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長い目(2023年2月16日の日記)

事故物件の話なんかを聞きながら、昔からよく考えることがある。

それは、「たぶん、有史以来の通算で見たら人が死んでたことがない場所ってそうそうないんだろうな」ということである。

今私が住んでいる部屋のあたりで、戦時中に子供が栄養失調で死んだかもしれないし、江戸時代に農民が小競り合いで死んだかもしれないし、縄文人が熊にやられて死んだかもしれない。私のうちもそうだし隣のうちもそうだろう。長い目で見たら地上はほとんど事故物件である。縄文人の幽霊ってあんまり聞かないからやっぱりあっちの世界にも寿命があるんでしょうねぇ。

そういう、もはや記録にも記憶にも残らぬ「事故」のことを思う。お散歩をしながら足の下にひしめき合っている死んだ人々のことを考える。悼むでも悲しむでも怖がるでもなく、ただただ、そうなんだろうなぁ、と思う。

そういうことを考えながら歩いていると……


転んだり、忘れ物をしたり、落し物をしたりする。誰か助けてくれないか。


今日はここまで。ありがとうございました。

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