【インタビュー】出演者から見た東京夜光と『fragment』

2023年9月12日(火)~18日(月)に吉祥寺シアターにて上演される、劇団 東京夜光の新作公演『fragment』。

残念ながら一部公演は中止となってしまいましたが、12日(火)からの開幕に向けて東京夜光は着々と準備を進めております。

『fragment』一部公演中止のお知らせ
https://www.tokyoyako.com/news/archive/fragment-anounce.pdf

今回は出演者の方々へのインタビューを公開いたします。
俳優たちは東京夜光、そして今作『fragment』をどのように見ているのでしょうか。

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丸⼭港都さん(劇団 東京夜光)

・簡単な自己紹介をお願いします。
劇団東京夜光 俳優の丸山港都です。大学卒業後に地元である松本のTCアルプに所属し、退団後は拠点を東京に移し活動しています。東京夜光作品には劇団化前より全作品に出演しています。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
第一印象はほんとうにダメなやつ。
でも周りから言われてることや抱えてる問題には自分にも共通するところがあるので、分身でもあり身代わりでもあるような感じです。

・『fragment』は東京夜光にとってどのような位置づけの作品になりそうでしょうか?
東京夜光の新しい"劇団公演"のスタイルに挑戦した作品です。これまで俳優部は台本があがってから創作に参加してきましたが、今回は1年前から劇団員たちで作品の創作に向けて準備を重ねて共有し、365プロジェクトfor吉祥寺シアターとして公開してきました。その力強さが作品を大きく支えていると思います。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
まずは登場人物たちと同じ表現者たちです。きっとどこか刺さるところがある作品と思います。
反対に表現活動をしていない人たちがこの作品を観てどう思うのかも気になります。

草野峻平さん(劇団 東京夜光)

・簡単な自己紹介をお願いします。
見た目のせいか若い頃から老け役をやることが多く、最近になって徐々に徐々に実年齢と役の年齢が近づいてきた感じがします。そんな草野峻平、35歳です。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
年齢が35歳、僕と一緒。でも僕と比べたらとても強い人。
主人公の演技の問題点を指摘するセリフがあるんですけど、じゃあ言ってる当人(草野)はそれが出来てるのかい?と試されるような役です。

・『fragment』は東京夜光にとってどのような位置づけの作品になりそうでしょうか?
昨年の本多劇場での公演時、団体としてすごいスピード出世だ、と言っていただけることが多かったのですが、それを経ての今回が本当の意味で「劇団としての強度」が試される公演だなと思ってます。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
きっと世代とかで感想が全く変わる舞台なんじゃないかと思います。その中でも特に年上の世代、僕らより戦争に近い世代の方々がどういう感想を抱くのか、すごく気になります。

笹本志穂さん(劇団 東京夜光)

・簡単な自己紹介をお願いします。
東京夜光劇団員です。明大で丸山くん草野くん川名くんたちと舞台をつくり、卒業後は民藝に入団しました。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
キャラクター、とは違うのですが、演劇を一緒につくっていた同期の間が開けていて、何でも言い合えるところは、わたしの同期たちと同じだなぁ、と。

・『fragment』は東京夜光にとってどのような位置づけの作品になりそうでしょうか?
色々と手を広げてきたなかで、本当につくりたい芝居って何、とかどんな稽古をしていたい、とか、源を作っていく作品かな。

永田紗茅さん(柿喰う客)

・簡単な自己紹介をお願いします。
永田紗茅です。ナガタサチと読みます。紗茅という漢字は非常に間違えられやすいです。劇団「柿喰う客」所属、24歳です。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
運が良くて、程よく愛想が良くて、考えがはっきりしていて、感情を隠せなくて、嘘をつくのが嫌い。自分と似ています。

・東京夜光に対する印象は?
シックな大学生。学生時代からの仲間感はありつつ、干渉せずに大人な距離感で今も演劇で繋がっているから。マイナスな意味はありません。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
ほんの少しでも、どんな形でも、演劇に関わった経験がある方。それぞれの距離感で、この作品を観てほしいです。

阿久津京介さん(もあダむ)

・簡単な自己紹介をお願いします。
はじめまして。阿久津京介(あくつきょうすけ)です。俳優業のほか、モデルとしても活動しており、「もあダむ」という創作ユニットでは主宰、作・演出も務めております。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
「真っ直ぐだな」というのが最初の印象です。知的好奇心に溢れ、自分の好きなことにはトコトン正直。その一方で誠実さも兼ね備えている、憎めないやつです。実際にいたら仲良くなれると思います。

・東京夜光に対する印象は?
洗練された創作をしている人たち、という印象があります。それは今も変わりません。物語という「虚構」の中で「生きる」ために、ひとつでも嘘がないように、丁寧に、創作しています。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
戦争を体験したことがないすべてのひとたち。 この作品が作品のまま消費されないことを願っています。

堀口紗奈さん(劇団4ドル50セント)

・簡単な自己紹介をお願いします。
はじめまして、堀口紗奈です! 大阪府出身の25歳です。劇団4ドル50セントに所属しています。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
お笑いの構成作家をしている笑里ちゃん。 調子乗りだけど空気よんでフォローにもまわる絶妙なバランス感覚な感じです(笑) 笑いにはストイックです!

・東京夜光に対する印象は?
稽古前は劇団名や皆さんのビジュアルからとてもクールで怖そう、稽古も淡々とストイックに進んでいくんだろうなっていう勝手な印象を持ってました(笑) もちろん丁寧に真剣に稽古は進んでいきますが、川名さんも微笑みと柔らかいお話し方をされていて、劇団員の皆さんも面白くて優しくて安心しました(笑)とても有意義な時間を過ごせています!

