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2020年 アメリカ大統領選挙!

2020年11月 アメリカ大統領選挙が、どのように行われ、どのように進んでいくのか?について、お伝えします。

現職の共和党の第45代 ドナルド・トランプ アメリカ合衆国大統領や、対抗馬であるオバマ政権時の副大統領である、民主党推薦のジョー・バイデン上院議員がどのような人物で、どういう思惑があるのか?

今のアメリカが国内外における問題がなんであるのか?

両大統領候補と日本の関係がどうなっているのか、などを整理していきたい。

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①アメリカ大統領選挙 仕組み

アメリカは保守系の共和党と、リベラル系の民主党の拮抗した勢力である2大政党制である。

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大統領候補を、1-6月の予備選挙最終的に7-8月の党大会にて、2党それぞれから1名ずつ選出する。

そこから、9-10月に討論会などを行い、アメリカの各州を巻き込み、共和党と民主党の候補の一騎打ちが行われる。

その後、11月3日、アメリカ全土で国民による一般投票が行われ、州の選挙人を選出し、選ばれた選挙人がどちらかの候補に投票を行う。

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大統領選挙スケジュール

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アメリカ大統領選は、州の人口ごとに「選挙人」が割り当てられている。

総数538人で、当選に必要な人数は270人

有権者は、共和党か民主党の候補いずれかに投票するかを決める。

州ごとに票は集計され、票数に応じて、その州がもつ選挙人が、共和党や民主党それぞれの候補の持ち分となる。

ほとんどの州では、最も多く得票した候補がその州の選挙人全員を獲得する。得票率で選挙人を配分する州は、メイン州ネブラスカ州のみ。

だいたいの州は伝統的に、支持する政党が決まっている。そのため候補たちはそれ以外の、両党の間で「swing state(揺れる州)」、接戦州や激戦州と呼ばれる州に選挙活動を集中させる。

激戦州で、人口や選挙人の数も29人と多いフロリダ州、選挙人18人オハイオ州が重要視される激戦州なのはこのためだ。

選挙人が最も多いカリフォルニア州(55人)と、ニューヨーク州(29人)は伝統的に、リベラルな民主党の牙城とされる。

共和党は中西部で伝統的に強いが、共和党候補を長年支持してきた、テキサス州アリゾナ州民主党が支持を伸ばしているため、激戦州になりつつある。テキサス州の選挙人は38人と、カリフォルニア州に次いで多い。

アメリカの「選挙人団」による間接選挙の仕組みは、他の選挙制度と同様に長所と短所がある。

人口が集中する都市部以外の有権者の民意も反映しようと、アメリカ建国当時の議論の中から生まれた仕組みで、200年以上、ほとんどの場合、選挙人による勝敗は、全国的な得票数による勝敗と一致してきた。

過去5回の大統領選で2回、一致しなかったことがある。

ジョージ・W・ブッシュ氏が勝った2000年と、2016年にトランプ氏が勝った時だ。

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大統領就任:

通常、翌日未明の時間までに勝者が判明。

11月8日が投票日だった2016年、トランプ氏は9日午前3時ごろ、大歓声の支持者たちの前に立ち、勝利演説をした。

今回は、すでに各州の選挙管理委員会は、予想通りに郵便投票が急増すれば、結果判明までに数日、場合によっては数週間かかる可能性があると述べている。

アメリカでは選挙当日に投票所に行くか、事前に郵便投票するしか、投票方法は認められていない。

細則は州ごとに異なり、一部の州では、郵便投票するには選挙当日に投票所に行けない理由を提示する必要がある。

新型コロナウイルスの感染予防を有効な理由として認めている州もいくつかあるが、すべての州ではない。

投票締め切りから数時間の内に勝者が判明しなかった直近の事例は、ジョージ・W・ブッシュ対アル・ゴアの2000年選挙。フロリダ州で再集計を求めるゴア陣営に対し、ブッシュ陣営は再集計停止を求め、法廷闘争が1カ月以上続いた後、連邦最高裁が12月12日に再集計を実質的に中止させる判断を示した。つまり、この時は大統領が決まるまでに1ヵ月以上要した。

今回は、2021年1月20日新大統領が就任する。

アメリカ大統領の任期は、1期4年の2期制度(合計8年在任可能)で、トランプ氏は2期目を目指している事となる。


トランプ氏の現状:

