だが、一つだけ疑問点がある。それは終わり方があまりにも打ち切り感を漂わせる終わらせ方だったからだ。一応12話構成なのだが、最後の方はこれ話数足りるかと心配しながら見ていたが、あたかも2クール目があるかのような中途半端な終わり方をしていた。気になって調べてみたが、どうやら24話構成だったが何かの不都合で放送できない様子だった。24話構成ならいつかは2クール目をやってくれると楽しみにしながら待つが、あまりにも不完全燃焼だったため、アニメの続編頼む!と言ったところだ。

自分は大学時代心理学をやっていたせいか、キャラのそういった悩みにも特徴的なところを理解しやすく、LGBTや解離性同一性障害などの人たちはこんな感じの悩み方をしているのだと勉強することもできた。心理学を専攻している人は見てみると面白いかもしれない。

ただ、上にも書いたように内容が重いためそれなりに覚悟を持って見ることをオススメする。


ありがとうございました。

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