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夫との違い 【HTLV-1キャリアでもある私】回想・・4

私は、勝手なんだろうか。前ページで他人が強要することではない・・と書いたが、夫との間では違うと感じるのである。

夫については不満が募っていた。夫は明るい性格で、私が穴の中に落ちたように心沈むときは笑わせて引き上げてくれる。毎日たくさんの話もする。的確なアドバイスもくれる。だが、一緒にHTLV-1の検査行くという選択を嫌がる。 病院嫌いで医者嫌いの夫は、検査に行くことをはぐらかす。 

私の頭のなか  ―もしかしてキャリアであったとして、息子に感染させたとして君にも関係してくるんだよ!娘の事はどうなるの?もしも君からの感染だとしても平気なの? 私からの感染であった場合、障がい者である君に、ますますリスクを負わせてしまうことになる・・・。両方発病したら、どうするの!?・・この胸の痛みは何なのだ!! 私は、頭がおかしいの?― と思考がグルグルしていた。

「なんであなたは、平気なの!?」と毎日、毎日夫に問いかけていた。「病院なんて行ってもさ。だって治療薬もないんでしょう。」とかなんとか、かわされてしまう。夫婦であっても、共感できないもどかしさ。夫婦別個人であっても、私からすれば外れて欲しくない点である。

つまり、一緒にこの病の事を学びつつ病院に行き検査を夫婦で受ける、それから結果によって子供たちとも向き合う事・・。当然と私が感じ考えることが、彼とは通い合わなくなってきた。

「全部私の問題ごとですか?」と怒りに変わる。 夫に嫌気がさしていった。夫は何で私が焦ったり怒ったりするのか本当にわからないらしい。「もしも・・?」のたとえ話を、ずっとしている私自身もおかしいのではと感じながら、その「もしも‥」の状況に、どうしても怯えてしまうのだ。 夫婦間で、気になることを先延ばしにすることは、私には耐えられない。ましてや我が子に関わることなのだ。 

彼には遠い話らしかった。伝わらないらしかった。私も上手く伝えられず、もどかしいばかり。 それでも夫は耳を傾けてくれるから・・まあいいかあ・・で、夫に対する苛立ちの感情を、どうにか、どうにか かき消してはみる。

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