大統領選挙は、基本的に現職有利で行われてきた。

現職大統領の4年間の政治活動による、発信力、広告力、影響力絶大であり、新大統領候補が不利になるからだ。

しかし、現職大統領が不利になる事もある。

①経済が不安定

②大きいスキャンダル

この2つが生じたとき、現職大統領が不利になるとされる。

①経済が不安定:

トランプ氏は大型減税などを講じて、経済を回復させている一面もあった。

しかし、12月に中国武漢から始まった、新型コロナ禍により、世界的な経済、物流、人の移動が滞り、コロナの死亡者・感染者数は世界一の被害を被り、アメリカ経済は大打撃を受け、今回の疫病への対応に国民の不満が高まっている。

②大きいスキャンダル:

小さなスキャンダルは多く生じたが、そのたびに会見やTwitterで、フェイクニュースなどと激しい発言で、退けていた。

しかし、黒人差別問題に端を発した、「Black Lives Matter」運動により、人種間問題が拡大し、各地に大きなデモを巻き起こす事態となり、現政権が進めてきた、人権問題に対する不満が高まり、政権が揺らぐ事態となった。

トランプ氏は、アメリカファースト・白人ファーストという立ち位置を取っており、白人以外のマイノリティー層である、移民系アメリカ人や移民に対して、厳しい強行姿勢を行ってきた。

①経済が不安定=コロナ対策の不満

②大きいスキャンダル=人種差別問題

この①②の2項の不安材料により、トランプ氏の大統領再就任に暗雲が立ち込めている。

ブラック・ライヴズ・マター (Black Lives Matter 「BLM」) :

アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為に抗議し、非暴力的な市民的不服従を唱えるアメリカ合衆国の組織的な運動。BLMという組織は、米国とカナダに約16の支部を持つ分散型ネットワークとして存在。
大きなBLM運動は、Dream DefendersAssata's Daughtersなど、志を同じくする別の組織から構成されている。広範な運動と、関連組織は、一般的に黒人に対する警察の暴力に反対し、黒人の解放に、その他の政策変更を提唱している。
2012年2月、アフリカ系アメリカ人のティーンエイジャーのトレイボン・マーティンが射殺された事件で、ジョージ・ジマーマンの無罪判決が出た後、2013年7月、この運動はSNS上で#BlackLivesMatterというハッシュタグの利用により始まった。
2014年にアフリカ系アメリカ人2人の死亡により、発生した街頭デモにより、全国的に認知された。2015年、BLMの活動家が、2016年アメリカ合衆国大統領選挙に関与するようになった。アリシア・ガーザらにより、2014年から2016年30以上の地方支部からなる全国ネットワークへとプロジェクトを拡大。運動全体は、正式なヒエラルキーを持たない活動家の分散型ネットワークである。
2020年に発生した世界的なジョージ・フロイド抗議行動で、国際的な注目を集めた。2020年のBLMの抗議行動には、約1500万人から2600万人が参加米国史上最大級の運動となった。運動は、警察の予算をデファンド(警察予算を減少し、他の部門にまわす)し、黒人コミュニティや代替的な緊急対応モデルに直接投資することを提唱。2020年6月の世論調査で、人種や民族を問わず、アメリカ人の大多数がBLM運動への支持を表明している事が分かった。

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ブラック・ライヴズ・マター (Black Lives Matter 「BLM」) 抗議運動


9月第1週の月曜日にアメリカ労働者の日があり、世論調査を実施

支持率:

トランプ氏 42.8% < バイデン氏 49.9%

現職が不利な結果であった。

これまで、労働者の日に行う世論調査で、現職が不利な数字が生じてしまうのは、1992年ジョージ・H・W・ブッシュ以来のもので、当時の民主党の対抗馬候補であったクリントン氏に選挙で敗北する事となる。

この事からも、現職だからと言って、けして楽観視できる状況ではない。


②候補者について

下の図のマトリクス図表を見ると、思想や考えが分かりやすい。

縦軸経済への考え方を表し、大きい政府、小さい政府と言われる。


大きい政府:

高税金、高福祉。貧しく、弱い立場の人にやさしく、国の援助を受けられる。福祉思想や社会主義的思想

小さい政府:

