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「自分たちが笑っているからこそ、周りを笑顔にすることができる」と語る、山名さんの介護への情熱


第一章:新しい始まりの扉「挑戦する心は、いつも希望を見つけ出す」

株式会社ライフホープは、きぼうグループの一員として介護施設『ライフホープ鶴原』を運営しています。ここで施設長を務めるのが、素敵な笑顔の持ち主、山名真由美(やまなまゆみ)さんです。

かつて、「売上至上主義」が色濃い介護施設で、施設長として働いていた山名さん。そんな環境の中でも、利用者さん一人ひとりの心に寄り添う介護を常に心に留めながら働いていました。

どんな職場環境にいたとしても、山名さんが介護に込める情熱は決して揺らぐことはありません。とは言え、休む間もなく追い込まれる日々。想像以上に彼女の精神、体力への負担は大きなものになっていきました。

そんなとき、偶然にもきぼうグループが運営する介護施設とのご縁があり、山名さんの物語がガラッと動き出すのです。

彼女はその情熱で、新たな希望の扉を開きます。

ここでは、自分が理想とする『寄り添う介護』が実現できていると話す山名さん。

新しい環境での彼女の挑戦は、単なる転職ではなく、自らの信念を貫くための大きな一歩だったのです。

今回は、山名さんのライフホープでの働き方や仕事観に焦点を充て、彼女が歩んできたストーリーを紐解いていきたいと思います。

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【インタビュー/ライティング】

株式会社ストーリーテラーズ
 
ストーリーライター 栗田加奈子
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第二章:逆境からの転機「暗闇の中で見つけた希望の灯火」

山名さん:きぼうグループで働くことができたのは、私にとって大きな転機でした。

決してえらぶらないけど、施設のためにスピーディに動いてくれる社長に、頼れるチームメンバー、毎日笑顔を見せてくれる利用者さん…

大好きな人たちに囲まれながら、毎日楽しく仕事ができています。

でも、この忙しくもやりがいのある日々は、決して一朝一夕に実現できたものではありません。

入社当初は、前の施設での経験もあり、「もう施設長はやりたくない」と思っていたんです。面接の段階では「施設長補佐をお願いしたい」と言われていたので、「それならできるかな」と思い入社したのですが…当時の施設長が体を壊してしまい…結局そのまま施設長を任命することに。

引き受けたからには、「責任を持ってやりきろう!」と意欲を持って挑みましたが…そんな決心を打ち砕くような、思いもよらない日々が私を待ち受けていました。

施設長として働き始めてすぐの頃、職員たちと私の間には、明らかに心の距離がありました。

後から入ってきた人が上司になるのって、すごく難しいことだと思うんです。すでに何年もそこで働いている人からしたら、「なんで来たばかりのあなたにそんなことを言われないといけないの?ここにはここのやり方があるの!」という気持ちが少なからずあると思うんです。

私自身も、その気持ちはわかります。

だからでしょうね。私の取り組みは、一部の職員から反発を受け、一挙手一投足が厳しく監視されました。些細なミスも許されず、時には直接的な批判も受けることもありました。

次第に気持ちが追い込まれ、だんだんと笑顔の回数も減っていきました。

「自分一人で頑張ったところで、良い施設にはならない。でも、ここにはチームワークなんてあったもんじゃない。このままでは、利用者さんに安心して入居して頂ける施設にはならない」と落ち込む毎日。

自分が笑顔じゃないと、利用者さんを笑顔にすることはできない。
そんなことは頭ではわかっている。
でも、もう笑顔にはなれない。

そこまで追い込まれていました。

最終的に出てきた言葉は…「もう無理、辞めたい」

しかし、一人では抱えきれないこの気持ちを、代表の円市さんに相談したことで、事態は一変します。

私の仕事への情熱や向き合い方を理解して下さっている円市さんは、この困難な状況を変えるべく、なんと施設内の人員配置をガラッと変更してくれたのです。

迅速にメンバー異動が行われ、あっという間に環境が変わりました。

円市さんがここまで動いてくださったからには、私も覚悟を決めよう。施設長として、自分の信念を真っすぐに貫き、動いていこう。本当の意味で利用者さんのためになる施設をつくろう!そして、本気で取り組めるメンバーと一緒に頑張ろう!!

「もう全部変えてやる」という強い決意を持って、施設の運営方針を根本から見直し始めたのです。

社内のコミュニケーションを増やし、職員のモチベーション向上を図り、利用者さんに喜んでいただくことを軸にした施設運営を行うなど、積極的に改善を進めていきました。

この過程を通して、以前から自分の理想としていた『寄り添う介護』が少しずつ形になっていったように思います。

施設内の雰囲気は次第に明るく前向きなものへと変わり、職員たちは新しい運営方針に積極的に参加し始めました。

『大変な仕事ではあるけれど、それを楽しくできるように工夫すれば、ストレスなく働けるようになる』と、私自身も本来の明るさを取り戻し、やりがいと刺激ある毎日を送れるようになっていきました。

第三章:希望の輪、未来への種まき「毎日が新たな発見、そして笑顔の連鎖」

山名さん:様々な困難を乗り越えて、ライフホープ鶴原は劇的に変化しました。
かつてはバラバラだったスタッフも、同じ方向を向き、チームが一つにまとまりました。この一体感が、施設内の活気に繋がり、スタッフの、そして利用者さんの笑顔へと繋がっています。

目標は一つ。でも、そこに向かう道筋はたくさんある。だから、やり方まで無理に押し付けるべきではないということも学びました。スタッフの数だけ、そして利用者さんの数だけ価値観は存在します。すべてを思い通りにする必要はなく、違う意見、価値観を認め合えればいいのです。

49名の入居者がそれぞれ異なる物語を紡いでいる、ライフホープ鶴原。

利用者さんが入居した瞬間から最期を迎えるそのときまで、どれだけ笑顔を増やせるかが、今の私の一番の願いです。

そして、『自分たちが笑っているからこそ、周りを笑顔にすることができる』という共通の想いのもと、利用者さん、ご家族、みんなを巻き込んで笑わせてあげられるよう力を尽くすのが、今の施設のメンバーなのです。

私の次なる目標は、私の後継となる施設長を育成することを目的とした「山名塾」を開くこと。

ちなみに「山名塾」は円市さんのネーミングセンスです(笑)。

いきなり「明日から施設長になってほしい」と言われても、それはなかなか難しいし、負担が大きい。私は、その厳しさを身をもって体感しています。その不安を理解できる私が直接サポートしながら育てていくことで、精神的にも実務的にもタフで頼れる施設長を育成できると考えています。

また、私は子育てを経験しているので、「山名塾」では、子育て経験を通じて学んだことや、子どもとの向き合い方のポイントを活かしていきたいなと思っています。

そして私の最終目標は、利用者さん、そのご家族、そしてスタッフ全員が笑顔でいられる施設を創ることです。目標達成に向けて、これからも頑張ります!

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栗田:彼女の情熱と努力は、介護施設をただの滞在場所ではなく、家族のような暖かさを持つ場所に変えていくことでしょう。

今後も定期的に、円市さんの深い想いやスタッフインタビューから「きぼう」を身近に感じて頂けるようなストーリーをお届けしてまいります。次回はどのようなお話になるでしょうか。

ぜひ、次回の更新もお楽しみに!


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