見出し画像

山桜 水平線はなほ高く

「水平線が思ったより高い問題」が全然腑に落ちない。

水平線はだいたい目線近くの位置になる。海辺にいても、山の上にいても、だいたいそのぐらいに来る。地球が大きいせいだ。

海岸から見渡したときの水平線の高さはいい。だいたいこのぐらいだろうと思う。ただ、山や坂の上から見下ろしたときの高さは全然ピンと来ない。いつでも想像よりずっと高い。

なんとなく「水平線 高さ」とかで検索をかけてみたら「水平線はいつでも目線の高さって本当ですか?」「いえ、それは嘘で、目線より少し下です」とかいうやりとりがされていた。そういうことじゃない。目線より少し下だったとしても、そもそもその時点で想像より高いんだ。今までの生物としての経験測から言えば、坂を登ればいろんなものが下に見えるはずなのに、水平線だけがいつまでも高いのだ。

地球がめちゃくちゃ大きな球体だということを知っていてもしっくり来ないのだから、知識も手段もなかった時代の人が地球の丸さや地動説に気づけるわけがないだろう。自分が中世に生きていたら、そんなわけがないだろうと笑う人の側にいた自信がある。

宇宙から地球を見下ろしたことの無い私が、毎日朝が来て夜が来ることを地球が回っているからだとして納得するのは、私が天体の知識を持って、それに合わせて生活の中で確かめられる整合性の取れそうな部分を探しているからにすぎない。要するに先に結論があって、次に解釈があるのだ。なんとなく聞いていたラブソングが、不倫の恋を描いたものだと作詞者に解説された途端に、それを暗に示す言葉が詞の中に次々と見えてくるみたいに。


納得してないなぁ、と思いながら去年作った俳句。この問題はまだまだ擦ると思う。

山桜 水平線はなほ高く


今日はここまで。ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?