税金は高くなく、福祉は出来る範囲で行う。税金が低い分、企業や個人がより強くなれる。競争社会により、強くするという思想


横軸:価値を表し、一方が全体、国家、国民が大事というもの。もう一方が、個人、人それぞれ、マイノリティー、LGBTQ、人種、民族などというもの。


民主党

民主党は、福祉と、個人を重要視しており、マイノリティーを大事にしながら、貧しい人にもやさしく、社会主義テイストである。

若くて、貧しく、社会主義に抵抗感が無い層の人たちへの求心力が高まっているともいわれている。

民主党中道派の支持層は、都市部のエリートの白人であり、ホワイトカラーのオフィスワーカー層である。この層はインテリジェンスで個人の自由マイノリティーを重視するため支持している。

さらに、ラティーナ(ラテン系移民)支持層。この層もマイノリティーで移民であるため民主党中道派を支持。ラティーナは、マイノリティーであったが、人口が増加しており、2040年ー2050年には、WASP(ワスプ:ホワイト・アングロ-サクソン・プロテスタント)と言われるトランプ氏の白人の支持層に比べ、多くなると言われている。


キリスト教のカトリック民主党を支持

元々アメリカは、ヨーロッパでカトリックに迫害を受けたプロテスタントが作った国であり、カトリックがマイノリティーになるため。

プロテスタントは、カトリックのような教皇をトップとしたピラミッド型の権威主義体制を敷かなかったため、色んな流派に分かれた。カトリックは、マイノリティーだが、ピラミッド型であり、連帯力は強い組織である。


共和党

共和党は競争と、国家を重要視しており、全体を大事にしながら、競争に強い社会を目指す、資本主義テイストである。

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政党マトリクス


1・民主党推薦 ジョー・バイデン上院議員

バイデン氏は、民主党内において民主党中道派と言われている。

トランプ氏に比べ、個人や福祉を現実的な範囲で充実させる、民主党中道派の思想

バイデン氏は、オバマ政権時の副大統領であり、オバマケア国民医療保険の政策を行っていた。また、同性婚に対しても好意的で、銃問題に対して、銃を規制したい意向がある。

国民医療保険:今回のコロナ禍の中で、医療に対するケアを厚くする事は、国民の賛同を得やすい


バイデン氏の強み:

前回の大統領選挙に立候補した、民主党のヒラリー・クリントン氏に比べ、エリート臭がなく、ヒラリー氏ほどマイノリティー層に、嫌われていないと言われ、都市部エリート、ラティーナ、カトリック層から支持が厚い。

国民差別問題において、マイノリティーに優しい党であり、マイノリティー層から民主党中道派に対する賛同を得やすい

バイデン氏のマイナス点:

年齢が77歳であり、トランプより4つ歳が上で、当選後2期8年の任期を全うできるのかと懐疑的な見方もある。



2・現職 共和党 第45代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ

トランプ氏は、元々不動産王と呼ばれ、ビジネスマンである。マトリクスで見ると、アメリカファースト国家を重要視し、白人主義で、移民に厳しい姿勢で臨む。さらに減税会社や社会を刺激し、競争を促す競争主義である。


共和党の中でも保守派

共和党の中でも、より強いのが保守派。それ以外の多くが、マトリクスの中央に位置する、主流派である。

共和党の支持基盤:

農村部の貧しい白人層プロテスタントの福音派といわれる、キリスト教の伝統的価値やアメリカ人の建国以来の価値観を重んじる保守派やライフル協会ある。

ライフル協会に関しては、アメリカ人は、銃を持つという権利を建国以来文化としても持ってきた。もし、国家だけが武器を持てたら、いざという時国家に立ち向かうことが出来ない。そのため、個人も武器を保持するべきで、これがアメリカ人の伝統だという考え。

