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マンションのオンラインストアをつくってみた話

どうもです。

本日2021年7月16日、マンションのオンラインストア「sumune」なるものが世の中にデビューしました。

きっと「ネットでマンションなんて売れるはずねぇ!」とか「せっかく面白いもんつくってるのに使い難いね!?」とか、色んな課題が出てくるサービスなんだろうなとも思ってます。(前衛的すぎて上手くいかないかもしれないw)

そんな声はなんでも欲しいので沢山ください!ということをお伝えすると共に、会社仕事ではありますが創った側の中心人物として、これは何ぞやという話を少しでも宣伝しときたいな、というのと、ここに至った個人的な想いと狙いを少し説明しときたいな、と思って。

良かったら読んでってください。

はじめに sumuneって何なの?

⇒新築分譲マンションが24時間365日ネットで買える、オンラインストア

ザクっと言うと、いつでも超詳しくマンションの情報が見れて、カスタマイズや価格シミュレーションもクルマみたいに確認出来て、気に入ったらポチっとその部屋を押さえられて、審査が通れば買えちゃう、そんなサービスです。

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マンション探してて、こんなボタン見たことないでしょ?ちょっと面白いでしょ。

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今までマンション買う時ってどうだったかと言うと、もしかしたらこれ読んでる人の大半には釈迦に説法かもだけど、ネットで個人情報入力して資料請求して、自宅に簡単な資料が届いて、マンションギャラリー(モデルルーム)を予約して、まず見せてもらって、詳しい資料がもらえて、価格は決まってたり決まってなかったりして、何回か通って、ローンの審査も通して、発売時期になれば買えます(これもギャラリーに赴いて書類を書いて)みたいな感じでした。

それがもう全部、いらなくなるわけ。極論言えばsumuneで売ってるマンションは今から20分ぐらいあれば買えます。

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(sumuneで売ってるのは当面LIVIOというマンションブランドのみ。だからfor LIVIOって付いてる。かつ最初は1LDKのみの販売となります。これは何故かというと、いきなり大風呂敷を上げずに、デジタルネイティブ寄りのターゲットに絞って、反応を見ながらサービスを磨き上げていきたいから。といっても、近い将来にLIVIOは全物件かつ1LDK以外の間取りに対応する予定。)

sumuneのここがすごい① 住戸の確保が「いつでも」できちゃう

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昨年のコロナ禍以降、割とオンライン接客が定着して(それでも業界全物件ではないけど)、「どこでも」住戸が確保できる流れにはなりつつあります。でも、何曜何時に予約してzoom繋いで「オナシャス!!」って言うだけで、ただの手段の置換え。

sumuneなら簡単な話「ネットでポチる」ので好きな時にその部屋を確保することができます。
住宅ローン審査も後でやる。(※申し込みから一定期間内に審査を通す方式で、まずは部屋確保のスピードを優先するコンセプト)

一応、サービス設計にあたって国内外の新築分譲マンションの売り方を調べたんやけど、たぶん類似は他にない。中古だとオンライン申し込みみたいなんはあるんやけど、あくまで意思表明に近くて、たぶん確保できてない。なので「ちゃんと欲しい瞬間に自分のモノになる」のはめちゃ新しいと思う。

sumuneのここがすごい② (たぶん)マンションの情報をこんなにいっぱい売主がネットにUPしたことは未だかつてない

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「ネットで買える」ってなっても、判断材料が何もないのに買える訳ないでしょ?「判断材料はマンションギャラリーで確認してくださいねー」ってのはナンセンスで「ネットで買えって言うなら買えるだけの材料はちゃんと出すよ」というのが筋。
※マンションギャラリーはそれはそれで重要で、何もせずネットだけで売れる様になるとは思ってない、この辺は後述。

てことで、価格表とか図面集とか管理規約とか修繕計画とか、その辺は全部ダウンロード可能。全部屋VRもつくって、眺望写真も撮った。(これもレア)
それから価格シミュレーションも使える。ローンの支払いはあちこちで計算できるけど、諸費用まで入れた計算ってマンションギャラリーのPCじゃないと見れなかった。
あと、重説事項の内よく気にされる質問も予めQAリストで出してる。捉え方によってはネガティブな情報かもしれないけど、伝えるべきは伝える精神。

