きちのすけ@my beloved Japan

「乃可勢」という一節切との一期一会から、日本の精神文化、お茶の世界へ誘われる。花も団子…

きちのすけ@my beloved Japan

「乃可勢」という一節切との一期一会から、日本の精神文化、お茶の世界へ誘われる。花も団子も大好き、新しもの好きの食いしん坊。特技:ういろう売り。♀ 好きな街/烏丸御池/京都東山/桂/神楽坂/日本橋/松本https://twitter.com/mosimosikameyo

マガジン

  • ど・みそひともじ DO・MISOHITOMOJI

    歴史上の人物の魂のうた。songs of the souls of historical figures

  • きち之助の美味しいお茶が飲みたい

    美味しいお茶が飲みたくなるほっこりコラム

  • Bambooジャーナル

    竹は古来より日本のくらしに根差し、また神宿る植物として神事にも使われ、日本人の精神に深く寄り添ってきました。生活環境の変化とともに道具としての利用が衰退し、放置竹林として生活圏の影響を危惧されつつも、脱プラの流れの中でその持続的な生命力、柔軟性や強度、抗菌性などといった性質があらたに見直されています。歴史をひもときながらその魅力に光を当て、新しい潮流を探ります。

  • 世界を見る眼

    世界がどう見えるかは自分次第。感じたこと、心が動かされた本などについての備忘録

最近の記事

形見とて

形見とて何か残さむ春は花夏ほととぎす秋はもみぢ葉  良寛 形見として何を残そうか。春は桜、夏はほととぎす、そして秋といえばもみぢ葉だなあ。 What should I leave behind as a memento? Cherry blossoms in spring, cuckoos in summer, and change color leaves in autumn.

    • 松風

      先日、名残りの茶をいただきました。 口切のお茶とも、新茶の味とも違う コクのあるなんとも奥深い味でした。 同じお茶を二種類の茶碗でいただいたのですが これも味が違うのですね。 初めて茶席を経験してから二十数年経って、 ようやく微妙な味の違いが分かるようになった自分を とてもうれしく感じました。 そのときの釜鳴りがまたとても心地よい音で なんと「松風」という銘の釜だそうで 姿も整った気品のあるたたずまいでありました。 関東の某お寺で使われていたものだそうで あの沢庵禅師

      • 晩秋来る

        お店の中ははや冬支度ですね。 気温が高かったから もう10月末だって、びっくり。 ドラッグストアはハンドクリームやリップクリーム ホッカイロなどあったかグッズ。 衣類はセーターやらダウン 食品売り場はお鍋やおでん、肉まんあんまん・・ クリスマスケーキやおせちの宣伝チラシやら。 それでも今朝はすっかり肌寒くなって 洗濯物も乾きにくくなってきましたね~ 総裁選、衆議院選が終わったかと思えば 何やらまた台風がやってくるみたいだし メディアの話題にも事欠かないわ・・ 今住んで

        • 何もしないという贅沢

          今日は午前中のうちにぐずつき始めて 時折止んで日が差したりのはっきりしないお天気。 おかげで近所の小学校から響く運動会の音も 選挙カーの大きな連呼も静かになって ゆったり珈琲時間をくつろげた。 潤いと静けさをもたらしてくれる秋の雨は 意外と嫌いじゃない。 はや10月も後半。 暑かったのやら、都知事選、総裁選、災害など めまぐるしいカオスのようなニュースで騒がしかったから 静けさを求めているのかもしれない。 先日行われたかぐやの夕べのイベントで 竹オルゴールの響きや朗読

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        記事

          日常の中の季節

          昨夜は後の月見。 満ちる前の少し欠けた月は優しくて 良い具合に雲もかかって趣がありました。 お供えしたお団子と栗にお酒を少々・・ 十三夜はしみじみ日本的なお月見だなあ~と思いました。 日中は暑さが残る昨今・・ 散歩道にはまだまだ芙蓉や木槿が咲いておりますが どこからともなく金木犀の香りが漂ってきます。 もみぢの盛りは遅くなりそうですが さくらもみぢは始まってますね。 日常の中に季節の変化を感じるのが好きです。