アメリカの銃社会は、これまで何度も、銃乱射事件や大きい犯罪が起き、銃に対する反対意見も多いが、ライフル協会の組織が大きく、政治家はなかなか銃反対と言えない。

このような色々な、支持基盤層に対して、どうアピールするかというのが、政治家にとって重要で、トランプ大統領は、アピールが得意なのである。


都市部のエリートに強い政治家は、現地を訪れ演説がうまい政治家とされる。都市部は、大都市で栄ており、移動のインフラが整っており、比較的現地を訪れやすい。

主に西海岸及び北東部で西と東の端である。NY(ニューヨーク)LA(ロサンゼルス)サンフランシスコなどである。

都市部は地上戦と言われ、直接国民に演説する地域となっている。

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アメリカ西海岸及び北東部:民主党支持層


農村部の貧困層に強い政治家は、空中戦が得意な政治家と言われる。

アメリカは広大な国土で、移動に多くの時間を要する。

アメリカの西部および南部地域を回って演説するには、莫大な時間と労力が必要

そのため、元々新聞メディアで制していく場所であった。

新聞➡ラジオ➡テレビ➡インターネット➡SNSと移り変わり、現在の農村部が多い、アメリカの西部や南部地域を制するには、SNSを駆使する必要がある

トランプ氏は、西部、南部地域を意識し、農村部にアピールするため、SNSで多く発信し、空中戦を展開している。

トランプ氏は、共和党の支持基盤である農村部へのアピールに必要なSNSを駆使するスキルを持っており、SNSでは多くのフォロワーを抱え発信力がありテレビでは司会をしていたこともあり、影響力もある。

軍事に関して、2016年の大統領選挙でメキシコとの間に壁を作ると訴え、壁の予算はメキシコに払わせ、国防総省から予算を取ると豪語していた。もちろん、メキシコが予算を出す事は無く、国防総省も大きな予算を動かすことはなかった。

現在、メキシコとの国境沿いに壁は存在している。

実は、ブッシュ政権時のテロ問題クリントン政権時に麻薬密輸問題がメキシコとの国境沿いにあり、当時から部分的に壁は作られていた。

トランプ氏は、元々ある壁を、少し延長し、公約を遂行したという事にしている。

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アメリカとメキシコの国境沿いの壁


実際、トランプ氏が、言うように壁が本当に作られ、真相を確かめる人は、圧倒的少数ではないだろうか。

壁について、「国防総省の予算で、壁を作った。公約通りだ。」と言われれば、多くの国民は信じてしまう。


米軍の再編

オバマ政権時、軍備より福祉に予算を使ったため、アメリカ軍の力は衰退したと言われていた。

そのため、世界中のバランサーを担う、警察の役割を行う事は、困難になった。

しかし、世界の覇権を握ってきたアメリカが突然世界の抑止力を緩める事で、他国同士の争いが起き、世界の秩序を狂わせていった

トランプ氏は、再度アメリカ軍に軍事費を掛け、米軍を再編し、軍の力を戻していった。

さらに、世界中に配備していた軍を、中南米に対して配備し始めている。中南米は北米と陸続きで、アメリカと距離が近い。

また、欧州、中東、アフリカ、アジアは、アメリカ本国から遠く、物理的に遠い距離という防衛上のアドバンテージがあるため距離の近い中南米への防衛を強化し、軍事費を最小限に留めたい狙いがある

メキシコとの国境沿いの壁の強化と、中南米への軍事強化は、アメリカ西部、南部の農村部へ受けがよく、いいアピールになる。それは、西部や南部の国境付近に暮らしている国民の、移民に対する反発心が強いからだという。

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アメリカ西部、南部:共和党支持層


外交

トランプ氏は、ユダヤ教(ユダヤ人)、キリスト教イスラム教(アラブ人)3宗教の聖地で、国際管理となっていたエルサレムイスラエル(ユダヤ教/ユダヤ人)の首都に任命した。

首都任命による、キリスト教、イスラム教からの反発は必至

ここで、アメリカ本国と陸続きである中南米への軍備強化で、中東などへの干渉を控える動きであった防衛戦略との矛盾が生じる。

アメリカはシェール革命によって、世界最大の産油国になり、エネルギー資源を自国で産出可能となったため、石油問題に関しても、中東の石油利権に関しても干渉の理由が薄くなっている。

中東への干渉のポイントは、共和党支持層のプロテスタント福音派に対してのアピールと言われている。

プロテスタント福音派は、アメリカの大きい宗教の派閥の中で、一番保守的であり、キリスト教の聖書に記載されている事は、すべて正しいと信仰している。そのため、人類の進化論、妊娠中絶、同性婚なども認めていない。価値観は聖書に置いている人たちである。

プロテスタント福音派の人数が多く、その人たちが賛同するのが、イスラエルへの歩み寄りとされている。

理由は、プロテスタント福音派の属するキリスト教の聖書は、新約聖書で、ルーツは、ユダヤ教の旧約聖書であり、旧約聖書に記載されている事も正しいと認識している。旧約聖書の中には、「ソロモンは、モリヤの山でエルサレムの神様であるお寺を建て始めました。(歴代志2、3章1)」と記載されており、モリヤの山は、ユダヤ教のお寺のあるユダヤ人の町で、現在のエルサレムになった。そのため、エルサレムはユダヤ人にとって聖地で、イスラエルの首都となっている。

