株式投資で資産形成・心構え編7
2013年11月27日
資産形成と資産運用の違い。
収入や支出を把握して、生活防衛費を算出したら、その資産額によってやることが違います。
例えば、一年間の支出合計400万、生活防衛期間2年間と設定した人で考えてみましょう。
総資産600万円の場合・
生活防衛費が800万必要なため、200万円足りません。よって投資可能額はゼロ。
収入>支出でないなら、早急に生活改善。収入>支出ならば、まずもう200万貯蓄することから始めます。
総資産1000万円の場合・
投資可能額200万円を、債券や株式の中で、最も安く売り逃げられているものに変えます。
さてここで、この人はずっと、死ぬまで、年400万円で生きていけるライフプランの持ち主だとしましょう。
そして、この資産形成が、だいたい5年くらいで2倍になってしまうとしましょう。
そうするとこの人は、4000万円分の購買力があれば働かなくてすむようになります。
まず5年分の生活費が2000万円。投資分が2000万円。で、生活費が尽きる5年後には、投資した2000万円が倍の4000万円になっている。
ものすごくざっくりと説明しています。細かいことは気にせずに。
さあ、この人が総資産4000万円の場合・
2000万円は投資可能額です。これは今までと同じです。生活防衛費は特に必要ありません。働く必要性が無くなった今、働けなくなった時のためのお金はいりません。残り2000万円は、購買力を増やすのではなく、とにかく減らさずに維持することに全力を注ぎます。これを、資産運用と言います。
つまり、資産形成と資産運用ってのは、違うんです。
資産運用はとにかく購買力の維持を主軸に置き、得られる利子収入でインフレ分をカバーするための行為です。
よく聞くのが「日本株・外国株・国債・外国債の4分割ポートフォリオを組みましょう」といったあたりでしょうか。これに新興国とかリートとかが加わったり加わらなかったり。
これが、すごく、重要ですが、資産運用はあくまでも、「ある程度まとまった資産の購買力を維持する」ための方法です。逆に、資産が少ないときに運用するのは、これからの時代あまり意味がありません。
初めは資産形成で大きくすることに全力を注ぐべきです。
実は、一昔前までは、資産運用はほとんどの人にとって正しい選択でした。少なくとも個人的にはそう思います。
年功序列と終身雇用、昇給、退職金などの制度が国全体で機能していた時代です。
この場合、きちんと働いていれば、資産は増えていったはずです。なので、投資などで増やす必要性も低く、その購買力維持だけを考えていれば良かったのです。
それでも、多くの人が資産のほとんどを持ち家に変えてしまい、債務超過に陥ってしまいましたが…。
まとめます。
購買力を大きくしようというのが資産形成。購買力を維持しようというのが資産運用です。
今の時代、資産を多く持たない人がやるべきは、資産形成です。
すなわち、リーマンショックのようなことが起こった時は、全力で株。債券が暴落したら債券です。
これが基本的な考え方です。もちろん個人個人で状況は違うし、ここでの説明は本当に大まかな部分なので、厳密にいうと違う部分もあります。
そういった部分はこれから細かく書いていきます。
とにかく、資産運用と資産形成ってのは違うんだよ、ってことを今回覚えてもらえれば充分です。
2022年追記:
言葉の定義って大事。
「資産運用」「資産形成」「投資」の解釈が人それぞれ違うまんまで議論してるからね。
そりゃ混乱するわ。
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