株式投資で資産形成・心構え編9
2013年12月2日
銘柄選びは、やってみようとするとすごく難しいことのように思えてくるかもしれません。でも、そんなに難しく考える必要はないんです。
今回は、僕がいかに適当に選んでいるか書きます。
僕の投資テーマに、「教育」が入っていることは前に書きました。どういうことかと話すと長くなりそうなので一言でいうと、意欲があれば、誰でも、学べる世界になってほしいんです。
世の中にはいろいろな状況の子供たちがいます。努力の差によっての差別は別にかまわないんですけど、「状況」だけで教育に差別が生まれるのは勘弁願いたいのです。
それが解消されるカギはやはりネットだと思っています。Appleの作ったiPod touchやiPadとiTunesのシステムは、かなり完成されていると感じます。
しかしどちらかといえば大人向け。このようなものを、子供に向けて作ってくれないかなあと注目している、ある大手ゲーム会社の話。
このゲーム会社(以下N)は、タッチペンを使ったダブルスクリーンの携帯ゲーム機や、コントローラーのキーではなく、コントローラー自体を動かして遊ぶ据え置きゲーム機の開発など、画質やネット環境などに力を入れる競合他社と比べて割と遊び心を基準にして商品を開発している印象があります。
実際このゲーム機はかなり売れて、株価はかなり上がりました。記録をみると73200円まで上昇したみたいです。
ところがこの後継機が、3Dを売りにしたところ大外れ。据え置きゲーム機のほうもコントローラーに画面をつけてみましたが今現在、売れ行きはかんばしくなさそう。
株価は下がりに下がり、なんと8000円台。
PBRをみると1倍を割り込んでしまいました。
PBRというのは、一株あたりの株価を、一株あたりの純資産で割った数です。
特徴はまた別に書きますが、とにかくPBR1倍を割ったということは、株全部の総額が、会社の資産を売って借金を返して、残った純資産の額よりも少ないってことなんです。
株買い占めて会社を清算すれば、確実に儲かるんです。
そんなレベルです。
Nという企業は、総資産の中の現金比率がものすごく高い会社として有名です。一時期の現金比率は総資産の3分の2。その額1兆円でした。
簿記かじったことある人なら、この異常さがよく分かると思います。
そしてそれが今では約5000億円に減り、株価は約9分の1まで下がっちゃった。見事な危機っぷり。投資家冥利につきますな。
なんでNの現金比率はこんなに高かったのかというと、ゲーム業界は一寸先が闇だからです。
創業者は「娯楽の世界は天国か地獄」という言葉を遺しています。娯楽は生きるために必要なものではないという特性上、市場の有無が非常に激しい業界なんですね。
厳しい時にでも社員に給料を払えるように、企業が継続できるように現金を多く持っているのです。
今回現金が半分に減ったのは、ただ単にこの危機回避機能が発動しただけなんです。
実際株主総会でも度々この現金比率の多さを突っ込まれていたようですが、「あんたらがそんなこと言えるのはこの業界を知らないからだ」と突っぱねていたみたいです。
もしこの時に株主の言うとおりにしていたら、Nは潰れていたでしょうね。
なにが言いたいかというと、ここまで業界を分かってるNが、こんなことで潰れるか?PBR1倍?アホかと。バカかと。
で、僕は8000円台で買いました。この時、財務諸表とかあんまり見てないし、企業分析とかなんか難しそうな計算とか、一切してないです。
ただの信頼と、いつか自分が考えている分野へ進んでくれるんじゃないかという期待と、今までお世話になったお礼、です。
この時、僕の弟もこの銘柄を買ったようなので、「もし損切りするならばもうこの会社の製品一切買わない覚悟で売ってね」と伝えました。
多分プロなら、こんないい加減な判断で買うなんて馬鹿げてる、と震え上がるでしょう。
でも結果、13000円まで上がりました。で、その時に別の応援したい企業Aが売り叩かれていたので、Nを利確してAを買い増しています。
利益が出たのはたまたまだ、こんなやり方で成功するわけがないと言われるかもしれません。
7年間ずっとこんな感じでやってきて、一切損してないんですけど!
もちろん安倍政権が始まる前まではすごい評価損でしたけどね。平気で持ってましたよ。
決してちゃらんぽらんで銘柄選択しているわけではないですが、プロがするような難しいことしているわけではありません。今回はすごくこれを伝えたいです。
何度も繰り返していますが、カギは、真剣に、どういう世の中にしたいか、次の世代へ贈りたいかを考えることです。
2022年追記:
これがねー。今の株価がねー。
もうホント洒落になりませんよ。
頭と尻尾はくれてやれって格言ありますけどね。
腹びれくらいであげちゃったね。
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