プロテスタント福音派の人は、エルサレムはユダヤ人のものでなければならないと、信じており、トランプ氏は、彼らの思想に配慮した事になる。


さらに、イランの軍事指導者であるソレイマニ氏を、無人戦闘機で殺害している。

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ガーセム・ソレイマーニー司令官

(1957年3月11日 - 2020年1月3日)

イランの軍人。イスラム革命防衛隊の、イラン国外でも特殊作戦を行うゴドス部隊(Quds Force)の司令官を務めた。

バグダード国際空港攻撃事件

2020年1月3日、ソレイマーニーは車列でバグダード国際空港付近を走行中、米軍の無人攻撃機のMQ-9 リーパーによる攻撃を受け、カターイブ・ヒズボッラーの最高指導者でPMF副司令官でもあったアブー・マフディー・アル=ムハンディスを含む4人とともに死亡。彼の遺体は原形をとどめないほどひどく焼かれたが、本人照合は彼が身に着けていた指輪により特定。


ソレイマニ氏殺害も、イランと対立している、イスラエルに歩み寄るためのものとの見方が強い。

軍事や外交政策は、アメリカ西部、南部の農村部、プロテスタント福音派の賛同(票)を固めるための動きである。


このような、票の獲得の仕方は、強い批判に合うリスクが伴うが、トランプ氏は、次の大統領選挙に受かるために、4年間やれる事はすべて遂行した。

次に連邦裁判官に保守的な人材を採用した。州の裁判官は、州が決定するが、連邦裁判所の裁判官は大統領が任命する。

アメリカの最高裁判所のリベラル派の判事が死亡したことを受けた後任選びで、9月26日、トランプ氏は保守派の48歳の女性判事を指名する意向を固めた。

トランプ氏は、18日に死去したリベラル派のギンズバーグ判事の後任に連邦控訴裁判所のエイミー・コニー・バレット判事を指名する意向を固めた。

バレット氏は、人工妊娠中絶オバマケア(医療保険制度改革)に否定的な考えを持っており。指名後、議会で承認されれば、最高裁判事9人のうち6人目の保守派となる。

48歳のバレット氏は終身制の最高裁判事のなかで最も若い判事となり、将来的に影響力を持続するとみられる。

議会上院で多数派を占める共和党は来月中の承認を目指し、11月の大統領選挙でのトランプ大統領の再選につなげたい狙いです。

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エイミー・コニー・バレット 第7巡回区控訴裁判所判事


裁判の判決は、国家や伝統を重んじるような、下の図の政党マトリクスの右下に位置する判決になる。

それは、中絶、同性婚が認められている判決を覆す事ができ、プロテスタント福音派の賛同を得やすい。

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政党マトリクス

トランプ氏は、2016年の大統領当選後からブレることなく、票固めのために政治手腕を振るってきた。今年のコロナによる経済危機や、黒人差別問題が無ければ、2020年の大統領選挙の当選の可能性は大きかった。


③2020年の大統領選挙のポイント

アメリカの西海岸、北東部は民主党が有利で、都市部エリート、ラティーナ、カトリックの層から支持が硬い。

西部、南部では、共和党が有利で、農村部、プロテスタント福音派、ライフル協会の層からの支持が硬い。

その中で、中西部が激戦区と呼ばれる場所で、ラストベルト(錆びたベルト)と呼ばれる地域である。

ラストベルト(錆びた地帯):アメリカ合衆国の中西部地域と大西洋岸中部地域の一部に渡る、脱工業化が進んでいる地帯を表現する呼称。 「rust」は「錆」という意味で、使われなくなった工場や機械を表現。

ラストベルトは、かつて、自動車工場などの工業地帯として賑わっていたが、今やIT時代へ移行し工業が主産業でなくなった為、錆びついた工業地帯と呼ばれるようになった。

この中西部は、景気が悪く、不満を抱えた労働者が多く存在し、自分達に対してどの程度、経済などで有利な政策を行うかという事が重要になる。

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カギを握る中西部

中西部を重点的に訪れているのが、トランプ氏である。

空中戦が得意なトランプが、地上戦(演説)といわれる、中西部を重点的に回っている。

バイデン氏は、医療的観点から密にならない事を守り、オンラインで演説している。

トランプ氏は、オンライン演説を行うバイデン氏に対して、中西部の人を軽視し直接足を運んでいないと演説。また、4つ年上のバイデン氏に対して、オバマ政権時の失言を取り上げ、ボーっとしていると指摘し、スリーピージョーというあだ名で呼んだりしている。

