見出し画像

「みんなこうですよ口調」と「あなたはどうですか?口調」

「みんなこうですよ口調」と「あなたはどうですか?口調」

.

✳︎「アルコール消毒は大丈夫でしょうか?」✳︎
本日は、西宮市で木村泰子さんの講演会があった。少し早くついたので、近くのカフェに入る。入って早々、優しそうな店員さんが「アルコール消毒は大丈夫でしょうか?」と、私に話しかける。その時、私はなんだか、ポカッと心が温まった感覚があった。

✳︎「あなたはどうですか?」と尊重された感覚✳︎
なぜ、心が温まったのか考えてみた。そこには、アルコールが肌に合わない人やアルコールで困っている人への配慮された言葉のように私は感じたのだ。「アルコール消毒のご協力をお願いします」なら、断った際、協力しない感がでてしまうし、「アルコール消毒お願いします」も、困っている人にとっては断りにくいだろうなと思う。

「アルコール消毒は、大丈夫でしょうか?」は、「あなたはどうですか?あなたの声をお聞かせください」と言われているようで、尊重された気持ちになり、嬉しい気持ちになったのだと思う。

.

✳︎私は日頃、どうだろうか?✳︎
今回の体験で、話し方に大きく2種類に分けられるのではないかと考えてみた。それが、「みんなはこうですよ口調」と「あなたはどうですか?口調」である。今回のアルコール消毒では、

「アルコール消毒のご協力をお願いします」→みんなこうですよ口調
「アルコール消毒は大丈夫でしょうか?」→あなたはどうですか口調

と、すごく乱暴に単純化した。でも、なんとなく合っている感覚もある。

✳︎学童保育の宿題で…✳︎
放課後の学童保育で、私は子どもと関わっている。日々、悩むのは宿題である。ある子は、宿題をするのが、非常にストレスを感じやりたがらない。約束の時間になってもやりたがらない。そんなとき私は、我慢ができず、「宿題をやるぞ」と強めに言ってしまうことがある。ここの根底には「宿題は、みんなやってるんだから、みんなするんだから、あなたもやりなさい」という「みんなこうですよ口調」だと思う。

でも、そこには、尊重はない。つまり、その子の気持ちや考えを無視してしまっていると思う。

「宿題が残っているけど、どうする?どうしたい?」と聞いてみて、もし宿題をしなくても、『あの人は、僕の気持ちを聞いてくれる』。そういう感覚は、残るんじゃないだろうか。そんな感覚を持ったその子が大人になったとき、周りの人に尊重できる循環が生まれるのなら、宿題が終わらなくたって、素敵なナイス1日なんじゃないかって思う。

全国のコミュニケーション総数があったとして、「あなたはどうですか?口調」がまさったとき、もう少し呼吸のしやすい子どもや大人が増えるのではないかと、そんなことを思った朝だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?