弱さと暗さを乗り越えた阪神タイガース日本一

いつもは家で酒を飲むことは少ない。
でも今日は飲みたくなった。阪神タイガース日本一。
ワイン3杯でいつも吐いてしまうのだが、今日は4杯飲んだ。でもまだまだ気分がいい。ビールかけまで見届けたい

1985年
生まれたときにタイガースファンの父親から「お前はタイガース優勝の時に生まれていい子や」と言われたらしい。阪神タイガース優勝。バックスクリーン3連発。バース掛布岡田。そんな伝説をずっと聞かされてきた。

後々この年に日本一になったと知る。日本プロ野球最古の球団の一つにして、日本一が唯一この年だけだったのは、驚きだった。まぁ球団側が、優勝しないでいいというスタンスだったらしいが。。。

1999年
おそらく初めて甲子園に行った。当時は野村阪神。エフワン7が活躍していて、その時は上坂がサヨナラホームランを打った。弱い。とても弱い。
その弱いタイガースの中から綺羅星のように出てきた井川を応援していた。
藤川球児とか、藤田太陽とかネタに走りすぎやんとかずっと学校で行っていた(気持ち的には応援していたが)

2003年
星野監督2年目。ついに優勝。とてもうれしかった。日本シリーズは、ダイハード打線の鷹が強かった。とても強かった。先発も打線も完ぺきだった。
甲子園のファンの力でなーんとかギリギリ3勝したが、セリーグでは通用していた伊良部もムーアも抑えられる感じがなかった。やはり、厳しかった。

2005年
2003年の話だが、その年優勝するのではと思ったのがが、春先に後藤に藤川がホームランを打たれた試合を見てた時、その試合に負けなかったこと。「負ける流れ」を押し返した阪神は、勝てるのではと思っていた。そして優勝した。でもそのあと、藤川球児は一度も出てこなかった。球児の気持ちはどうなんだろう。そう思っていた。
でもこの年、JFKとして、最強の中継ぎの一角として覚醒。優勝した。

が、、、、日本シリーズ。後年33-4と馬鹿にされ続ける、歴史上でもまれに
みる惨敗。JFKを使うこともほとんどなかった。

阪神はやはり、プレッシャーには弱いのだ。。。いいところで勝てない。序盤を圧倒して、後半失速して逆転されること。何度も何度も何度も見てきた。負けそうなことをきっちり負ける。それが阪神。
そう思っていた。

2023年
いいところで打てない。ここぞというとこで負ける18年間。巨大な戦力を持ちながら。18年間なぜ勝てなかったのか。
それはどこか抱える悲壮感やどことなく漂う暗さにあったように思う。
鳥谷や能見がほとんど笑うことがない、そんな熱烈なファン・メディア・タニマチと良いのか悪いのかわからない関係性がずっとあったのじゃないか。
声援は相手への圧でもあり、自分への圧でもあるような気がした。

大和がFAで横浜に行ってよかったと。ベンチが明るいと。当時はそんな違いがあったみたいだ。
今年はでもそれが違った。若手の生え抜きが集まり、とにかく明るい。金本、矢野と続いた監督時代の流れがあり、今年の岡田監督の戦術眼が合わさり、良いところで打つ、負けそうなときに負けない。そうした強さが備わっていた。(まぁ自分が甲子園に行ったときは終盤得点して勝ちパターンだった時に、岩崎が牧にホームラン打たれて負けたけど。)

負けそうなときに、圧に負けない。流れに流されない、もしくはそこまで意識をしていない。という現在の若手の良さが出たように思う。
(最近のサッカーも、バスケも、バレーも、ボクシングもその傾向があるきがするのです。)


日本シリーズ
本当に面白かった。主役となる人が、全員主役となるという感じだった。
・山本由伸を打ち崩した阪神と、面目躍如した日本球界最高ピッチャー
・山本の次を任された宮城の好投と、そこに打ち勝った阪神。そして宮城の涙
・宇田川。山崎の最強中継ぎと、その涙、最終戦の良い投球
・新星村上の初戦好投勝利と、敗戦。
・最強近本。出塁とタイムリー。
・シリーズ男、紅林
・岡田の教え子平野が、ちゃんとセーブ
・ルーキー森下の粗さと強さ
・復活の湯浅(ナメック星の悟空感)
・まさかのダメダメだったシェルドンノイジーが、最後の2戦の活躍。
・いいところで打つ坂本
・雪辱の伊藤と桐敷
・再三の宗の好守備
・安定の恐怖の8番木浪
・とにかく出塁の大山と、サヨナラタイムリー
・いつもの盛り上げ糸原の渋い安打
・首位打者頓宮のホームラン
・シーズンだめだめの開幕投手青柳が、最後の最後の

最強エース打ち崩すワンサイドゲーム
オリックスの宮城、意趣返し。ワンサイドゲーム
甲子園で阪神を撃退。中継ぎが阪神の追い上げを阻止
ミスからの、復活の湯浅。阪神のサヨナラ
オリックス中継ぎを粉砕、阪神逆転
山本由伸日本球界最後のエースの意地
伏兵青柳ノイジーが、最強宮城から勝利をもたらす

物語があったなと。

一方で、ラオウも森も佐藤もきっと悔しい。宮城もめちゃめちゃ悔しい。
でもきっと、それが来年からの未来を作ると思う。
宮城は来年のエースなのだから、きっと力になる。

岡田監督。ありがとう。
ビールかけで「オリックス強かった。勝てると思っていなかった。選手の時より、今回のほうが嬉しい。」そんな言葉がジーンと響いた。


最後に思ったことは、阪神が日本一になるのは、だれか大切な人が亡くなったとき。1985年球団社長。そして今年は横田。
きっと野球の神様はいた。横田がきっと優勝させてくれた。
ビールかけで同期の岩崎がニコニコしながら
「ヨコも喜んでいると思います。ヨコはビール好きだったんで」

すべての思いが重なり合ったのだろう。
おめでとう。これまでの阪神を裏切る今年の輝きに、ありがとう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?