見出し画像

守られたものの柔さの牡蠣を剥く

昨日、夕飯に牡蠣を炒めたのが余っていたのでさっきレンジでチンしたら弾けた。

卵をチンしちゃいけないのと同じ理屈だ。薄々予想はついていたんですけどね。ラップがかかっていたので助かった。

牡蠣の産地の近くに住んでいるので、たぶん日本人平均よりは牡蠣を食べていると思う。本当は貝類はそこまで好物には入らなくて、例えば回転寿司に行ったら皿を取るラインナップには入ってこないんだけど、牡蠣は好きだ。

生き物の体のつくりを見るのが好きなので、アサリを食べるときやホタテを食べるときなんかは、ああ、こことここが対応しているんだな、みたいに考えてしまうんだけど、牡蠣はどこが何にあたるパーツなのかがよくわからない。同じ種類の生き物のはずなんだけど、なんかこう、全体にやわっこくて、とらえどころがない。

料理をする前に、ボウルに入れて水を入れ替えて洗う。生活の中で、あまり他に出会わないタイプの柔らかさなのが面白い。

そういえば、一度友人と旅館に泊まった時に夕飯で殻付きの牡蠣が出てきて、全然口が開かなくて苦労したっけ。全体が海藻に包まれた石ころのようで、ナイフを入れる場所さえわからず、旅館のおじさんに開けてもらった。アサリやシジミは火を通したら勝手に開いてくれるというのに太ぇ野郎だ。箱入りだからこんなに噛み応えがないんでしょうか。

もうそろそろシーズンも終わりですかね。またスーパーで会いましょう。

いつかの句誌に送った俳句を添えて今日はおしまいにします。

守られたものの柔さの牡蠣を剥く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?