さらに、バイデン氏の福祉政策を強くし、軍を縮小する事に対し、「増税に繋がり不景気になり生活が困窮し、軍隊や警察が弱くなり治安が悪くなる事で、他国への圧力低下、デモやテロへの対応が困難になる」とし、直接、中西部に訪れていないバイデン氏を選ぶことは、弱く不安定なアメリカの選択になると主張している。

トランプ氏は、2016年の大統領選挙で、ヒラリー氏に総得票差で約300万票下回りながら、東部ペンシルベニア、中西部ミシガン、ウィスコンシン、オハイオなど、鉄鋼業などが衰退したラストベルトで相次ぎ勝利し選挙を制した。トランプ氏は、白人労働者を「忘れられた人たち」と呼んだ。

バイデン氏は7月9日、ペンシルベニア州の金属加工施設で「すべて米国製」と題した経済対策を発表。製造業強化に向け、米製品の購入拡大やインフラ整備、研究開発に7000億ドル(約73兆円)の公的資金を充て「少なくとも500万人の雇用を創出する」と訴えている。

ラストベルトで、バイデン氏にリードを許しているトランプ氏だが、モンマス大がペンシルベニア州で行った調査では、登録有権者の57%が「隠れトランプ支持者」の存在を信じていると答えている。

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トランプ氏は、政党マトリクスから見ると、自由競争と国家主義を求めているが、別の思想派も重要になる。

右上に位置する、国家主義で福祉よりな思想を持つ「ナショナリスト」。

ナショナリスト:福祉を求め、民主党に歩み寄っていたが、共和党のトランプ氏は、ナショナリズムの価値観を強烈に打ち出し、ナショナリスト取り込みに動いている。

左下に位置する、個人主義で自由競争よりな思想を持つ「リバタリアン」。

リバタリアン:トランプ政権から離れてきている。リバタリアンは、自由経済を好み、民主党の福祉国家を嫌がり共和党支持だった。しかし、反対の思想を持つナショナリストの取り込みに対して、共和党を離れ、民主党支持に動いている。

