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定年前女子へ「戦場の明けましておめでとう」

こんにちは。橘吉次たちばなきちじです。
教授こと坂本龍一氏が逝ってしまった。
1983年大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」は若い私たちに強烈な印象を残し、教授作曲のメインテーマの美しい旋律は今もなお、還暦を迎える私たちの心を慰める。
デヴィッド・ボウイも内田裕也も逝ってしまった。
1986年男女雇用機会均等法から30数年…。
あの時代に社会にでた女性たちが、定年退職を迎える。

時代が音を立てて変わる今、まだ戦場で戦い続けている戦友たちへのメッセージを書いてみたよー!
ちょっと長いよー!


きちじは戦線離脱者


1987年の春にきちじは社会人となった。
男女雇用機会均等法施行の翌年である。
「チャンスは平等に与えますから、女性も社会にでて働きましょー」という官民合同キャンペーンが吹き荒れていた時代だった。

まあスゴカッタのよ。
ありとあらゆるメディアは「自立した女性」「しなやかな感性で男性社会を生きる女性」を取り上げて、
軍神アテナか!ジャンヌ・ダルクか!ってなほどに持ち上げた。
意志強く、志たかく、
誰にも頼らず己の才のみを武器にして、堂々と独りで生きる女!

かっこいー‼ 憧れちゃうー‼

「自立」の意味もよくわからないまま、「自立しなきゃ」「独り暮らししなきゃ」と目の色変えている若い娘で溢れていた。
w浅野なんてのも流行ったし、アメフト選手のような肩パッドが入ったスーツも流行ったよね。

80年代のOLファッション

今では信じられないが、就職面接の時に必ず訊かれた質問は
「貴女は結婚しても仕事は続けますか?子供ができたら辞めますか?」だった…。
若干22歳のきちじは真剣に考えて、もうハムレット状態だったわよ。
「子供をとるか?仕事をとるか?それが問題だ…」

二者択一にしゃたくいつしか許されていなかった時代…両立支援なんて発想もなかった。

あれから30数年が過ぎた…。
きちじは二次面接の部長に答えたとおり…ってわけじゃないけど、結婚もせず子供も産まず仕事一筋!34年間バリバリ仕事しました。
仕事は楽しかったし、職場仲間も好きだったし、会社を愛してましたよ。
「私は会社と結婚したよーなもんだよねー」と思っていましたからね。

だから、51歳で出世が頭打ちになった時のショックは大きかったのよ。
会社に裏切られた気分だったもんねー。

「私の今までの頑張りはなんだったの?」
「私の人生って何だったの?」
完全にミドルエイジクライシスにおちましたね。

もー、仕事に対する情熱をなくし、やる気を失い、上司の叱咤激励も重要な会議もバカバカしくなっちゃって、
「はい、お好きにどーぞ、私はテキトーにやりますから」ってな感じだった。

そんな毎日が楽しいわけがない。

それに更年期の体調不良が重なり、父の借金が重なり、母の認知症が加わって、もう砂を噛むような虚無の日々が続いた。
「これが私の人生か!これが輝いていた私の結末か!」

この歳で高条件の転職先なんてあるわけない。
特技もないし、資格もない。才能だってないし、英語もしゃれべれない…。
母の介護費用もかかるから、この収入を手放すわけにはいかない。

でも、こんなやる気のでない平社員ポストの仕事なんて嫌だ!
こんな無意味な毎日嫌だ!
会社辞めたい…でも、辞めてもやりたいことがあるわけでもない。

怒りと絶望、自分に対する情けなさと他人に対する恥ずかしさの感情の渦の中で、どうすればいいのか?まったくわからなかった。

辛かったっす…

そんな頃に、私はちょっと不思議な体験をした。
その体験がキッカケとなって、私は夜間大学に入学して再び神道を学び始め、神職資格を取得した。
そして57歳の時に早期定年退職をして、今は小さな神社のお手伝いをしながらカウンセラー稼業の個人ビジネスをやっている。

