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漫画と私

昨日実家で、昔描いた漫画のネームを発見した。
漫画の内容はほぼ記憶から消えてたので、新鮮な気持ちで記憶にないネームを読んだ。
こんなに丁寧に描いていたのかとびっくりした。
もっともっとひどい出来だと思い込んでいたのに。


私は2014年~2018年頃まで夢中で漫画を描いていた時期があった。
詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。

ご覧いただきたいと言っておいて恐縮だが、
こちらの『漫画を描いていた時期』のこの記事、久々に読んでみると、非常に適当に書いているなという印象を受けた。
恐らく細かい時系列とか作品の本数だとか、定かでない記憶を頼りに書いてあるので、少し間違っていると思う。
し、この記事を書いているときも、別に適当でいいやと思いながら書いていた気がする。

私は約5年間、少年漫画雑誌の新人賞に向けて漫画を描いていたが、
私の中でこの5年間はあまりいい思い出ではなかった。
懸命に絞り出したネームが没になるたびに自信を失った。
小さい賞にはいっても次に繋がらない。こんなに頑張っても誰にも見向きもされない。そもそも没になれば誰に見られることもない。意味のないことを繰り返しているような感覚。自分の作り出すもの全てに価値がないように思えた。
最終的に私は絵を描くこと自体を辞めた。

絵を描くことを再開した現在も、やはり当時は面白くないものを生み出していた時期だったという思いが拭いきれていなかったのだと思う。
だからこそ数年越しに自分の描いたネームを読んで驚いたのだ。
当時の私は、自分が思い込んでいたよりも全然頑張って描いていた。

そんなわけでUSBに当時の漫画のデータの一部が残っていたので、noteにまとめてみようと思いたった。
せっかく頑張って描いたものなんだから、記録として残しておくのも悪くないんじゃないか。
なにより、記事にまとめることで当時の自分をきちんと私が認めてあげられるような気がする。
認めてあげることで、また漫画も描けるようになったりしないだろうか。
そうしたらきっと、また世界が広がるんじゃないだろうか。

漫画作品時系列順


2014

2015

2016

2017

2018

以上。
データが残っていなかったけど、最後に45ページくらいの全没になったネームがあったはず。たぶん何もかも嫌になってデータを消したんだと思う。もったいないことしたな。悔しいです。

昨日お酒を飲みながらザッと全部読み返してみた。
全体通して、やはりよく頑張って描いたなぁと。
『三島』『light』『DODO』『続命花を君に』あたりは、今読み返してもテーマは悪くはないんじゃないかなぁと思ったり。
逆に『君衣』『ハッピーエンドハッピー』は完全に迷走してるなぁとか。
テーマというか、ラブコメチックなのが今の私はあまり好みじゃないのかもしれない。少年漫画っぽくしようとしてたんだろうか。
でも『ハッピーエンドハッピー』は気合入れて描いてるシーンは、中々グッとくるものがあった。
一作目と最後の作品を見比べると、画力はメキメキあがってる感じがして気持ちがいい。絵がそれっぽく描けるようになったというだけで、この5年間は無駄ではなかったと断言できるだろう。頑張ったね、私。

一作目『ステイアライブ』
漫画『ハッピーエンドハッピー』


私は周りのものにかなり影響を受けやすいタチなんだと最近自覚した。
身近なものにすぐ影響を受けてしまう。
一度信じた人のことは割と妄信してしまいがちだし、よく知らない話題については一番最初に見た意見を真実だと思ってしまったりする。親鳥追いかけるひな鳥みたいだね。

影響を受けやすいことのいい面は、新たな意見や考えを素直に受け取ることができるので世界が広がりやすいこと。
これは現在影響受けやすいタチで得したなあ!と痛感している部分である。世界が広がるのはとてもわくわくして楽しい。もっともっと世界を広げていきたい。

影響を受けやすいことの悪い面は、自分がブレやすくなること。
漫画を描くのが苦しくなったのは完全にこれだと思う。
たった一人の編集者の意見のみを妄信し、少年誌で賞をとりやすいジャンルなどに影響を受けすぎて、自分が描きたいものが全く分からなくなってしまった。
これは編集者が悪かったとかそういうのでは全くなく。いい人だったのになあ。
どんなに的を得たアドバイスも、自分自身の芯をしっかりもっていなければ作品はいい方向に行かないんだと思う。
あの頃の私の芯は、フニャフニャのフニャだった。

たぶんこの影響を受けやすいタチというのは中々変えられるものではないような気がする。きっと昔からそういう性質なのだ、私は。
なのでこれからは、自分のそうした性質を自分で理解した上で作品を作っていきたいなと思う。

今後いつ新しい漫画を描くかはまだわからない。描きたくなったり描きたいものができたらすぐ描くかもしれないし、気が乗らなかったらまたずっと描かないかもしれない。
今はそれでいいと思う。
今はいろんなものを見て聞いて考えて、世界を広げていきたい。

ちなみに今一番観たいのは『ルックバック』です。

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