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政党マトリクス

ラストベルトの中西部は拮抗しており、さらにサンベルトの西部、南部の下の地方の移民の多い地域激戦区であり、まだまだ予断を許さない戦況である。


注目!10の政策争点

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1.経済再開

トランプ氏:(賛成)可能な限り早期の経済再開

バイデン氏:(慎重)新型コロナ検査体制を強化してから

2.対中貿易

トランプ氏:(交渉継続)国内製造業の強化を望み、中国への攻撃を継続

バイデン氏:(報復関税反対)対中関税戦争は米国の消費者や農家にとってよくない。

3.黒人政策

トランプ氏:(白人主義)補佐官やホワイトハウスに黒人はわずかしかいない

バイデン氏:(多様性主義)政府人選に米国の人種的多様性を反映させると約束

4.オバマケア

トランプ氏:(反対)より有効で、低コストな医療保険制度を実現する

バイデン氏:(賛成)オバマケア拡充を約束、富裕層への増税で財源を賄う

5.移民政策と国境の壁

トランプ氏:(賛成)メキシコの壁継続、外国人グリーンカードは当面禁止

バイデン氏:(反対)国境の壁は中止、審査システムと国境警備強化

6.渡航禁止令

トランプ氏:(賛成)イスラム7カ国から米国への渡航禁止

バイデン氏:(反対)特定の国からの渡航禁止令は人種差別

7.気候変動と再生エネルギー

トランプ氏:(反対)パリ協定離脱、オバマ政権時代の規制も撤廃

バイデン氏:(賛成)パリ協定復帰、2035年までに電力Co2排出ゼロ

8.中東軍事介入

トランプ氏:(賛成・反対?)中東軍事介入での米国の利益や、イラク戦争を疑問視、中東より米軍を撤退

バイデン氏:(条件付き賛成)米国はテロとの戦いに焦点を絞り、米軍は残留し現地の友軍と連携

9.イラン核合意

トランプ氏:(反対)オバマ政権時代に合意した核合意から離脱

バイデン氏:(条件付き賛成)イランが開発計画に遵守すれば核合意に復帰する

10.北朝鮮会談

トランプ氏:(賛成)これまで計3回、金正恩 朝鮮労働党委員長と会談

バイデン氏:(反対)見返りがない、金正恩政権に対する影響力は手放す


④日本への影響

日本の安倍元首相は、国家主義寄りで、アベノミクスなどで減税を行い、さらに企業に対し、法人税を下げ、競争を促す競争思想であった。

そのため、トランプ氏と仲がいいと度々報道され、国家主義、競争主義な政治的思想がトランプ氏と、安倍氏は近い。

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安倍 晋三(あべ しんぞう)第96・97・98代 内閣総理大臣

自由民主党所属 衆議院議員

現在の、日本の首相は、令和おじさんなどの呼び名で話題となった、菅氏である。

政策に関しては、安倍路線の継承を打ち出している。

菅氏は、国家主義に関してはあまり強い思想を持っておらず、やや個人主義による可能性があが、安倍政権との大きな思想のズレにはならない為、トランプ政権との相性は良い。

バイデン政権に代わった場合は、トランプ政権と行ってきた政策などと違う対応を求められる事になる。

その為、日本の政権は、政治の混乱を避ける意味を考慮し、トランプ政権の継続を望んでいる可能性が高い。

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菅 義偉(すが よしひで)第99代 内閣総理大臣


⑤フーヴァー元大統領の系譜

今年の大統領選挙は、フーヴァー元大統領と対するフランクリンルーズメルト元大統領の対立軸と酷似していると言われる。

第31代アメリカ合衆国大統領ハーバート・フーヴァー元大統領は、愛国派である。

対して第32代フランクリン・ルーズベルト元アメリカ合衆国大統領は、アメリカ国内の共産主義化を推し進め、アメリカの力をソ連やイギリス、共産主義者に利用され、アメリカ本来の力を大いに失う事に導いた売国派と言われている。

第2次世界大戦の戦勝国にはなったが、共産主義や没落帝国主義であるイギリスに、うまく利用されていた。

以前の投稿にも上げたように、第2次世界大戦の勝者は、ソ連のスターリンと中国共産党の毛沢東であった。

それが、フーヴァー元大統領の歴史観である。

フーヴァー元大統領は、草の根保守派といわれるの愛国派の味方である。

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今年の大統領選挙は、草の根保守で、アメリカファースト、アメリカ人の多様な勤労大衆の方々の利益が重要であるという政策を進めているのが、共和党トランプ氏である。

アメリカファースト、他国に利用されず、自国の知的財産を盗む中国共産党には、厳しく対峙する。

中国共産党は、アメリカ国内に入り込み、間接侵略を進め、乗っ取ろうとしている。往年は、ソ連だったが、現在は、同じ共産主義である、中国共産党に移り変わっている。

1991年ソ連は滅びたが、共産主義は現在も、滅びておらず、中国共産党を中心に、共産主義勢力は力を伸ばしている。

冷戦は終わったと言われるが、東アジアでの、資本主義と共産主義の冷戦は継続している。

中国は、中国共産党という一党独裁が国内すべてをコントロールしている。もはや、ソ連よりも手ごわい国家である。

現在、トランプ政権になり、中国共産党の間接侵略を受け、知的財産を盗まれている。

中国共産党の習近平政権になり、アメリカが握っている覇権を脅かしている事に対し、国内でコンセンサスが生まれ、現政権が誕生し、中国共産党に対して厳しい対応を行っている。

これは、ハーバート・フーヴァー元大統領の意思(系譜)を継いでおり、同じ共和党の愛国派の政権であると考えられる。

対して、民主党のルーズベルト政権の後を継いでいる、バイデン氏は、売国派ともいわれ、権力のため、他国からワイロを受け取る。

息子である、ハンター・バイデン氏もウクライナ政府からのワイロや、中国の国有の投資企業から多額の給与を得ていた。

中国共産党からすると、バイデンファミリーは買収済みという状況なのである。

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バイデン親子


民主党の前候補である、ヒラリー・クリントン氏に関しても、中国共産党との深い関係があったとされ、夫のクリントン元大統領と共に持っている、クリントン財団に多額の寄付を行ったのが、中国共産党とサウジアラビアであったといわれており、外国からの資金を、公に使うのはわずかで、ほぼ個人の財布になっていた。

