丁寧な食事 @コロナ

三食、手作りの食事を食べ続ける、
という体験は思えば、記憶がある中で初めてのことである。

小さい頃から親の仕事が忙しく、インスタントで済ませていたり、
学校でも購買のパンがほとんどだったりした。
一人暮らしやシェアハウスをしていた大学生時代も、
忙しなく動き回っていた私は外食が多かった。

小さい頃、よく家の家事をしていたし、
手作りの食事は大好きなので、料理はできる。普通に。結構。
ただ、その工数を考えると、趣味れb流とかになることもなく、
毎食きちんと作りたいとは思わなかった。

そんな中、コロナが訪れて、半強制的に家にいることになった私。
今までみたいに外相に頼る生活はできない。
不幸中の幸い、私が今住んでいるのはシェアハウスで、
なんとメンバーはお料理大好きなのである。

コロナでみんなでお家にいることになったので、
みんなで食材を買って、気が向いたメンバーが料理をみんな分作ることに。

4月から始まったこの取り組み。
みんなにたーくさん料理を作ってもらったし、
私もたくさん作った。
住んでいる地域では美味しそうなテイクアウトがわんさかあるが、
一度も利用したことがない。
お家にたくさん美味しいものがあるから。
朝も、昼も、夜も。
何かしら、美味しいものを作る時間的な余裕や、
誰かが作ってくれる料理がそこにはある。

サクサクのとんかつ、ソーセージから手作りのポトフ、
大根でいっぱいのお味噌汁、みんなで皮に詰めた餃子、
生産者の方から直接取り寄せたたけのこのフルコース、
お店顔負けのパンケーキ、忙しい朝のネバネバ丼、
奮発したオリーブオイルで作ったトマトパスタ、
なぜかもらった蒸篭で作ったしゃぶしゃぶ、
私のお気に入り鮭のホイル焼き、、、、
豊かな食事たちが並ぶ。

手作りご飯が大好きで、
いつも自炊をしようと食材を買っては腐らせてしまっていた私にとって、
旬の食材で、毎日誰かの手によって作られる、
美味しいご飯は、心を満たしてくれる。

まあ、正直、料理は相変わらず結構面倒臭いが、
私の手によって心を満たす料理が生まれることを幸福に思う。

料理よりも優先したいことなんてたくさんある人が多いだろうが、
手間をかけて、「美味しい」を味わう、
それも三食、毎日、味わう。
シェアハウスだからこそ「作りあって」「分け合って」「一緒に味わえる」
のは数少ない人の特権だろう。

私の家はそうではなかったが、
家でこの幸福が小さい頃からあったりする人もいるらしい。
そういえば、私のフィールドであるアフリカやインドで
訪れたお家では、それがベーシックだったな。
幸福の尺度は様々あれど、なんとも幸福だ。

私にとって初めての三食手作り生活。
食にはケチりたくない。美味しいものが食べたい。定食が好き。
それなりにこだわりはあれど、ここまで食に向き合っている期間はない。
生活に密着している「食」が充足することは幸福度が高い、
手作りだから、幸福度が高い。
理屈じゃなくて、感覚ベースで。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?