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極めつけは、これ全部、見るのに個人情報不要、会員登録とかなんもいらない。もうみんな好きなだけ見て、好きなだけ検討すればええんやと。
sumuneに載せる物件と住戸は例外なく情報公開する。「これが無いと困るねん」って情報が載ってなければ是非言って欲しいです。ちゃんと出すから。

sumuneのここがすごい③ (たぶん)日本で一番お得にマンションが買えるサービス

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sumuneに会員登録すると、100万円分のポイントがもらえる。100万円よ?ヤバくない?繰り返すけど会員登録しただけでやで?会員登録って言ってもメアドぐらいよ。結構ぶっ飛んでる。

で、このポイントは、購入価格とか諸費用に充てれる。試しに登録してシミュレーションしてみて、ビビるから、こんな感じになるから。

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でも、それとは別に頭金というか手付金的なのがいるんでしょう?だいたい物件価格の5~10%ぐらい、どんなに少額でも100万円ぐらいは、って思った奥さん、sumuneではそんなにいらない。

申込金(手付金)は10万円で良い。しかもクレカで払える。申込後に契約に至らなかったらちゃんと全額返ってくるし、契約後自己都合で解約しても10万円放棄で済む。

つまり、ミニマム10万円口座にあれば、マンションが買えちゃう。(フラット35とかだと諸費用全額で100万円切ることもあるから、ポイントで全て充当可能)
例えば5,000万円の部屋で、諸費用100万円、手付金250万円(5%)だったとしたら、今までは口座に350万円必要だったのが10万円で良い。97%のdown。因みに物件のマンションギャラリーの見学したあとにsumuneで買ってもOKです。

これ、値引きとか期間限定ではなくて、後述するビジネスモデルから生まれる本サービスの根幹なので。ただひたすら、マンションが買いやすくなる。だからさあ、みんなマンション買おうぜ。


マンションギャラリーはこれからも無くならない

一つちゃんと伝えておきたいのは、このオンラインストアは「もうこれからはネットだけでマンションを売ろうぜ」というコンセプトでは無いということ。
寧ろ逆で、マンションギャラリーの重要性はより高まると思う。ただし在り方が変わる、そぎ落とされてシャープになる、みたいな。
これまでのマンションギャラリーの役割って大きく3つあって、情報伝達(商談)、現物確認、手続きの場だと思ってる。で、sumuneで情報伝達の役割は下がる訳。必然的に商談回数も減る。手続きもネットで出来ちゃうからその機能自体いらなくなる。だから現物確認であり、本当に必要な商談であり、所謂「マンションがめちゃ欲しくなる場所」にしていかないといけない。

DtoCブランドもみんな結局リアルなタッチポイントをつくるでしょ。その場所はセールスの場というより、ブランドに共感してもらって、欲しくなる場。それと同じ話になるんだろうなと。

sumuneではまずは、上記の通りこれまでのマンションギャラリーを見てから申し込むもアリだし、専門のコンシェルジュがいるのでそこに相談してもらっても良いし、接客されない銀座のサロンで現物確認してもらって良い、という組み立てになってます。

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とにかくこれがsumuneの全て。本当はここだけで数万字書けるし、数時間しゃべれるけど、画面キャプチャとか色々貼っても長ったらしし、是非触ってもらって、わからないことご意見ご感想なんでもくださいってことで。

sumuneをつくった経緯

さて、こっからはsumuneの開発裏話。このサービス、相当な方にお手伝い頂いてローンチに至っており、沢山のスペシャルサンクスがあって出来た訳ではありますが、一方で僕は構想段階から企画、設計まで全て中心で走ってきた自負があります。だからちょっと喋らせて。自分語りが嫌いな人はここで読むのをやめましょうw

因みに最初にネットでマンションを売ろうと思ったのは2~3年前。入社時からずっと自分でつくったマンションを自分で販売担当してきたんですが、組織改編で開発専門の部隊に異動になり「お前はひたすらマンションつくっておけ」となった。
でも販売にもずっと拘りがあったので(決して販売部隊の売り方が下手とかそういう意味ではなく)「なんでおれが愛情込めてつくった物件を他人に委ねなあかんねん!!!」と。
どうやったら他人に売ってもらわずに済むか、そうだネットで勝手に売ってしまおう、みたいな思考回路であれこれ構想は練ってたw
まあ当時は狼煙を上げるに適したタイミングではなかったし、表にはあんまり出さなかったけど。

