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#35 日本人の海外渡航(実態)

最初にドクターに日本人の精子を使いたいが、オーストラリア国内の精子バンクには、日本人登録者は皆無だったという話をしたら、ドクターからこんな話をされた。

「うちの、病院にもわざわざ日本から通ってくる患者さんがいるよ。」

ドクターいわく、日本は世界に比べたら文化も歴史も伝統も特別な国。
良い意味で変わっている国。
単一民族の島国が理由だからと言われた。

外から入って来る者には厳しいし、新しい制度や慣習を取り入れることも、どこの国よりも慎重だ。それが、歴史となり伝統となり、倫理観として国民に根付いており、精子バンクを利用する事自体が倫理観に反する負の行為だと、思われている側面があるから、奉仕をしようとする人、ドナー自体が限りなくゼロに近いんだと言われた。


ポニーテール侍の言っていることは的を得ていた。


それでも、日本の文化が好きで、日本にはよく行っている事を楽し気に話す。

日本から通っている他の患者さんが、卵子提供なのか精子提供なのか詳しくは、そこまではもちろん話さなかったけれど、僕は心の中でやっぱり、ニーズはあるんだと思った。

調べてみると、日本での不妊治療が上手くいかず、卵子提供を法的に認めている台湾に渡って、渡航する夫婦も中にはいる事を知った(下記、参考文献参照)


こんな事は、僕自身不妊治療をするまで全くもって知らなかった。


不妊治療が上手くいかなくて、いかなくて、それでもやっぱり子供を持ちたいという気持ちがあって台湾に渡る気持ち。

今になってすごくよくわかる。

1番悲しいのは、こういった社会問題が、なんの不自由もなく子供を授かった家族に、情報として届いていない事だ。

下記の参考文献は2017年のものだけれど、2017年の僕は不妊治療はしていなかったけれど、このニュースを全くもって知らなかった。

***参考文献***
台湾で日本人の不妊治療が急増! 第三者の卵子提供で177人が出産、法整備を怠る国の怠慢 (2017年9月18日) - エキサイトニュース (excite.co.jp)
出産率50%以上!台湾の卵子提供による不妊治療が超明るく合理的な理由(新垣 りえ) | FRaU (ismedia.jp)

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