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
純粋に、本当に沢山の色んな方に観ていただきたいです。 俳優やクリエイターが登場人物なのですが そういう方の目線、違うご職業の方の目線で 本作を楽しんで頂けると思います。

⾓⽥萌果さん(劇団青年座)

・簡単な自己紹介をお願いします。
角田萌果です。久しぶりの外部出演なので、初めましての共演者と、初めましてのお客様の前に立てることがとても楽しみです。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
まっすぐ。強い。もうちょっとしなやかさを持って欲しい(笑)

・東京夜光に対する印象は?
縁あって、『世界の終わりで目をつむる』からほとんどの公演を観てきました。作品ごとに印象は違いますが、ヒリヒリしたり苦しくなったりするのは、普段なんとなく気づかないフリをしていることを突きつけられるからだと思います。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
平和な気持ちでふわっと日々を過ごしている全ての人に観て欲しいです。

田中博士さん(東京タンバリン)

・簡単な自己紹介をお願いします。
田中博士(たなか ひろし)です。東京タンバリンという劇団に所属しています。京都府出身です。よろしくお願いします。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
登場人物の中では唯一のサラリーマンで、少し外から物事を見てるような、客観的視点を持った人物。仲を取り持ったり、クッション材のような役回りは、自分にも共通してるなと感じる所です。

・東京夜光に対する印象は?
演劇に対して真摯というか、創りたいものに対して直向きというか、派手ではないけど、地で行ってる。そういう印象かなと。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
業界関係の方々にももちろん観て頂きたいですが、それとは別の一般の方々に特に観て頂きたいなと。それでこの作品を観て、何かしら持ち帰って頂けたら嬉しいなと思います。

都倉有加さん(C-PLUS)

・簡単な自己紹介をお願いします。
都倉有加です。読み方はとくらゆかです。
やっぱり役者をやりたい!と会社員を3年で辞め、演劇の世界に飛び込みました。いろんなご縁をいただいて演劇しています。東京夜光は「BLACK OUT」につづき2度目の出演です。
よろしくお願いします。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
いまはもう台本からなくなりましたが、「わたしのスカーフ使って」というセリフがありました。それを読んだ瞬間私とは全然違うひとだ、バーベキューにスカーフしてくるんだ、桐子さんと仲良くかな?と思いました。笑

・東京夜光に対する印象は?
BLACK OUTの際は川名さんのひとりユニット、今は劇団ですが、ひとりユニットのときから川名さんから劇団員、劇団員同士、劇団員からの川名さんへの信頼を強く感じました。そして日々稽古中、同じ時間を過ごしてきたひとたちなんだなあと感じます。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
もうとにかくいろんな方に観ていただきたいですが、特に、と言われると、演劇関係の方、となるのかもしれません。でも演劇関係以外の方にも特にみていただきたいし、いま平和だなと思っている方にも、いまもう平和なんかじゃないと思っている方にも、問わずいろんな方に見ていただきたいし、この作品を観て劇場を出て、なにを最初に思うんだろう、ということを知りたい、聞きたいなと思っています。

ししどともこさん

・簡単な自己紹介をお願いします。
カムヰヤッセン所属のししどともこです。今作では雨宮美智という俳優の役を演じます。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
良く言えば気配りのできる人、悪く言えば八方美人な印象です。作中変化していくのはそうせざるを得なくもありますが、彼女のもともと持っている正しさの現れなのかと思っています

・東京夜光に対する印象は?
切り口がヒリヒリするのに、すごく真っすぐ見てくる創作をされているイメージです。役者としては、作品の時間や構造がえぐいのでもっともっと深く潜らなきゃってなります。
劇団員の皆さんは、当初川名さんが職人集団なんですよって言っていたのが分かってきました。

中山麻聖さん

・簡単な自己紹介をお願いします。
初めまして、中山麻聖です。
なかなか舞台に出演させていただける機会がなかったのですが、4年前の東京夜光さんの「ユスリカ」を観劇して衝撃を受け、どうしても東京夜光を体感してみたくて今回のfragmentのオーディションに参加させていただきました。

・ご自身の演じるキャラクターについての印象は?
僕が演じさせていただく神山はとても広い視野を持ち、誰よりも早く空気を察することができ、時にみんなを先導し、鼓舞するリーダー的存在なのかなと。性格は明るく、場の雰囲気作りを大切にする人間だと思います。

・東京夜光に対する印象は?
読み合わせの時から稽古終盤の今に至るまでディスカッションを大切にしている印象でした。そのおかげで共演者の皆さんの考え方、感じ方に近づくことができて、それぞれの役のセリフや動きの重要性を共有することができたかと思います。
演出の川名さんは出演者に近い距離でお話を聞いてくださるので、より濃い稽古ができていると感じました。そういう意味でもとても楽しい時間を過ごさせていただいています。

・『fragment』は特にどのような方に観ていただきたいでしょうか?
fragmentのテーマの一つに「戦争との距離感」というものがあるんですが、僕たちも含め、戦争を間近にしていない若い世代の方々に「戦争」というものを今よりも少しでもリアルに感じて、自分だったらどうするかどう考えるか。令和時代の今、現実に起きたら。この舞台を見終わったあと、なにか少しでも感じ方が変わってくださっていたらと思います。
とはいえ、純粋に演劇を楽しんでいただけるだけで嬉しいです!

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いかがでしたでしょうか?
それぞれの視点から語られる、東京夜光と『fragment』。
いったいどんな劇に仕上がっているのかは、是非皆さまの目でお確かめください。
東京夜光は素晴らしい傑作を携えて、あなたを待っています。

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劇団 東京夜光『fragment』

その記憶は、誰の真実か  

2023年9月12日(火)〜18日(月)
吉祥寺シアター

公演詳細
https://www.musashino.or.jp/k_theatre/1002050/1003231/1005066.html

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