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宿無し弘文

早朝、蝉の声が響く。


日中はまだ残暑が続くが

朝夕の虫の音が

知らぬ間に響くようになった。

近所を歩くとコスモスやダリアの花・・

満月に近づく月も秋の気配だ。


「スティーブ・ジョブズの禅僧 宿無し弘文」柳田由紀子著(集英社インターナショナル)読了。


ジョブズに影響を与えた禅僧、

世界中に弟子がいたという乙川弘文とは

どんな人物だったのか。


京大の大学院から渡米したエリートだったが

アルコール依存者、破戒僧、

女性問題・・

多くの弟子に慕われつつも

家族にとっては犠牲に強いる夫、父親だった。


ジョブズがアップルを追い出された不遇の頃、弘文と出会っている。

弘文もまた、精神的に辛い時期だった。


その人物の意外な一面を知ったし

仏教や「禅」について改めて考えさせられた。


このところ、また般若心経の写経を始めたせいか

本の中の様々な言葉がスーッと入ってきた。


ハッとする言葉はたくさんあったけれど

素敵だと思った言葉は

「世の中でいちばん大事なことは?」という問いに対する答え。


「この世にいることに敬意を抱くこと」


読み進める中で、

一休さんや良寛さんが行ったり来たり・・

まだ私の中で色々整理できていないけれど

引きこまれる良書だった。



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