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クリントン夫妻


国益を平気で売る人たちが、アメリカ民主党内には存在し、以前のヒラリー候補から、現在のバイデンファミリーに移り変わっているという状況である。

愛国派 共和党の伝統:フーヴァー氏➡トランプ氏

売国派 民主党の伝統:ルーズベルト氏➡バイデン氏

という流れである。

共和党には、大企業でも、多国籍化したビジネスの支持層も一翼にいる。その層は、アメリカファーストには反対派である。

共産主義と徹底して戦う姿勢を示しているのが、トランプ氏であり、日本の現政府と同じ思想を示している。

トランプ政権になり、日本には悪い状況になるという見方は、メディアに踊らされた、見誤った情勢の見方である。

2016年の大統領選挙で、親中派であるヒラリー氏が当選していれば、日本は、アメリカと中国共産党の核を持った国に板挟みになり、対応が困難になり追い詰められていたと考えられる。

そうなっていれば、現在の日本経済はもっとひどい状況になり、実効支配され、植民地状態になっていたかもしれない。

そうはなっていないのは、現在のトランプ政権が、中国共産党に対して、徹底して、対立し帝国主義を叩きのめす方向に動き、共産主義と戦っていているためである。

トランプ政権を脅かしている、国内のBLM運動アンティファなど極端な運動も、支援に中国共産党がついているという見方もある。

国内情勢が混乱し、トランプ政権の批判が高まれば、支援しているバイデン氏が当選する流れになる。

BLM運動もアンティファも外側の人はともかく、内部の中心は、マルクスレーニン主義者の流れをくむ組織などからの支援を受けている共産主義者であると言われている。

黒人の共産主義者が、意図的に組織を立ち上げたのがBLMであり、核になる人たちは、革新的な共産主義者で、マルクスレーニン主義者といっているような人たちである。

本当にこのBLMの中心部の人たちが、黒人の人たちの命が平等と考えているのだろうか?

黒人でも、トランプ政権支持者が、殺されても、彼らは全く問題にしない。


今年のBLM運動のきっかけになった、ジョージ・フロイド氏の殺人の真相が検視結果により、明らかになった。

その真相には、非常に重要な情報が隠されていた。

フロイド氏の血中には、致死量の3倍もの麻薬が含まれていたことが判明した。

血液中から検出された3つの薬物

薬毒物分析では、「フェンタニール、メタンフェタミン、コカインなどの違法薬物が血液中から検出された」という。フェンタニールは、オピオイド系鎮痛剤。近年、米国では毎日100人を超える人がこのフェンタニールの過剰摂取で死亡するほど社会問題になっている薬物だ。2016年に死亡した歌手のプリンスも死亡後に体内から高濃度のフェンタニールが検出され、死因は過剰摂取だったとわかっている。
メタンフェタミンは興奮作用をもたらす覚醒剤であり、これも米国では社会問題になっている。2017年の全米調査では、人口の5.4%(1470万人)が一度は使ったことがあると答えており、年間160万人が使用していると言われている。もう一つ検出されたコカインは言うまでもない精神刺激薬だ。こちらも米国では150万人(2014年調査)が使用していると指摘されている。つまり、フロイド氏はいくつもの強力な麻薬が血中に残っている状態だった。実際、偽札を使用したお店では「相当酔っ払ったような状態」だったという。

しかも麻薬を多量に摂取すると、呼吸困難の症状が出現し、死に至ることが分かっている。通常の健康な人は、警察に取り押さえられても、呼吸困難に陥ることはない。

今回、この事件は、非常に悲しい事件である事は変わりないが、死亡原因の、疾患性、麻薬の過剰摂取、警官の身を守りながらの取り押さえ方の、再検討など、一方向から極端に煽ることで、人々に負の感情を抱かせ、それが社会問題に発展している事を、メディアも含めて、考えなければいけない。

BLM中心やアンティファに極端に切り取られ、利用されることで、社会が混乱し共産主義者に有利な形に促されているのである。

この共産主義の脅威は、日本もアメリカも、第2次世界大戦中も同様に形を変え、続いている。

トランプ政権が継続することが、日本の国益の増進に繋がる。

両国は国内に間接侵略を受け、それを徹底抗戦するには、アメリカの力が不可欠であり、トランプ政権が必要という事である。。

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