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JR東日本のカスハラ方針を考える

先月2024年4月、JR東日本が「カスタマーハラスメントに対する方針」を公表して話題になった。

カスタマーハラスメントに対する方針
https://www.jreast.co.jp/company/customer-harassment/

あたりまえのことが書いてある。けれど、これを日本の大きな企業がわざわざ公式ウエブサイトに掲載しなければならない状況がある。そこが問題だと言える。

たとえば以下のようなことが書いてある。

「当社グループのサービスをご利用されるお客さまの一部には、暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等のカスタマーハラスメントに該当する迷惑行為が見受けられることがあります。これらの行為は、安全で質の高いサービスの提供を担う当社グループで働く社員の尊厳を傷つけ、安全で働きやすい職場環境の悪化を招くものです」

「当社グループは、グループで働く社員一人ひとりを守るため、カスタマーハラスメントが行われた場合には、お客さまへの対応をいたしません。さらに、悪質と判断される行為を認めた場合は、警察・弁護士等のしかるべき機関に相談のうえ、厳正に対処します。」

つまり、ハラスメントが行われたと認識された場合は、社員を守ることを優先し、ハラスメントを行う人に対しては他のお客様と同じ対応はしない、ということだ。

言い換えると、企業は社員を守ることを優先するという宣言だ。

つまりこれは、企業としてのお客様に対しての方針でもあると同時に、社員に対する方針でもある。

弊社は今年2024年8月で設立21年を迎えるけれど、幸いなことにJR東日本のこのページにかかれてあるようないわゆる「カスハラ」のようなことはほとんどない。

ただ、弊社としても、万一そのような方がいた場合には、どのように対処するのかという方針は、当然決めていて、それはJR東日本の方針と実はよく似ている。おそらくどの経営者も、日本でもニュージーランドでも、同じような方針を決めていると思う。

まあ、このウエブサイトにかかれているような、いわゆる「カスハラ」の行為は、お客様と企業の間だけではなく、一般的な人間関係でも許容されないことだから、あえて言うと、普通にあたりまえの常識を持って過ごしている人たちには、関係のないことだ。

だけれども、まれにそうでない人もいることを前提に、日本の大きな企業が、社員を守ることを優先する、と宣言したことは、これからの日本社会を大きく変えていく出来事なのかもしれない。

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