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植物の研究から学ぶこと

 植物は光合成で、水と二酸化炭素から栄養分
である糖を作り出していますよね。
植物には、それ以外にも外部から吸収しなけれ
ばならない栄養素に、リンがあります。

でも実は、植物の中にはリンが豊富に含まれて
いている場所があるそうだ。

 それは遺伝子情報を蓄えた、重要な物質であ
るDNAです。

 そのDNAを分解する酵素は年に一度、必ず活
躍する時期があって、それは、11月ごろの落葉
の時。

 植物は寒い冬を乗り越えるため、余計なエネ
ルギーを使わないように自分の葉を落としますよね。

 実はこの時、必要なくなったDNAを分解し、
リンを栄養分として回収しているそうだ。

 研究で、DNAは遺伝情報に関わるだけでなく
落葉のとき以外にも、不足したリンの供給源に
なっていることも解ってます。

 リンが足りなくなったとき、自分自身の中に
余っているDNAからリンを取り出す作業は、植
物が過酷な環境を生き抜くために大事なことですね。

 それは、私たちの未来にとっても重要なこと
のようだ。

 それは。

 リン資源枯渇の抑制と、リンが環境に及ぼす
悪影響を軽減できる可能性があるからです。

 リンは植物の栄養に不可欠な要素であり、肥
料として使われてます。実際、農業生産を上げ
るために毎年たくさんのリンが肥料として使われ
かつてないほどのスピードでリン資源が消費さ
れています。

 そのため、リンの原料となる鉱石の枯渇も心
配されています。もしリン資源がなくなってし
まうと、新しくリン肥料を作ることは難しくな
り、農業生産量はかつてないほど低下してしまう。

 また別問題として、肥料として使ったリンが
大量に河川に流れ込めば、リンは水中の藻の
栄養分でもあるので、藻が大量に発生してしまいます。

 その結果、藻が水中の酸素を消費して、そこ
に住む魚や、そのほかの生物が死んでしまうと
いう環境汚染が発生する可能性も大きい。

 こういった問題を解決するために、自分の
DNAを分解してリンを取り込むという植物の
たくましさをもっと生かせば、リン肥料がな
くても良く育つ作物を開発出来るかも知れません。

 今後の研究に、期待したいですね。



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