詩人アマンダ・ゴーマンが大統領就任式で捧げた『ザ・ヒル・ウィー・クライム』

アマンダ・ゴーマンについてまったく知らなかった。

私は2019年から詩を書き始めたので、就任式をテレビで観ていたら式を進行していた女性が彼女を紹介する際に『詩人』と聴いておもわずアイフォンで画面上から撮影しはじめた。なので、最初の大統領のファーストネームであるジョーが切れている。

主人は普段聴いているNPRのラジオでも彼女の詩を聴いていたりで、言語障害を克服した弱冠22歳が今回の就任式でも朗読することを知っていた。


彼女のビジョンを正直に言葉に反映したこと、内から突き動かされた。時の重さを絡めつつ、終始いたって前向きな意味を示していったのが聴き終わった印象。


聴いていたら間の置き方が『歌え、翔べない鳥たちよ』で知られるマヤ・アンジェロを彷彿させた。彼女の朗読する声というのは特徴があるのですぐ分かる。DJであるフランソワ・Kがダンスミュージックによくミックスしプレイしているのも聴いていた。よく考えれば、ふたりとも節の取り方がラッパーっぽい。ラップの父『ラスト・ポエッツ』のアビオダンはヒップホップ界隈からは嫌われていると私に話したが、そんな境界線は我が脳には存在しない。ところで調べていたら、ビル・クリントンの1993年の就任式で、マヤも詩を朗読していたのを観ていたことをすっかり忘れていた。


話を戻し、タイトルがこの式が行われていたキャピトル・ヒルに捧げられていたこと。それと同時に歴史に翻弄されたヒル(丘)が比喩的な意味も示唆しシブい。二週間前には暴動が起こったばかりなのに、希望を捨てずまとめたのにはあっぱれ。きっと書き直しはしたと思っていたが、実際にタイトル自体も違ったそうだ。

キャピトルと呼ばれるあのビルの壁によじ登っていた白人たちの映像を思い出す。そして昨今の『ブラック・ライヴス・マター』のムーブメントだけでなく、1995年にナショナル・モールで行われた『ミリオン・マン・マーチ』の映像も。改めて明るみになったアメリカの不安定な現状に置き換えれば、これからも越え続けないとはじまらない課題という野や山が深くけわしく象徴的。


この動画を作った後、YouTube上でのレコメンで、アマンダが過去に出演した番組動画があがっていた。その番組なんと『The Moth (蛾)』。あえてどんな番組かを今回は割愛するが、この瞬間に彼女へ完ぺきにリンクしてしまった。というのも、2019年暮れに最初の詩を朗読した直後、主人が教え勧めてくれ、昨年から出たいと思いながらいまだ一歩を踏み出せないでいるステージだったから。

48歳から人生の本編スタート。「生きる」記録の断片を書く活動みならず、ポエム、版画、パフォーマンス、ビデオ編集、家政婦業、ねこシッター、モデル、そして新しくDJや巨匠とのコラボ等、トライ&エラーしつつ多動中。応援の方どうぞ宜しくお願いいたします。