で、去年ぐらいからちょっと潮流が変わってきた。

まずは新型コロナ。オンライン接客が急に当たり前になった。なったからこそ「あれ?これでお客さんの為になってるんだっけ?」的な考えを持つ人も増え、そういう話も大っぴらに出来るようになってきた。お客さん側も、様々な商品をネットで買うことが当たり前になった。

それから、会社の課題として明確に「売り方の幅を広げる必要」が出てきた。それなりの戸数を年間供給しているのに、販売リソース(販売会社)は持ってない、委託してる販売会社も縮小傾向、何か新しいやり方をやらないといけない、もちろんお客さんにも価値がある内容で、的な。

そんな流れに乗って「ワイにやらせてくれ」と各方面に直談判しながら企画が始まりました。

sumuneに込めた想い

このサービスには、一人のマンション好きとして自身の経験に基づいた「あったら良いな」を実現したいという想いが強く乗っかってる。

これまで3回マンションを買って、自分でも十数棟マンションをつくって売って、もっとこうなって欲しいとかこうなるべきと感じたことがいっぱいあって。
(以下ちょっと批判的なニュアンスも言いますが、特定の会社のサービスや物件を意図したものではありません、あくまで1ユーザーとして見た商習慣への疑問としてね)

例えば、情報公開の話。
価格を聞きたいだけなのに、今どの住戸が申込めるか確認したいだけなのに、図面が見たいだけなのに、諸費用のシミュレーションがしたいだけなのに、マンションギャラリーまで態々時間つくって行かないといけない。
行ったら2時間、いや往復入れたら3時間近く消費する、もはや接客されてもあんまり聞いてないし、ちょろっと気になることが聞けたらそれで良くて、目的果たせば後は早く帰りたくて仕方ないw
こんな商品他にありますか??マンションだけ特殊すぎる。

そして、マンションブロガーが堂々とネットに価格やら図面やらをばら撒く。あんな右から左に横流しするだけでアクセス数稼ぐなんてマジでレベルが低い。一刻も早く終わらせたいと常々思ってた。
(※ブログ内容を全て否定するものではありません、それ以外に参考になる情報も沢山あるし)

買う時だってそう。もう買うって決めてるのに、直接行かないと押さえができない。忙しくて行けない間に、他の人に取られる可能性だってある。マジでしょうもない。欲しいものは今すぐ欲しい、自分のモノにしたい。

この辺を全部、sumuneでは変えた。解消した。

余談ですがテスラの購入体験はかなり参考になりました。試乗はちゃんとできる、聞きたいことがあればその時お兄ちゃんに聞いて、あとはネットなり色々情報集めて、よーし買うぞポチって。あ、家も全然これで良いよねと。


ビジネスモデルとしての側面、お買い得のつくり方

このサービスは、端的に言えば手続きの効率化なのよね。つまり、申し込み以降の手続きを半自動化してる。だからそこのコストは落とせる。
ちょっとマニアックなポイントの一例としては、住宅ローンの事前審査も、通常は申し込み前にしているけど、申し込み後にしてる。必要なお客さんのみに対応する。そして住宅ローン業務はアウトソーシングしてる。

あと、検討段階に情報を多く出しているので、中長期的には商談回数も減らせる余地があると思ってる。

従って当然ながら、全部マンションがsumuneで売れてしまえば、販管費は超削減できて、儲けが大きくなる訳。

ただ、当然そんな簡単にモノは売れない。新しいやり方ってのは価値を生まないといけない、お客さんとwin-winをつくらないとスタートラインに立てない、と思ってる。
なので僕はこのモデルで、どれだけわかりやすくお客さんに還元するかにはすごく拘ってきていて、結果100万円ポイントにより諸費用0円~、頭金10万円あれば、という打ち出しにできたのは、良かったと思う。分かりやすいでしょ。

(コスト構造を図にするとこんな感じ)

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もっとマンションを皆が買う世の中にしたい、ということ。
金銭的にも、心理的にも。もっと気軽に買えて良い。分譲事業やる限りはこういった動きを仕掛けていかないといけないと思う。

特に単身若年層とか、買いたいけど手元資金少なくて買えないって人、それなりにいるからね。マンションの値段は年々高くなっているし、これからもっとしんどくなるんやないかなと。

