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自己暗示をする女

突然なんですけど、自分用に強めの自己暗示をかけることって、ないですか?

自分は結構、思い込みでどうにかしてきたフシがあります。
何をと言われると、「いろいろなこと」と言うしかないのですが。

今回も、強めの自己暗示をかけたくなり、長文を綴ることにしました。
これは、ずっと、謎の眠気に耐え続けていた、自分の話です。


記録をつけようと思ったわけ

突然ですが、自分は2年くらい前に、特発性過眠症の診断を受けました。

長年苦しんでいた眠気の現象に名前がついて、ああ、そうなんだ、となんとなく受け入れて、しばらく経ちました。
幸い、病状はそんなに重い方ではないです。薬もまだ効いてるから、大丈夫。多分。

でも先日、自分の中で、2年前の「ああ、そうなんだ」を超える出来事がありました。
NPO法人 日本過眠症患者協会から、登録者に向けてメッセージが送られてきたのです。
内容は、とあるアンケートに回答をして欲しいということでした。

そのアンケートが、【難病患者の就労の困難性と、就労ニーズに関する調査】というものです。
このタイトルを受けて、私の中の、「ああ、そうなんだ」が、「ああ、………そう、なんだ……」に、レベルアップしました。伝われ。

多分、現実にしたくなかったのかも。
自分が【難病】だってことを、受け入れたくなかったのかも。

先に断っておきますが、このアンケートに対してのマイナスな感情などは、一切ありません。
ざっくり言えば、自分の認識に気付いたという、それだけの話です。
そして、その認識を自己暗示でどうにかする、私の話でもあります。

これを読んでくれた同じような症状の人とか、そうでない人とか。
どこかの誰かの、何かになれば僥倖。ならなければ、未来の自分が、時折振り返るためのチェックポイントにします。自己分析できて偉いね。

自己紹介

まずは、自分の話をちょっとだけ。

わたしは今、20代前半。鬼のインドア派。
短大卒の社会人。そして、特発性過眠症の、ロングスリーパーです
休日は、12時間くらい寝て、そのあと家で好きなことをする、という非常に贅沢な時間の溶かし方をしています。

今は、紆余曲折あり、デザインの仕事を務めています。

病気の話

自分が、異様な眠気にさいなまれていたのは、中学の頃からです。

中学の頃は、ただ単に、夜更かしが原因だと思っていました。
というのも、夜な夜な親に隠れて布団にくるまり、ポケモンをやっていたので……もしかしたらこの頃は、単に夜更かしが原因だったのかもしれません……。

しかし高校の頃は、どれだけ早く寝ても絶対に毎授業、記憶をなくしていました。絶対に起きなければならない授業の前日は、20時くらいに寝て……と対策をしていましたね。
高校2年の時に、教卓まん前の席で豪快にヘッドバンキングをかまし、英語の先生に死ぬほど怒られたのはいい思い出です。(ほんとか?)

「あり得ない眠気=病気」という概念を知った日

そんなこんなで、完全に「あり得ない眠気=怠慢」の方程式を抱えたまま、なんと社会人になりました。
居眠り大魔王のまま、社会人になると、どうなるかわかりますか?

そう、会議でも寝ます
なんなら、打ち合わせでも寝ます
自分が喋ってても、寝かけました

流石に焦った。だって、何をしても眠いので。
早く寝ても、休憩という休憩を全て睡眠に充てても、寝そうになって手元にシャーペンを突き刺しても、全部ダメ。
気が狂いそうでした。仕事してるのに、何やってるんだろうと。
実際、メンタルにはキていたんだと思います。
それ以上に、絶望感が勝っていました。

しかし、ここで青天の霹靂。先輩から、こう言われます。

「それって、過眠症じゃないの?」

ここで、病気の存在を初めて聞きました
調べてみると、まず最初に、『ナルコレプシー』がヒット。
あいにく(あいにく?)漫画のたぐいで、「何もしていないのに突然意識を失ってしまう病気」であることは、何となく知っていました。
そのため、自分は別に急に意識が切れるわけじゃないしな、と思い、一旦スルー。また折を見て病院行ってみます、とか言ってました。大馬鹿

その後少しして、見かねた上司から、面談と称し呼び出し。心配されてしまった(今思うと、すごく遠回しな注意だったと思う)ので、病院探しを始めました。ここで、「睡眠科」があると教えてもらったことを思い出します。

言うてまだ、ま〜大ごとにはならんやろ、なんて大見栄を張っていたら、それは起こりました。

記憶が飛んだ日

当時、営業だったので、お客さまのご自宅に伺うことがありました。
本当に鮮明に覚えているのですが、会社までの帰り道、16:30くらいの出来事です。その日は、すごく夕陽が綺麗で、美味しそうなオレンジ色をしていました。

会社までの一本道、信号機はあと3つ。
近くの小学校の下校時間と重なって、少し道が混んできた頃合いです。

自分は、信号機3つのうち、2つを、どう超えたのか覚えていません

本当にびっくりしました。
と同時に、ものすごく怖くなりました。
さっきまで普通に運転していて、今日も疲れたな、やばいすごく眠いから早く戻らなきゃ、な〜んて考えていたら、え?今どこ?だったので。

そんな恐怖体験アンビリーバボーを経て、ようやくやってきた危機感。
学生の時に感じた『記憶の途切れ』を、まさかこんな形で、恐怖として体感するなんて。
重い腰が急に軽くなった瞬間でした。

時を経て、いま

無事に検査を受け、結果が出ました。
その病名が、『特発性過眠症』です。

特発性って、ピンと来なかったんですけど、「まだ解明されていない病気」に付けられる言葉なんだそうです。

へ〜。みたいな気持ちでした。当時は。

けれど、この検査を受けてから、自分の身に起こることのほとんどに、名前がつけられることを知りました。

眩しいのが苦手。
音がずっとある場所が苦手。
人が常に居るのが苦手。
気持ちの浮き沈みが激しい。

全部、全部、別に私が悪いわけじゃなかった。

こう言うと語弊を招きそうですが、
病気のせいだから。
そう思うことで、かなり気持ちが楽になりました。

長い前置きだった気もしますが、ここでタイトルに戻ります。

自己暗示をする女

紆余曲折あって、自分の“他と違うな?”と常々思っていたことが、“病気”とか“体質”のたぐいであることが判明しました。

今まで、「自分のせいだ」と思い込んでいた人間が、
次は、「病気のせいだ」になっただけです。

気持ちはラクになったけど、根本的な解決には至れない。

突然意味もなく漠然と、「うわ!今死にたいかも!」という時がやってきます。
すごくポジティブなんです。その気持ち。不思議すぎる。

それと同時に、「いや、全然生きるが?」という反対派の私もポジティブに存在している。本当に不思議。
これが躁鬱ですか?教えてください。単純に疑問。
いや、ひとくくりにして病状を比べるの、良くないって知ってるんだけどな。

そんなわけで、今日もこうして、私はまだ大丈夫、難病とか言われてるけどひどい症状でもないし、なんていう、自分に極力甘い自己暗示をしています。

自分を傷付けない、無理をさせない、
そんな自己暗示にしたい。
だから、まだ、大丈夫。

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