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悪夢

たまに見る悪夢のパターンがあって、「大声を出しているつもりなのに出ていない」というもの。
何の暗喩でもなく、苦笑するほど直接的でわかりやすい。
月曜の朝から久しぶりに実家の夢を見て、気分が悪くなった。

もう二世帯になった実家の一階で、母と向かい合って話をしている。穏やかな時間。母の腕には、赤ちゃんがいる。また弟夫婦に子守りを押し付けられたようだ。
お茶が出される。飲んでいる途中で母が、ちょっとした愚痴を言う。そこで私が激怒するという夢。
私は、「あなたは自ら奴隷になったんでしょ?」と叫ぶ。いや、叫んでいるつもりなのに、声が出ない。喉の奥にいくら力を込めても、何も出てこない。私はさっきまで、どうやって話していたんだっけ?どんどん息苦しくなって、やっと目が覚める。首を絞められたような感覚は、驚くほど生々しい。

このパターンの夢を見た直後は、本当にエネルギーを持って行かれるというか、気持ちがずーんと重くなる。
過去はなかったことにできない。たまに前ぶれなしに舞い上がっては、こちらの心を乱す。しかもタイミングも絶妙で、一昨日は久しぶりに「あ、大丈夫かも」と思えたところだったのに。

せっかく自分の人生を取り戻したのに悔しい、加害者は何とも思っていない、いじめと一緒だ。不甲斐ない。
それでも投げ出さずに、三歩進んで二歩下がるけれど、歩いて行く。

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