そう、私は戦線離脱をしたのです。


戦友たちの涙と絶叫


会社を辞めて1年ぐらいは、旧職の同僚たちと連絡を取っていた。
「どーしてるー?元気―?」
楽しく旧交を温めるはずが…

吉次退職の時に、本社部長まで出世した同期女性は、会社の経営方針や部下のやる気のなさに抱えきれない不満と憤りを抱えて、睡眠薬を常用するようになっていた。

出世競争に敗れて平社員に降格になった女性は、会社への恨みつらみを消化できないまま仕事を続けていて、楽しい会話は最初の10分だけ…。
あとは全部愚痴と涙の恨み言オンパレードとなった。

順調に出世した先輩社員は、役員雇用延長を選んだ。今は超楽々の仕事で毎日やることなく暇だとか…。
でも彼女は輝いていなかった。
人事制度のアレコレを語りながら最後には「もう私には関係ないから」とつぶやき、趣味もなく夢中になれるものがない毎日を嘆いていた。

彼女たちに同情なんかしない。
ましてや、会社組織にしがみつく愚か者だなんて思わない。

ただ、時代の移り変わりを静かに見つめている感じだ。
「時代の移り変わり」これは残酷だよなー。

誤解を恐れずに書くけど、私を含めて彼女たちは時代の「生贄いけにえ」なんだよ。
私たちの「苦しー!辛ーい!なんでこーなるのよー!」っていう心の絶叫が時代の進化を加速させるのね。

意味伝わるかしら…。

30代後半の頃、
結婚するのか?しないのか?
子供を産むのか?産まないのか?
もう、決めなきゃならない最終ラウンドを迎えて、きちじの心は嵐の中の船のように翻弄ほんろうされた。
何に翻弄ほんろうされたのか?
これシャカイジョーシキってやつに翻弄ほんろうされたのね。

私は、結婚もせず子供も産まない道を選んだ。
で、嵐が収まった40代になって気がついたのね。
あれ?誰からも批判されないぞ…

そうなの。
誰からも批判されなかった。
時代は変わっていたのだ。
ちょっと前なら「若くて健康な女性が自ら進んで子供を産まないなんて!非常識でしょ!」という世間の冷たい風って存在したのに、もうそれなかったのね。

あー、これは諸先輩女性の涙の賜物だよねー。
私はそう感じだ。
子供を産まないというだけで、世間から存在を否定された前時代の女性たちの涙と絶叫が時代を進めたのだよ。

ありがたいねーと私は思った。
だからこれ順番なのね。

私たち男女雇用機会均等法世代の涙の絶叫は、次の世代への贈り物になるんですよ。
じゃあ、どんな贈り物なの?
次の時代ってどんな時代?

それをちょっと考えてみよー!


競争原理…それ女性に似合わないでしょう



あれは2015年あたりだったと思う。
またまたやって来た「女性の社会進出ムーブメント!」

2016年に政府は「女性活躍推進法」なるものを創った。
これは、
「女性が働きやすく活躍しやすい環境の実現を目指しなさーい!」という政府からのお達しで、大手企業は慌てて「育児休暇だ!女性管理職倍増計画だ!両立支援だ!」とワアワア騒ぎ出した。

旧職の会社なんて「女性キラキラプロジェクト」っていう、腰が砕けそうになるネーミングの女性活躍方針を打ち出したくらい、政府のお達しは強烈だった。

で、どうなったか?
まず、女性総合職が激増した(悪いこっちゃない)
そして、私たち世代がバンバン管理職になった(これも悪こっちゃない)
更に総合職女で「子供できましたー!今日から育児休暇にはいりまーす!」と笑って去っていく若い娘が増えた…。
(悪いこっちゃない…悪いこっちゃないよ…でもね…)

そうなのだ。
悪こっちゃない結果の影で、
「女ってだけで出世できるのかよ」
という男性社員の暗い鬱屈うっくつと、
「あんた笑って育児休暇だろうけど、あんたの仕事全部わたしに回ってくるんだよー!」という子供を産まない女性の根深い恨みを生んだのだ。

雇用機会均等法世代の私たちもグラグラしましたよねー。
「それ男の嫉妬じゃん!私は努力したの!頑張ったの!女だから出生したわけじゃないけどー!」
って思わなかった?

