ザ・ロフト48周年記念パーティーを終えて 中編

感動冷めやらぬ前に、この日曜に48周年記念パーティーでの体感を書き残しておくことにする。クラブ活動全般に復帰したこの5年間でフランソワ・ケヴォーキアンの『ディープ・スペース』の「音楽道場」同様に「私のパーティー修行」に必要不可欠な踊り場だ。通常のナイトクラビング年表通りでない「別ルート」を迂回してきた自分が受けた影響。なのであえてこの順番。

もとをただせばフランソワのプレイを初めて聴いたのも90年代初期のアルファベット・シティー時代のロフトだった。だからこそ2012年に久しく体感した「フランソワールド」がダブやダブステップというジャンルのプレイの地響きが強烈だった。ある事情により、クラブ活動休止に入り、いつの間にかアートの勉強へ放浪の旅へ郵便局員へと分野超えしていた。出戻り新人直後、これまでに聴いたことなかった、「揃わないかじ屋が打つ音」を漢字に当てはめたその文字通り「とんちんかんな音」を全身に浴び、脳に落雷、その進化系の音にガッツリハマった経歴がある。


そのフランソワも遊びに来ていた今回のパーティー。まずはロンドンからご主人のアダムと一緒に戻ってきた、「DJコスモ」の名で親しまれているコリーン・マーフィーがトップバッターとして選曲。自分が現地入りした時点で夕方5時スタートから約40分が経過していた。

土臭い男前金髪女70年代刑事(デカ)風「ごり押しゴリさん」が太陽にほえた。ナマの熱いバイブス。恋泥棒の隠れ家に、ハートの手榴弾投げ込んだ。ラブ特攻隊長は最初からみんなのお気に入りチューンとカッコイイロック混ぜフロアを肉盛り上げていた。辺りから赤いケムリ消える頃、既に音楽という名の「愛の奴隷」と化して踊っていた。

お次ぎのセレクターはエドワ・シミズ。天から金色の粒子が静かに輝きながら舞い降りてきた。とおもいきや、その瞬時に在る「音楽の激しさ」を首すじ後ろに低い温度で感じた。青い火が流動的に聴こえ、電流からテレパシーが飛び交い、偶然とは思えない曲選びのヘビーさと軽快さの両方をフロアへ注ぎ込んでいた。隣で踊っていた男性ダンサーは、頭を抱えうなっているではないか。過去に体感したことないたぐいのガスバーナーの細長いブルーの炎。そんなエドワのエネルギーに惹かれた。

そして今回のパーティーの新鮮な驚きであった『ゴッサム・キングス』という名のバンドが登場し、エドワの最後三曲もたまらなく良かったが、バンドメンバーが目の前でライブの準備をし始めた。ようやく人混みの中をサックス奏者とトロンボーン奏者とトランペッターとホルン奏者が吹き上げた。ドラマーがスティックを重ねて叩き、パーカッション奏者がベルを鳴らした。みんなでフロアを二周練り歩く最中カバー曲が聴こえてきた。ブラスバンド特有の大胆かつ愉快な音を「ブンバー、ブンバー」と披露しダンサー達と一緒になってフロアで大きな輪を描いてみんなで体勢を低く動かしていき、観る側も大いに楽しませていた。

48歳から人生の本編スタート。「生きる」記録の断片を書く活動みならず、ポエム、版画、パフォーマンス、ビデオ編集、家政婦業、ねこシッター、モデル、そして新しくDJや巨匠とのコラボ等、トライ&エラーしつつ多動中。応援の方どうぞ宜しくお願いいたします。