『乱読のセレンディピティ』外山滋比古 著 ~もっとも おもしろい読書法~
こんにちは、エエメエちゃんです!(^^)!
今日はわたしが一番好きな “題名”(!)の本を
ご紹介します。
著者は“知の巨人”と呼ばれ、90歳を越えても
精力的に作家活動をされていた 外山滋比古 氏。
著書「思考の整理学」は有名ですね。
彼が晩年に出された本がこの、
『乱読のセレンディピティ』です。
もちろん、題名だけでなく中身もとてもいいので
紹介していきます。
<自分の頭で考える人になるための、外山式 読書の心得>
① ひとの意見によるところなく、自分の判断で本
を選ぶ。
② 自分のカネで買う。
③ 軽い好奇心につられて読む。
④ 読んでみて、これはいけないと思ったら、読み
かけでもさっさと放り出す。
どうして読み終えられなかったかを反省する。
<不健康な読書を避けるために>
① 本は読み捨てでかまわない。
② ノートをとる必要はない。
③ いくら栄養が高いといって、同じものばかり食
べていては失調をきたすのと同じで、本につい
ても過食は有害になる。
④ 偏食も過食と同じくらいよろしくない。勉強と
いって専門の本を読み過ぎると知的病人になり
がちである。専門バカはそのひとつである。
<アルファー読みとベータ読み。乱読はベータ読みのできる人にしかできない>
アルファー読みとは、読む側があらかじめ知識を
持っているときの読み方。
ベータ読みとは、内容、意味が分からない文章の
読み方。
昨今の日本の学校教育ではアルファー読みしか教
えていない。
そのため高度のベータ読みができなくなっている。
例えば新聞の社説、ノンフィクション、哲学的、
宗教的、科学的な本などを読むちから。
乱読ができる人は、ジャンルにこだわらない。
<乱読力を鍛えるには>
① 書店に行く。
ずらりと並んだ沢山の本の背文字に目を走らせ
る。おもしろそうだったら手にとり、あとがき、
著者の略歴などを見る、を習慣にする。
② 失敗を恐れない。
乱読に必要な覚悟である。
そして読めないで投げ出した本は、完読した本
と違ったことを教えてくれることを知る。
③ 人間は失敗によって多くのものを学ぶ。
ときとして成功より大きなものが得られること
もある。
④ 手始めに、新聞、総合雑誌を。
乱読の入門テキストとしてうってつけである。
< “セレンディピティ”とは >
“セレンディピティ”
= 思いがけないことを発見する能力
セレンディピティの由来といわれる
「セレンディップの3人の王子」のおはなし。
(笑)
<乱読の効用とコツ>
◎効用◎
① クリエイティブになる。
(反対にせまい分野の本ばかり読んでいると不
活発になり、模倣的に傾く)
② 軽い気持ちで読み飛ばしたものの中に意外な
アイディアやヒントがかくれていることが多い。
◎コツ◎
③ 風のように早く読むのがコツ。
ゆっくり読んだのではとり逃すものも、早く読
むものが、案外得るところが大きいこともある。
例えば、英語(語学)の勉強をしてるとき、辞
書を引きながら一生懸命理解しようとしている
時には分からなった文章を、ネイティブの人に
スラスラと読み上げてもらったら一瞬で意味が
分かった、というようなこと。
(ひとつひとつの言葉は断絶しているが、これ
にあるスピードのある運動を加えるとひとつら
なりの流れになる。)
☆落ちた売り上げを回復・上昇させた著者の“乱読セレンディピティ”の事例
著者は若き頃、とある流れで英語雑誌の編集主任
をやることになったそうです。
しかし、どんどん売り上げが落ちていき辛い日々
を送っていました。
名編集者と言われた本を読みあさりましたが、ま
るで参考になりません。
あてもなく、いろいろな本を読みました。
そしてどういう訳か、食べもののことを書いた本
がおもしろくなって、あれこれ読んでいました。
ある朝トイレで用を足していて、突如、〝編集は、料理に似た加工である”というアイディアが閃いたそ
うです。
途中のこまかいいきさつは省きますが、その閃き
を得たあとに出版した雑誌は一週間で売り切れ、
次号も完売したそうです。
その後は格別の努力をせずとも読者離れを起こす
こともなかった、と。
最初は専門分野の本を読み漁り、答えを探してい
たものの見つからず、一旦専門分野から離れて、
まったく別ジャンルに飛び込んでいたから起こっ
たセレンディピティですね。
しかもトイレで用を足している時に閃いたという
のも興味深いです。w
天からの啓示は超リラックスしている時に降って
きますよね~。
...これ以外にも、
“忘却の効用” “散歩の効用 “ 専門以外の人達と
の “ 乱談の効用 ”など、外山先生ならではの視点
の興味深い内容になっています。
何よりも私にとっては “乱読”を肯定してくれる
ありがたい一冊です!
最後までお読み頂きありがとうございました(^^)/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?