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認め合えないことがわかった日

わたしはマイナスな感情を自分で消化することができない。

少しの変化に敏感になって自分で自分を追い詰め、
どうしようもなくなって爆発する。

そのときの自分は普段の自分とは全くの別人のように怒り狂い、
いつそれが終わるのかもわからない。


ただ不安だという気持ちをわかってほしかった。
ただ一緒にいられないことが悲しかった。
今を共有できないことが淋しかった。

ただでさえ本音が見えないから、
目の前にいないとますます遠く感じて
このままお互いの気持ちがなくなってしまうような気がして
怖かった。


でもわたしのそういうマイナスな感情は、
彼にとっては鬱陶しくて信頼されていない証として映っていた。

毎月のように押し寄せるわたしの不安定な感情は、
彼を傷つけるものでしかなかった。


わたしを許すたび我慢が増え、
もう限界だと言われた。


今までわたしは、
許された分、理解してくれていたのだと思いこんでいた。

だからそれに甘んじて
受け止めてくれる人なのだと思いこんでいた。


彼は今まで付き合った人とは
ケンカをしたことが一度もないといつも言う。

ここまでケンカになるのは異常だ、
価値観が合わない。

そう言われたけど、
わたしにはケンカが一度もない関係のほうが異常に感じてしまう。

価値観が合っていれば、
ぜったいにケンカは起こらないのか。


たかがケンカ
されどケンカ

根本的に彼とは違い、
その溝を埋めていくことは不可能だとようやくわかった。

わたしと彼はいつも正反対の位置にいる。



「自分の考えを誰かと共有したいと思ったことがない」
と彼は言った。


「自分にはまだ子どもな部分がまだあって、
でも今の自分が良い」

と泣きながら言った。


ケンカにならなければ
彼は本当の気持ちを教えてはくれない。

だからケンカしたくない彼には申し訳ないけど
それしか本音を知るチャンスはないから
悪いものだとあまり感じていなかった。


本音が見えないことがどれだけ不安なことか
彼は考えたこともないだろう。

むしろこんなことで不安になる意味がわからないと。


夫婦なら本音で向き合いたいと思うのは
ふつうのことだと、

離れている時間が長いからこそ
気持ちを伝え合うことが大切だと思ってた。


でもそれは全部わたしの価値観で、
彼にとってはすべて負担でしかないらしい。



わかり合えない、
価値観が違うからこそ話したいし
本音を知りたいのに。


わたしが信じる方向に向かえば向かうほど
彼とはどんどん離れてしまう。

今まで全然気がつかなかったけど。


ほんとうにまぬけだ。



ずっとマイナスな感情に支配される自分が嫌で、
彼もわたしの卑屈なところが嫌いだと言った。


一番愛する人に嫌いだと言われたら、
なぜだか自分のことを少し好きになれた気がする。


こんなダメな自分でも、
それでも愛せるのは自分しかいない。

わたしだけは、
わたしの悪いところも認めてあげたい。


大事なことがようやくわかった。

それを教えてくれてありがとう。

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