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ポッドキャストウィークエンド 2023 Winter - 全員参加のリーダーシップを見た話

ポッドキャスト番組「独立後のリアル」の片割れ、けいこです。

2023年12月16日(土)のポッドキャストウィークエンドからちょうど1週間。
まだ余韻が残っています。
前回とは確実に何かが違う。それは、前回は落選した私たちの出店が今回は叶ったから、というだけの話ではないと思います。場が大きく育っていました。
わずか3回目にしてこのシフト。
ポッドキャスト界隈では、このイベントはいつまでも語られる日として思い出されるのではないかとも思い、リアルに感じたことを残しておこうと思います。
正直なところ、まだあまり上手い言葉にならないのですが。

公式の開催報告はこちらです。



「お客様」がいないお祭り

ポッドキャストウィークエンド 2023の出店者募集がX(Twitter)に掲載されたのが9月上旬。9月半ばの応募〆切、出店OKのお返事が来たのが9月末。
そこから運営連絡用のDiscordに案内され、すべてのやりとりはDiscord上で。
私たちは今年が初出店なので前年と比較できませんが、運営・企画を担う株式会社雑談さんと協力するポッドキャスターさんたちから、出店者ガイドラインなども、とてもまとまった形で連絡や指示などを頂けました。

とはいえ、その関係性は「ブースをご用意しましたのでどうぞご出店お願いします。必要なことは何でもお申し付けください。」というものではなく、それがとても良かったと思います。
やりたい人たちが思いを持ってやることで成り立つイベント。
必要な助けは得られるけれど、大前提として、各ブースで何をしたいのか、何を届けたいのかは、各出店者が自ら考えなくてはならないこと。
「出店させてもらえた」と喜んでブースに座っているだけでは場は面白くはならないし、ましてや人気ポッドキャスターであっても「お客様」として「お迎え」してもらおうというスタンスであれば、イベントへの関わり方も変わってくる。
運営側からショートノーティスの依頼や連絡が来ることもあり、それに私たちも積極的に乗っかっていく必要がありました。
今回、すべての出店者が、誰から言われなくとも、このポッドキャストウィークエンドというお祭りをどう楽しい場にするかということを考え、それぞれの持ち場で自ら全力で行動していたことで、目に見えない形で力が合わさっていたように感じます。

これは来場者の方も同じです。
出店しなかったポッドキャスターさんたちのことも、リスナーさんたちのことも、運営者・出店者全員で大いにウェルカムしましたが、楽しい1日になるかどうかは、来場者さんたち自身にもかかってる。
勇気を出してお目当てのポッドキャスターに声かけたり、グッズを買ったり、企画に参加したり、新しい人と出会ったりする。
その一人一人の行動が、場を生き生きとしたものにしていました。

誰一人として、「何かしてもらえる」のを待っていない。
何らかの形で、自らこの場を創ることに参加している。
そう感じるイベントでした。

こんなふうに、全員がこの日を良いものにしようと思う気持ちになれたのは、企画・運営者のデザインやリードの力だとも思います。
全体統括していた株式会社雑談のSHIBUちゃんの思いを、イベント後のポッドキャストで聴いて、彼の意図が全体に効いていたことを改めて感じました。


今必要なことを、気づいた人が

今回は、運営スタッフの方々の人数も、その動きも、驚くことばかりでした。

出店者として裏側を少しだけ垣間見ることができた10月〜当日までの期間、運営の方々により進行していたのは、会場のレイアウトはもちろんのこと、48組の出店者とのやりとり、スポンサー集め、スポンサー各社さんとのコラボ企画、ポッドキャストウィークエンドポッドキャストの企画・配信、ボランティアスタッフの募集、48番組おすすめプレイリストの作成・宣伝、フライヤー、公式ガイドブック、スタンプラリーの準備、資材の調達、搬入…(多分もっともっとある)、さらにこれらの情報についてのウェブサイト・SNS・プレスリリースでの配信…。

この短期間でよくここまでできるな…と、呑気な委託ブースの一出店者としては、次から次へと新しいニュースが出てくる度に純粋に驚いていました。
正直に言えば、9月頃は小さな学園祭に参加するような緩んだ気持ちでいましたが、途中から、想像以上にすごいイベントになるんだ…とブルブルっと震えました。

