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2023年のこと【HTLV-1キャリアでもある私】

2024年を迎えて、早くも4月下旬。2023年、noteに一切向き合えなくなっていた。本当にマイペース更新・・。2023年を振り返ると、私の人生、いつも通りジェットコースターに乗ったように、いろいろあった。シンドクもあったけれど、一つでも多く、笑っていられることで、いつの間にかどこか抜けてゆく感じ。長年のファンで、大きな力をいただいている方のコンサートに行ったり、人の優しさとか、流れるさわやかな風とか、植物の不思議に感動したこととか・・。へこむ私を助けてくれて、たくさんのみなさん、たくさんの事、ありがとうございます。

2023年の事。
田舎の高齢の両親の体調が心配だった。母は、食欲無く真夏なのにお風呂にも入らず、一切外にも出かけずにひきこもっていた。認知症の症状も出ている。原因不明とされている症状もあり、体調もかなり悪い。福祉サービスも断固拒否。父はそんな母を心配し、父なりに一生懸命だが「ご飯を作っても、まずいと文句を言う。」と介護疲れとなり不安定になっていた。
娘家族と田舎に帰った。1週間ばかりの滞在だが、娘夫婦に会い、初曾孫に会った父と母は驚くほど、回復してくれた。近くに住む弟家族たちにも、いつもサポートしてもらい、感謝である。
しばらくして、娘のお腹にいる2人目の子の調子がおかしいとわかった。
大きな病院に転院し、お腹の中で生きられないかもしれない、難しい手術になるかもしれない、または生まれても長くは生きられないかもしれないので覚悟してくださいとまで、医者から説明を受けていた。「あくまでも医者が言う確率的な事。今、お腹で育っているんだから・・。今、この子生きてるんだよ。」「何があっても、みんなで乗り越えてゆこう。」と、家族で話し合っていた。みんなでお腹の子に語りかけてきた。辛いだろうけれど、状況を受け入れ支えあっていた娘夫婦に胸が熱くなった。
それから出産までの数か月、娘のお腹の中で赤ちゃんはどんどんリスクと言われていたことを、乗り越えていた。生まれてきてくれた子はNICUに入ることなく、現在は大きく育ってくれている。4ヵ月だが表現が豊かで面白い。お医者は全く想像できなかったらしい。

人の生きる力は、想像できないくらい強いことを家族から教えてもらった。そんなこんなで、家族が元気で、明るくいてくれることが支えでもあった。
夫にも、特に心の面では、いつも支えられている。

家族の、原因不明と言われる体調のことで何かあると・・もしかしてHTLV-1関連なのかあな?・・と正直、気になることもある。 田舎の両親は、とてもショックを受けるはずで、私がHTLV-1ウイルス感染者であることを伝えてはいない。伝えるつもりはない。娘は感染はしていないが、孫のことで1万人に1人のケースと医者から聞かされたときは、遺伝子の事に関する事でもあるかもしれないと、ヒヤッとした。

私は「キャリア」という物ではない。今のところ感染のみで、発病していない人を、医学用語区分けとして「キャリア」と言われているだけなんだ。あくまでも個人と個人であるのだから、キャリアでも発病された方と語り、どんどん繋がりたいと望んできたが、私の不器用さもあり、間には難しい溝を感じた。夫も障がい者だし、治療法が見つかっていない難病の友もいる。長年の付き合いだ。だからとHTLV-1に関係している者同士として、わかりあえると思い込んでいた私は軽率だったのかもしれない。キャリアだから交流できないと言われて、小さくなってゆく情けない自分の状態にも、もがいている。

発病していなくても、自分の体調の不安以上に、感染させてしまった息子の将来の事では案じてしまう。感染してしまった若い方々のことも気になる。息子にパートナーができ、子を授かりたいときが来たとして、今以上に医療も整い、偏見もなくなる世の中であってほしい。安心して暮らしてほしい。私が医療者から受けた差別偏見は、絶対に繰り返して欲しくない。HTLV-1の発信活動はへこむ事もあるのだけれど、じっとしているのはもっと苦しくなる。やはり行動してゆこう。

私は大学病院で、自分の体についての大切な検査の機会であるが、お役に立ちたい気持ちもあり、2つの臨床研究に参加している。今のところ血液提供だが、病の状況把握(コホート研究っていうのだろうか?)、ワクチンやお薬の開発に期待している。
私の体の精密な情報が、医学に、発病されている方々に、どれだけ役立つかわからないけれど、キャリアだからと軽んじられることではないはず。この気持ち、どうか、どうか伝わりますように。

HTLV-1のご研究者で、偉大なお二人の先生が、大変にお忙しいなか、
私が交渉してみた新聞とラジオ番組に、ご出演下さった。思いがけず新聞の方は、海外でも紹介されることになった。ラジオ番組も私の周りでは、聞いて下さる方が多く嬉しかった。先生方には、本当にお忙しい中、快く受け入れて下さり、ご尽力下さり。深く感謝に堪えない。

暮れには、国際的なHTLV-1に関する署名活動があって、ともに活動させていただいた。家族や友人や、仕事関係、医療者の方にお願いしたところ、
皆さん広げてくださり、ご関係者にもお伝え下さっていた。電話やネットでのやり取りだけで、私の関係方々もたくさんの方が協力下さった。
応援しているよ!とたくさんの方がメッセージも下さり、支えられていることに涙が溢れてきた。HTLV-1の活動で、私が初めて経験する、多くの方と力を合わせて向かう活動、貴重な経験をさせていただいた。本当に有難かった。

やはり、いろいろあった2023年。まとまりなくしか書けないです。読んで下さる方いましたら、お付き合下さり、本当にありがとうございます。

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