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じゃがいも隊長

幼い頃に読んだニコライ・ゴーゴリの「隊長ブーリバ Тара́с Бу́льба」(抄訳版)では、ポーランド貴族のことを卑怯だとかなんとか散々に貶していた一節が、強く印象に残っている。
相手方にも言い分があるだろうに、と子供なりに思っていた。

今、この小説について英文版Wikiの記事を読んだところ、1830年頃にポーランドがロシア帝国の支配への蜂起を起こした結果、ロシアでは国家政策としてポーランドに対する敵対的なプロパガンダを展開し、「スラブ家族を裏切った」(betraying the "Slavic family")と非難したという解説があった。そして、ゴーゴリの小説はその時流に乗ったものであると。

こうした経過を見ると、今、彼の地で起きていることの根深さを見る思いがする。19世紀から変わっていないんだなあ。

ところで、この小説の主人公の名 Бульбаは、ベラルーシ語でじゃがいもを意味する語であるらしい。
英雄である「じゃがいも隊長」♪ ‥‥某ルカシェンコ氏もこういう親しみやすいイメージを演出して支持を得るため畑で芋を掘ってるのだろーか。

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