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今年最初の映画館

今年はもっと映画館で映画を観ようかと思います。

昨年はNetflixやU-NEXTなどから映像コンテンツを取り入れていましたが、なんだかんだ言っても映画館で集中して観劇することの大切さってあります。

ということで今年最初に選んだのはこちら。

昨夜、この映画のことをオオクボックスのツイートを見て知った。「これは観ておかないと!」前情報も何もありませんが、こういう直感は大切にします。

『非常宣言』。
映画の感想を書くFilmarksにはこんな感じで書き残しました。

★4.6と高得点を付けました。
面白かった!
下手すれば今年増やそうとしている映画館での観劇作品最高かも…と早くも思いました。

他の人の感想を読むと、後半がダレるみたいな言葉もありましたが、全くそんなことなし。後半とはテロにあった飛行機の“外”での戦いでしょう。

“外”での戦いとは、ウイルスに感染した飛行機の着陸をアメリカや日本が拒否する中、韓国世論までもが自国民の着陸を拒否し政府が大混乱に陥る場面のことです。

要は政府や世論の動きってことですが、それをダレるなんて言う人がいる中、私はそここそが面白かったですね。

あの後半はまさに“現在”です。
“鏡”です。

ウイルス感染の拡大を怖がって飛行機の着陸を拒否する。

この3年、誰もが繰り返してきた心性の具現化でしょうこれ。

はっきり言って、あの場面の世論は醜すぎて普通なら座視できないほどカッコ悪いですよ。でもあれこそがリアルでしょう。

しかもあの映画、日本政府も出てくるんです。
あの飛行機の着陸を拒否し、しかも着陸を強行する飛行機に対し自衛隊機を繰り出し成田上空で威嚇射撃までするんです。

今の日本政府にそこまでの強行手段が取れるか?
韓国に対して?

少なくとも韓国から見ればあれくらいのことは日本はやると思ってる。だからあんなシーンをつくる。あれは韓国から見た日本という視点を強烈に感じることができて勉強になりました。

しかしね、私は今の日本政府ならやると思いますね。

つまりこうです。

ウイルスを怖がる世論vs韓国とあとから揉めるかもしれない強行手段(韓国機の着陸拒否)

日本政府は世論の方が怖いでしょう。

そして日本の世論は韓国の150人の命なんてどうも思わないでしょう。韓国政府への反発が平気で韓国人へのヘイトに結びつく安直な劣化世論です。容易に想像できます。

だから私にはあの自衛隊機の威嚇射撃は“今の日本ならやりかねない”と思いました。

この場面ひとつとっても人間や世論の醜さが十分表現されている映画です。面白いに決まってます。

人の命を簡単に“着陸拒否”なんて言える空気は明らかにこの3年の産物です。そしてその醜い“着陸拒否”の空気はスマホを通して飛行機の中の悲劇の乗客にまで簡単に通じてしまうのです。これも現代的。

腐ってるなあと思います。
正義とか美談とか社会にはないのだなあと思わされます。

それもこれもこの3年で跋扈することになった社会の姿です。今までも存在はしていましたが、隠れていたり、恥ずかしいから隠していたものです。それが堂々と表に出てきた。この映画はそれをちゃんと表現しています。

そんな醜悪な空気に対して飛行機の中の乗客はある決断をくだします。

それがあまりに美しかった。

2時間超えの長さを全く感じることはありませんでした。あっという間に終わりました。

この映画にはここに書いた以上の魅力もたくさんあります。なにしろこの映画の王道は飛行機の中でのパニックです。
見応え十分。

しかし、これを見ちゃうとしばらく飛行機には乗れませんね(笑)

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