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はるかなるお好み焼き

間違い電話をかけてしまった。

何のことはない、口頭で言われた電話番号を、聞き間違えたのかメモを書き間違ったのかしたのだ。やりとりしていたメールの署名に正しい番号があったので事なきを得た(どうでもいいけど事「無き」を「得る」って面白い表現だな……ゲット・ザ・コトナキ)


間違い電話をかけてしまったことは何度かある。

「……はい」
「お忙しいところ失礼します。○○様の携帯でお間違えないですか?」
「違います」
「アッ間違えました大変失礼いたしましたッ」

知らない番号からの電話に何の疑問もなく名乗る人はそろそろほとんどいなくなった。たいていはこんな感じである。もしくはオカケニナッタデンワバンゴウハ、と自動音声に言われて終わりだ。

ただ、今日はちょっと違った。


「はいッ!!!!お好み焼き○○ですッ!!!!!!!!」

間違った電話番号が、ばっちり実在するお好み焼き屋のものだったのだ。それも気合の入った。

前述したようなやりとりなら、まだ少し冷静に話せる。「○○さんですか?」「違います」「間違えました」という流れは普通の会話だからだ。

「はいッ!!!!お好み焼き○○ですッ!!!!!!!!」
「……アッアッ間違えましたすみませんッ!!」

これはコール&レスポンスとしては成立していない。一瞬何を言えばいいのか分からなくなり、かなり動揺してしまった。


後で電話番号を検索したら、大阪のお好み焼き屋さんだった。あちらもまさか600キロとか離れたところから電話がかかってきたとは思うまいよ。


今日はここまで。ありがとうございました。

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