          竹の径・かぐやの夕べ

          京都府向日市のイベント「竹の径・かぐやの夕べ」が12,13日に行われます。 竹の径付近がおよそ4000個の竹筒のろうそくやイルミネーションで灯されて、幻想的な風情を楽しむことができます。 12日は子供の広場会場では13時~京都市共催の「竹結びフェスタ」。第六向陽小学校会場では両日16時~飲食の出店でにぎわいます。 今年は竹の径手前で、永守コレクションギャラリーによる竹オルゴールの音色が来場者を迎え、寺戸大塚古墳の竹林小屋付近ではかぐや姫の朗読が行われ、竹の径らしさを演出して

          竹の径・かぐやの夕べ

          うろこ雲

          坂道をペダル踏み漕ぎうろこ雲  銀兎

          いわし雲

          竹林をはや足で抜けいわし雲 銀兎

          秋の夕暮

          さびしさはその色としもなかりけり まき立つ山の秋の夕暮  寂蓮法師                (新古今和歌集) さびしさというものは、これといって見えるものというわけではないのだなあ。色づかない木々が立っている山の夕暮れの景色のように。 I guess loneliness isn't something you can see, like the evening scenery of a mountain with colorless tree.

          むしの音

          むしの音もながき夜あかぬ故郷になほ思ひそふ松風ぞふく 藤原家隆                        (古今和歌集) 虫の音も秋の長夜を鳴き通しているこの故郷に、いっそう物思いをさせる松風が吹いている。 In this hometown, where the chirping of insects continues throughout the long autumn nights, a pine breeze is blowing, making one fe

          秋草の趣き

          朝夕ようやく涼しくなり 虫の音がよく響くようになった。 日本絵画の中で屏風絵が気になり 近くの図書館で日本美術全集のような大型本をぱらぱらめくっていた。 酒井抱一の秋草・・ 色づきはじめた山ぶどうさえ主役にして、 生き生きとした命の輝きが描かれている。 日本絵画の中の秋草はしなやかで 同時に風の存在をも描き 光を宿した草葉の露は宝石のごとく輝く。 華美ではないが高雅な美しさがある。 日本画の植物画には余韻のようなものがあり きっちり緻密に描くヨーロッパの植物画とは異

          おく露のひかり

          おく露の光をだにもやどさまし をぐらの山にて何をもとめけん かぐや姫 これが仏の石の鉢というのなら、せめて露ほどの光をやどしていてほしいものですね。一体あなたは小倉山で何を探していたのですか。 If this is the stone bowl of the Buddha, I hope it retains at least a little light, like dew. What were you looking for on Mt. Ogura?

          月もなつかし

          もろともに見しその人の形見ぞと思へば思へば月もなつかし 水戸光圀 一緒に眺めたあの人の形見だと思うと、月もなつかしく感じられるものだ When I think of the moon as a keepsake of someone I used to look at it with, I feel nostalgic about it.

          あそびをせんとやうまれけん

          小倉山みねたちならし鳴く鹿の へにけん秋を知る人ぞなき  紀貫之                            (古今和歌集) 平安時代、宇多上皇が朱雀院で開いた女郎花合わせで おみなえしの五文字を句の頭において詠んだものだ。 折句といえば 伊勢物語に登場するかきつばたの歌をすぐに連想する。 唐衣きつつなれにしつましあれば はるばるきつる旅しぞを思ふ 在原業平 なんて面白い遊び心だろうか。 宇多天皇は日本三代実録や類聚国史の編纂を行っているし 寛平御時后宮歌

          あそびをせんとやうまれけん

          望月の駒

          あずまよりけふ相坂の山こえて 都にいづる望月の駒                       九条良経(新勅撰和歌集) あずまから今日は逢坂山を越えて、京の都に向かうことだろう望月の駒は。 Today, the horse of the full moon will cross the Osaka mountain from the East and head to Kyoto.

          秋のもなか

          水のおもてにてる月なみをかぞふれば こよひぞ秋のもなかなりける 源順                           (拾遺集) 池の水面を照らす月影の美しさに、今日の月は何日だったかとかぞえてみると、今宵こそ秋の真ん中、八月十五夜の月であったことよ The beauty of the moon illuminating the ripples on the surface of the pond made me count the number of days of