「ちょっと待って…。育児休暇は権利だし子供できたことはおめでたいけど…三人目だよね…。あんた入社してからホトンド仕事してないじゃん!」
って思わなかった?

そーなのよ。
もう根本原理が、初期設定が間違っているから、何をどーやっても「女性の社会進出」って日本じゃ上手くいかないのよ。

今の社会の根本原理って「競争原理」なの。
初期設定が「弱肉強食」なのね。

これ女性には、特に日本の女性にはどーにも似合わない。
どーやったって、違和感が残る。
なんか腑に落ちない。

そりゃそーだよ。
日本女性の初期設定って「相互扶助」「共存共栄」なんだから…。

そもそも共同体というものは、仲間のパフォーマンスが最大化することを望むもの。
仲間を励まして応援し合って、一人ひとりが持っている能力が開花することで共同体全体のパフォーマンスがあがるんだからね。
チームスポーツってまさにそうでしょ。

でも、残念なことに今の社会はそう設計されていない。
仲間であると同時に、少ない社会的ポストを争う敵でもあるからね。
イヤでも競争させられちゃうのよ。

昔の人はそーゆーことが良ーく分かっていたから、
「はい、殿方は競争頑張ってね、応援しているからね!」
「でも私たちは競争嫌だから、ご近所さんと仲良くやりまーす」というポジションを自ら選んだ女を賢い女と評して内助の功などと語ったのだ。

だって僕らは「産む性」だよ。
独りでは生きていくことができない命を産む女性の根本原理が、競争であるわけないじゃん!
「お互いに助け合いましょー」これが命を育む女性の根本原理なの。

だから競争原理は似合わないの。
似合わない競争原理の戦場で戦う女たちは、みなトンデモナイほど重たい鎧をまとっているんだよねー。
いや、まとわざるを得なかった…。
そうだったよね。
(鎧を脱ぐ方法を忘れた女の話はこちら)


戦場の「明けましておめでとう」


ところがだ、この競争原理の社会はもうすぐ幕を閉じる。
「風の時代」ってそーゆー意味でしょう。
もう、競争しなくてもよい。
というか、競争なんかしてると時代に置いていかれる。

気づいたら、
「あれ?俺部長なのに、なんでみんな俺の話聞かないでCatGTPのいう事きくわけ?」とか、
「あれ?私死ぬ気に働いてるのに、何でyoutubeで笑ってるだけの小娘の方が稼いでいるわけ?」
ということになる。

そうなのだよ。
インターネットの普及、AIの進化が次の時代を連れてきた。
もう社会的ポジションなんて、何の価値もなくなる時代がすぐそこに来てる。
競争なんてしなくても、個人の個性をスクスク育てて、その個性が周囲を幸せすることで自分も豊かになる時代が来てるの。

これ中世封建社会が崩れて、殿様であることに何の価値もない!と人々が宣言した近代の始まりと同じこと。

時代は繰り返し。
古い価値観が崩れて新しい時代がはじまるのだよ。
今はその過渡期なんだよね。

だから、雇用機会均等法世代の僕たちは、旧時代の生贄いけにえなんだよ。
これ犠牲的精神を持ちましょーっていう話じゃないよ。
全然ちがう。
自分の初期設定を無視する犠牲を払うことなく、あなたの幸福が全体の幸福につながる社会が来るよってお知らせなの。

私たちの涙と絶叫が次の時代の訪れを加速させる。
これ次世代へのプレゼントだよね。

そうなの。
これは、戦場のメリークリスマスのラストシーンで、デヴィッド・ボウイが坂本龍一に最後に送った「キス」なのです。

「戦場のメリークリスマス」ラストシーンのキス

「明けましておめでとうございます!」

戦友たちよ!
時代を駆け抜けた、時代のサクリファイスたちよ!
戦場に新しい年の朝日が昇るよ!

どうか、そのご来光を見て欲しい。
朝日の輝きの中で、鎧を脱いで次の時代を感じて欲しい!
時代は変わっても、私たちの人生はまだ続く。

次の時代を生きよう!
共に協力しあって生きていこう!

明けましておめでとうございます!
↑これフォント10倍にしたい気分です。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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