当日は、ボランティアスタッフ(これもすべてポッドキャスターさん)の方々もクタクタになるまで動いてくださっていました。

ここから先は、完全な私の想像なのですが、おそらく、この作業量とスピードから推測するに、これは誰か一人が全てを事細かに管理・指揮するスタイルではできなかったのではないかなと思います。
全体統括はSHIBUちゃんではあったと思いますが、その手が回っていないと思えば、スタッフの方々は、指示も許可も求めず、先に動いたり、引き受けたりしていたのではないかなと。
事前準備も当日も、「今、これが必要だ」と気づく人が、どんどん動いていく。動いている人を周りも信頼して任せる。
生き物のように、全体として動きがある感じ。

会社などでは、つい「これは誰の仕事なのか」「どの部署がやるべきことか」「誰の指示なのか」「しっかり管理しているのか」などの罠にハマってしまいがちです。
そういう硬直的なことはここではきっと起きていなかっただろうと思います。
そんなことを言っている場合ではなかった、というのが実情かもしれませんが。
でも、本当のリーダーシップって、こういうことだと思うのです。


誰かの思い切りは、誰かを触発する

少し微笑ましい体験もしました。
ある来場者の方とお話していたら、その方もポッドキャストを配信しているということがわかりました。
当日は、ポッドキャスト配信者は、出店の有無に関わらず「PODCASTER」という赤い名札シールを洋服に貼り、巨大なサインボードにもサインするように案内されていたのですが、その方は、まだその名札シールを貼っていらっしゃらず、サインボードにもサインしていないとのことでした。
「でもサインしてみようかな、と思ってきました… せっかくだし…」
とのことだったので、
「ぜひ!」
と言葉で背中を押しました。

その後また会ったら、「サインしてきました!」と。
とても清々しい表情をされていました。
なんだか、こちらまで嬉しくなってしまいました。
多分、この時から、この方は、「自分もポッドキャスターなんだ」って思えるんじゃないかと思います。

街ゆく人にしてみれば、たかだかサインボード。
だけど、自分について新しい名乗り方をすること、人目に触れる大きなボードにサインをするって、勇気のいることなんです。
それは自分の中に新たな人格が立ち現れることでもあるから。
それを自ら認めることでもあるから。
お一人の方のリーダーシップの目覚める瞬間に立ち会えたことは、今回の私の喜びの瞬間の一つでした。


すべての人がリーダー

私事になりますが、「独立後のリアル」を配信している私たち2人は、「コーチ」という職業で「コーチング」をクライアントに提供しています。また、2人ともコーチやリーダーを育てる機関CTI(Co-Active Training Institute)でトレーナーも務めています。どちらも、対象は、経営者・会社員・フリーランスなど職業を問わず、年齢も性別も問いません。
そして、「すべての人がリーダー(Everyone is a Leader)」というのを信じて関わっています。

ここでいうリーダーシップとは、自ら自分事として考え、自分の世界に起きることに応答していくこと、という意味合いで使っています。
よく一般にイメージされる組織やチームを引っ張っていくことは、そのごく一部にすぎません。
自分が関わることについて、自らどうしたいのかを考え描き、その願う形に向けて自ら創っていくことこそが、あらゆる形のリーダーシップの出発点になります。
私たちは、役割や年齢に関わらず、すべての人にその力があると信じています。

それは本当だった。
そして、それが実際に起きている時、場は本当に素晴らしいものになるのだということを、大きなスケールで体感させてもらえた体験でした。
当初は雨だった天気予報も覆って快晴となったのは、偶然だけではないような気がします。
この場を一緒に創る一員となれて、光栄であり、幸運でした。

改めて、このイベントに関わったすべての方々へ、ありがとうございました!
そして、私たち、それぞれによくやったよね!とみんなで祝福したい気持ちです。

当日の様子は、多くのポッドキャスターさんたちが話しています。
声だとさらに雰囲気が伝わります。
Spotify、Apple Podcastなどで聴いてみてください。
私たちも話しました。


今回のスタッフMVPと言える「毎日映画トリビア」(番組名:深めるシネマ)さんによる裏話。


当日の様子をまとめた動画はこちら。動画の力ってすごい!

ポッドキャストウィークエンド 公式note


ポッドキャストウィークエンド 公式ウェブサイト


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