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バンコク旅行記⑦(2024.2) タクシー攻防戦

バンコク4日目夕方の日記。
今日書く出来事は人によってはあまり気分のよいものではない内容なので、無理そうなら避けてください。「誠実でないタクシーに乗ったけど最後はチップ少し乗せて払った」という話です。

ワンラン市場を見たあと、プラ・アーティット桟橋に行き、プラスメーン砦を見て、カオサン通りを横切りつつ、タクシーを拾ってホテル(ラマ9世駅)まで戻る、という行程です。
カオサンのそばで客待ちしているタクシーを拾うのはあまり気が進みませんでしたが、だいたい予想通りになりました。

1台目は乗車拒否。
2台目。窓越しに、ラマ9世駅は分かります? 分かると運転手。メーターで行く? メーターをつける運転手。乗りこむ。
走り出してしばらくたって「ラマ9世駅はどこにあるんだ?」と運転手。えっ?
アソークは知ってる?「知ってる。」 アソーク駅の南北の通りがラチャダピセーク通り、その北がペッチャブリー駅、もう1つ北がラマ9世駅です。ホテルはその角です。「分かった」と。
しかし運転手、「ラマ9世駅はセントラルのあるところだろ?」と何度も聞いてくる。私は「セントラル、どこでもあるだろ…」と思い、返事をしなかった。これが運転手を不安にさせたのか。
しばらくたつと「メーターが壊れているのでこの表示より値段がかかる」と言い出した。メーターは普通に動いてますよ。「そうだな、プッパップッパッと点滅してる」と運転手。
て、てめえ〜〜怒

そのまま乗っていると、少し回り道をしだす。
やれやれ、と思いタブレットをとりだしGoogleMapを起動させる。牽制。
そうしたら回り道がやむ。
ちょっと迂回するのでお金が余分にかかると言い出す運転手。「高速道路を使うということですか? それでも構わないんですけど」と返すと「違う」という。
途中会社から電話がかかってきて、もう直帰してると告げる運転手。
お前は嘘つき太郎か。
その後の運転でも迂回とお金のことをずっと言ってくる。
私もいいかげん腹が立ってきた。
「結局行くんですか?行かないんですか? 行かないのなら今すぐにこの車を停めて」と静かに詰める。行く、とタクシー運転手は言う。

「結局○○するのかしないのか、もし○○ないならすぐ〜しろ」はタイBLで知ったフレーズ。
お行儀の良いタイ語教室では習わない。
ありがとうタイBL。わたしは強くなった。

目的地まで3キロに迫って、運転手はようやくGoogleMapを使い出した。なるほど、ジャンクションが複雑で一見東に行きすぎる形で戻るわけね。
一般的に、タイの人はあまり謝らないとされるが、今回は最後に謝ってきてびっくりした。ついでに「きみの中国語が分からないので...」と言われたが。
私このタクシーでタイ語しかしゃべっていない。
最後っ屁をこかれたのか?!?!(笑)
ホテルに無事到着。121バーツ。

  • 95%の確率でこの運転手は誠実ではない。

  • 目的地付近の大回りを指摘されることが心配で、何度も乗客に確認をとろうとした。もしそうならばこの運転手は誠実ということになる。(残り5%)

私はとっさに両方がうかび、5%のほうの可能性を考えて、払わなくてよいチップを19バーツ上乗せして、140バーツで車を出た。
 
直帰すると言っていた運転手は、ホテルにいた西洋人旅行者を拾ってまた走り出した。
あの旅行者も苦労するんだろうな。
 
同行者の親戚は、私が運転手とずっと和気あいあい話していたと思っていたらしい。顛末を伝えたらとてもびっくりしていた。

私はとっさに浮かんだその相反する2つの考えと、140バーツ払った自分の行動を、帰国してから毎日のように考えていた。

結論としては、
“両方だ”と思うことにしました。
だませない相手と分かるにつれ、最後でこじれないように確認をとりはじめた(騙りの帳尻をあわせた)、と思うことにしました。

私の考えが間違っている可能性もあるけど、タイでは感情をあらわにした方が負けなので(ドラマの見すぎ? しかし昔は運転手と大声で喧嘩したこともありあれはあれで反省した)、今回は静かに詰めていき、「きみの中国語が分からなかったので」と言われても飲み込み、マルチエンディングになりうるなかで結局はメーターで行ったことを評価し、少しだけチップを載せる。
See You Neverのチップ。

バンコクのタクシーのぼったくりに対しては、タイの本やブログを読むと初心者から上級者・在住者に至るまで、厳しめの言葉が並ぶ。
賛成する反面、私はこうも思う。それは旅行者側の声ではないかと。言葉が不自由な旅行者との間のディスコミが埋まらなかったり、ときに面罵されたりと、不条理な経験を何度もしているだろう。
そんな運転手側のnoteがあれば私は読んでみたい。

しかし乗ろうとした西洋人には「このタクシーはおすすめしない」くらいのお節介は言ってもよかったのかもしれない。
とも、今となっては思うのです。

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