でも僕自身、若いうちからいっぱいマンション買って、体験的にも経済的にも、超いいことがいっぱいあった。QOLめちゃ高まった訳。だからもっと皆買おうよ、買うのにハードルあるなら頑張って下げるからさ、というそんなモチベーション。

あと、このサービスは不動産テックなスタートアップじゃたぶん出来ない。事業者側の事業モデルやビジネスへの考え方を変えないといけないし、業界各社置かれた環境も経営課題も違うので、そんな中で万能フィットしたものをいきなりつくれるとも思わないし、仮につくってもすぐには乗ってもらえないと思う。
企業の中で、自分たちのやってることを見直してこそ生まれ得るサービスなんじゃないかなと。
そういった意味で、会社でしか出来ないことを存分にやれたこのプロジェクトは、僕にとってめちゃ遣り甲斐も達成感もある。

これからsumuneはどうなる?

大きく2つ。

①どんな間取りも買えるように
最初にも言ったけど、リリース時は1LDKのみの取り扱いなので、制限を無くす。
投資用ワンルームとかもこの仕組みで買えちゃうと面白いと思ってる。

②アジャイルで、アップデートを地道にやっていく
検索機能とか、お気に入り機能とか、キャンセル待ち機能とか。
要は「使い難いんや!」「足りひんのや!」を解決していきます。
だからこういう意見はめっちゃ欲しい。
電子契約(法改正待ち)対応とかの機能強化もやっていくし、申し込み以後の手続きもどんどん対応させていく。
あと今は全住戸公開と同時に申し込み可能になるけど、公平性を担保する為に(人気物件や立地であれば尚更)、公開から一定時間は抽選受付にしてから解放するとか。


アイデアはめちゃある。ローンチからは見送った機能は多いし、ここで言えない内容もあるし、何よりお客さんのフィードバックを得て改善していくことが重要なので、丁寧に継続してやっていきたいと思う。


あとDX的な言い方をすると、これって物件データベースと契約者データベースの生成なのね。どちらも今までちゃんとは整って無かったもので。これを一定貯めて使っていくと更に面白いことができると思ってるし、そのアイデアもあるし、そういった方向にも期待してもらえると、と思います。

マンション販売はどうなる?

sumuneみたいなサービスが定着すれば、お客さんの購入までのジャーニーが間違いなく変わる。
これまで売り手がつくっていたマンション購入までのペースとフローが、お客さんのペースになる。だから接客のあり方も、マンションギャラリーの機能もきっと変わっていく。
ここに向き合えばもっとワクワクするマンション購入体験をつくれる筈。今回全く新しい売り方をつくった様に、全く新しいマンションギャラリーをつくりたいと思う。

あとsumuneって奥が深くて、例えば一例を挙げると、ストアなので既存の広告の枠組みを外れてる。皆さんお馴染みの「予告広告」とか「本広告」とかどこにも出てないでしょ。
つまり、ダイナミックプライシング的なことや、機動的な物件販売のやり方もできる。つまり価格の決め方も変わる。お客さんの声をリアルタイムに集めながらスピーディーに一戸単位で値付けできるようになる。
ここにポイント制度の変化球を組み合わせたりすると、更に面白いこともできる。

ほんとは良いマンションつくることが最優先だと思うし、実際その為の道のりの一手とも思ってるんやけど、まあおれ今つくれないしね(笑)


おまけ

とにかくここまで長かった、そしてようやくスタートライン。

実は複線というか、昨年こんなツイートをしていたんやけど、こいつが今回の準備で。

この時に、マンションのオンラインストアをつくるぞ、ってことでプロジェクトメンバーでひたすら話し合って纏めたサービスとブランドの骨格がこれ。

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改めて見返すと、これがほぼそのまま、sumuneとそのブランドガイドラインになってるなーと思う。
こんな議論を社内外のメンバーとやって形にできたことは貴重な経験だし、この時考えたことをこれからも大事にしていきたい。

まあサービスはこれからやし、このモデルがどこまで定着するかは未知数なんやけど、これは一つのアプローチな訳で、マンションをつくるのも買うのも好きな人間として、業界をお客さん目線とつくり手目線双方を持って変えていきたいという想いには、正面から向き合い続けたい。でもsumune自体価値はあるものだとも信じてる、ウケるといいなあ。

なんてね。

まあ、まずはとりあえず触ってみてよ。
sumuneのトップページ

ほなまた。




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