売る方法と売れる仕組みとVtuber
先月のとある日、用事で遠出をした帰り道、わたしはココスに寄った。
家の近くにココスがないこともあって、それまでわたしは人生で一度もココスに行ったことがなかったのだが、その時はちょうどココスがにじさんじとコラボしてるときだったので、前々から用事のついでに行こうと決めていたのである。
もうすぐ40になろうかという中年男性がぼっちで、ココスでにじさんじの切り抜き動画(そのときはちょうどにじGTAの真っ最中だった)を見ながらファミレスでVtuberのコラボメニュー(大満足のプレート)を食べるという、最高にオタクなひとときを過ごしていたわけだが、そのとき、ふっと思い出したことがあった。
「売るだけ」なら実は簡単
一応、自分は、表の顔は社労士でありコンサルでもあるので、休日はレバーレスの自作とかゲームをする以外に、経営に関する勉強会に出たりとかもする。
で、つい最近、わたしが参加した勉強会で講師の方がおっしゃっていた話が「売る方法」と「売れる仕組み」は違うよ、というものだった。
例えば、ビッ○モーターみたいに無理な営業をかければ、どんな商品でも一応は売れる。
また、うちにもたまに来るが、若者がフルーツ大福を手売りするやつなんかは、言い方は悪いが飛び込み営業で数撃てば、買う側がたまたま大福を食べたい気分のときもあるので、まったく売れないということはないだろう。
でも、それを買ってくれた人がリピートしたり、周囲に口コミしたりしてくれないと、その売上は一度限りで終わってしまう。何の変哲もないフルーツ大福をその後もリピートするかといったら、そういう人は少数だ。
そして、一度限りで終わるってことは、そういう無理な営業を一生続けないといけないということなので、必然的に、こういった「売る方法」に頼り続ける会社やビジネスというのはどこかで無理が出てくるわけだ。
逆に、口コミや紹介、リピーターなどにより商品が自然と売れていく状態、つまり「売れる仕組み」が構築されていくと、無理な営業をしなくていい分、会社の経営はどんどん楽になっていくし成長もできる、というのがその勉強会で出た話だった。
企業側から見たVtuberとのコラボは「売る方法」
で、なんで最高にオタクな休日してるときにそんなことを思い出したかというと、企業が人気のあるVtuberとコラボするのって、まさにこの「売る方法」だよなと思ったからだ。
Vtuberについては、人気のあるVtuberほど信者ともいうべきような熱狂的なファンを抱えている。そして、そのVtuberが特定の企業や商品とコラボすると、そうした信者たちが「推し活」がてら、コラボ先の商品をいっぱい買って、売上もガンっと増える、ということが往々にして起こる。
でも、それは一時的に売れてるだけで、コラボが終わった後も継続的に売れる保証はない。それこそ、コラボ後も買いたいって思わせるような何か、つまり「売れる仕組み」がないと、無理なわけだ。
Vtuber側から見たコラボは「売れる仕組み」の第一歩
で、面白いのは、企業がVtuberで一時的にでも売上を上げた場合、企業側にとってはそれは「売る方法」であっても、コラボした側のVtuberにとってはそれが「売れる仕組み」になっていくという点だ。
要するに、「あそこの会社はあのVtuberとコラボして売上が上がった」というのが実績となっていき、それを見た他の会社が「うちの会社もコラボしたい」となり、さらに依頼が増えて、そのVtuberは売れていく、という仕組みができていくわけだ。
そんなコンサル的なことを考えつつ、コラボ特典のクリアファイルを確認したら、お目当てのキャラのものじゃなかったので、ちょっとがっかりしながら、わたしはお店を出たのであった。
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