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今、世界で起きていること

 今起きていることを『社会システム原論』をベースにしてお話してみようかなと思い立ったので、書いてみます。出来るだけ分かり易く書きたいので、少々長文になるかもしれませんが、そこはご容赦ください。多分時間もかかります。でも、もし読んでくれて分かり易かったり、面白かったりしたら、スキで教えてください。ではいきます。

新型コロナウイルス感染症パンデミックとゲーム理論

 今回の新型コロナウイルス感染症パンデミックの真犯人は、誰なのでしょうか?巷の報道ではアメリカ vs 中国の構図が完全に出来上がっているように見受けられます。でも証拠がないので、よく判りません。犯人は黙秘を続けています。一体何故にってことですよね。ここが大事なポイントだと思います。ここでよく使われるモデルが登場します。『ゲーム理論』の一つ、「囚人のジレンマ」です。

 ある2人の容疑者がいました。その2人をそれぞれ別の部屋で事情聴取します。その時にそれぞれの容疑者には、2つの選択肢が出来ます。「黙秘」が「自白」かです。これを表にするとこんな感じ、ですかね?

          容疑者B
        黙秘   自白
     黙秘
容疑者A
     自白

 ここまではOKでしょうか?問題はここからです。

【懲役年数】    容疑者B
        黙秘   自白
     黙秘 -1,-1   -10,0
容疑者A
     自白 0,-10   -5,-5

 懲役年数を例に表を書くとこんな感じです。2人とも黙秘を貫けば懲役1年で済みます。ただ、どちらかが裏切って捜査に協力的に自白した場合、懲役0年になりますと持ち掛けられた場合、容疑者たちはジレンマに陥ります。もし、片方の相手が自白してしまった場合、自分だけが黙秘を続けていると、相手は捜査に協力的であったとして懲役0年になり、逆に自分は懲役10年になってしまいます。そこで、どうなるかというと、結局、両方が自白せざるを得なくなってしまいます。2人とも懲役5年になってしまいます。

 これが囚人のジレンマです。全体で見れば、両者とも黙秘を続ければ、証拠不十分で懲役1年で済むはずだったところに、それぞれ自分だけ助かろうとした結果、結局2人とも損する羽目になるという方向に圧力がかかる状態です。

 この全体で最適な黙秘&黙秘の点を「パレート最適点」と云います。また、自白&自白の点を「ナッシュ均衡点」と云います。

 これが、個人個人がそれぞれ自分だけが助かろうと合理的行動をとった結果、全体で見れば、非合理的な結果となってしまう状況です。今のトイレットペーパー問題やマスク問題にも、当てはめられます。では、何故このような事態が起きてしまうのでしょうか?鍵は2人の容疑者が別々の部屋にいることです。

パレート最適点(全体最適)とナッシュ均衡点(部分最適)

 ここまでの議論をまとめますと、つまり、全体の情報が分からないことが問題なのです。この状態につけ込んで悪質な情報を拡散すること。これが「デマ」の正体です。全体が判らないから、とにかく買いに行く。とにかく確保する。そうしていつしか社会全体が非合理的な結果になってしまう。深刻な在庫不足に陥ってしまう。なんともヒドイ話です。

 ちょっとだけ、一歩引いて、出来るだけ上のほうから眺めるつもりで、今の手元にある情報を観てみてください。うそだということがだんだん見抜ける様になる筈です。それと同時に、じゃあ次は何が起こるのかな?ということが想像できるようになってきます。本当ですよ?ぜひ試してみてくださいね。

 これを少し難しい言葉で「ポジション・シフト」と言います。ビジネスの世界でよく使われるテクニックの一つです。相手の立場に立ってみたり、全然関係ない人はどう思うだろうかと想像してみたりすることもポジションシフトです。ほんのちょっとで良いです。あの人なら何て言うだろう、でも良いです。

 もしかしたらアメリカや中国は世界全体のことを考えて情報を隠しているのかもしれません。もしそうならば徹底的に隠し通す必要があります。今のアメリカや中国にそういう視点があればという話ですけどね。そうであればこれからも徹底的に隠し通す合理的行動を採り続けるはずです。それならばそれでも良いです。

 それが全体最適、つまりパレート最適なら、それで良いと思います。でも実際にはどうなのでしょうか?今のアメリカは世界全体よりも自分の国のことだけしか考えていないようにしか見えない気がしてなりません。

 何故そう思うかというと、大統領が自分の国の利益が最優先だと言い始めたからです。

 客観的じゃなくてごめんなさい。でも演説がそんな感じなんです。

せっかくEUというヨーロッパ連合を作ったのに…

 では、ここからはいきなりですが、ちょっとポジションを変えて、イギリスを見てみましょう。今イギリスでも世界全体よりも自分の国を優先しようという意見が強くなってきている様です。

 せっかくEUというヨーロッパ連合を作ったのに、それをやめようと言い出したのです。

 勿体ないです。せっかくEU共通通貨のユーロ=€、まで作ったのに。ヨーロッパ全体で見ればイギリスには残って欲しいのに、自分の国を守ることを第一に考える様になってしまいました。

 ここでもナッシュ均衡点に陥っています。こんな風にそれぞれの国が自分のことだけを考え始めています。世界の国々が自分のことだけを考え始めたら。本当に大変なことになってしまいます。それこそナッシュ均衡点です。

 こんな風に枠組を世界とかEUとかイギリスとかに広げたり縮めたりして考えることを「フレーム・シフト」と言います。これに併せて使いたいのが、「タイム・シフト」です。歴史を知ろうと研究するのはまさにこの「タイム・シフト」を使うためです。現在、過去、未来に向けて自分の視点を色々動かしてみてください。きっと何かが見えてくる筈です。歴史的背景を調べてみてください。

視点移動という名のテクニック

 ここまでに登場した3つのシフト、「ポジション・シフト」、「フレーム・シフト」、「タイム・シフト」のことをまとめて「視点移動」と言います。これは、ビジネス上のテクニックとして度々登場するものですが、あらゆる事象に応用することが可能なものであると私は考えています。ここまでが、社会システム原論で登場する「囚人のジレンマ」とビジネス上のテクニックである「視点移動」を使って、考えてみた私なりの『今、世界で起きていること』です。

 大切なのは、自身で考えてみることと同時に、イデオロギーを確立しながら、これらの理論やテクニックを応用して、世界を観る目であるのかも知れません。


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