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列車に揺られ、心も揺さぶられ(どこでもきっぷ旅 3日目)

旅行から2か月以上経った。そして今は年末。今書かないと今後書くことないなと思い、年を越す前に書き納めすることにした。

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10月18日、どこでもきっぷ旅3日目の朝は博多から始まる。7時に起床し、身支度を整え、ホテルを後にする。
博多駅前は通勤通学の人が多くみられ、昨晩到着した時とはまた異なった様子をみせる。

新幹線ホームへ向かい、のぞみ号に乗車する。通勤ラッシュの時間帯ということもあり、ビジネス客が多い。しかし、その多くは小倉で降りていき、ゆったりとした雰囲気が車内を包む。そして新山口で下車する。

新山口から乗車する列車は、特急スーパーおき2号。キハ187系の2両で運行されている。

短い編成で当たり障りのない見た目をした列車であるが、ロングランの特急という特徴を持つ。特に、3号・4号は、鳥取と新山口を5時間かけて結び、それは昼行の定期列車でも長い部類に入るそうだ。今回乗車する列車は途中の米子までであるが、それでも4時間をかけて運行されている。

列車は9時前に新山口駅を出発し、津和野を通り、益田駅で山口線を走破する。そして、そこからは山陰本線に入る。今までは木々の多い景色だったが、山陰本線は日本海に沿って走るため、写真を撮りたくなるような美しい日本海の景色が、時折車窓に広がる。これがこの列車の醍醐味である。

そして新山口を出発して3時間半後、宍道駅で下車する。今から思えばよく3時間半も乗っていたなと感じるが、日本海の景色を楽しんでいたこともあり、体感はより短く感じた。
ここからは宍道湖に向かう。徒歩10分ほどで辿り着くことができる。
宍道湖は日本で7番目の大きさの湖。対岸がかろうじて見えるぐらいの大きさである。ここは夕暮れ時もきれいらしい。

そして宍道駅に戻り、出雲駅まで移動する。
到着した時には、気づけば時刻は13時を過ぎている。そこで昼食をとることにした。出雲といえば出雲そばが有名だけれど、昨晩も麺だったこともあり、定食にした。

店内に後から入ってきた男性、店の方との会話を聞くと、あめつちに乗車するそうだ。実は出雲市に到着した際、隣に観光列車らしきものが停まっていた。
この辺りから、この2日間の疲労がきたのか、体調が優れなくなる。同行していた後輩君には先に行ってもらった。申し訳ない…
散歩するなどして体調を回復させ、後輩君に追いつくため、出雲大社を目指す。一畑電車に乗車し、出雲大社駅に向かうため、川跡駅で大社線に乗り換えようとする。しかし、乗る電車を間違えてしまい、1時間近く待つことになる。そうした途方に暮れるような思いの中で見えた、大社線から見える田園風景の景色は美しく、とても印象深かった。
結局、出雲大社駅には16時過ぎに到着した。

駅前に静態保存されている電車

この時間になると、参拝客はあまり見かけない。この静けさが、出雲大社を、より厳かなものにする。

参拝を終え、駅に戻る。乗車する電車も、やはり人が少なかった。

出雲駅に戻ってきたものの、まだ時間があるので、駅周辺を散策する。電柱に「神在月」と書かれたのぼり?を発見した。旧暦の10月は、一般的には「神無月」だけれど、出雲では「神在月」と表すと聞いたことがあった。それは本当だったようだ。全国の神が出雲に集結することから、神「在」月と呼ばれるらしい。

そして出雲からは、特急やくもに乗車する。

車内で晩御飯をいただく。この旅最後の食事なので、駅弁を買いたかったが、駅周辺含め、それは売っていなかった。そこで、駅から徒歩数分のローソンで調達した。ただ、このローソンは、ポプラを併合した少し変わった店舗。店内ではポプラの商品も数は少なくとも取り扱っており、また店内で炊いたお米も販売している。初めて見たが、こっちではよくあるのだろうか。こういうのも面白い。

この列車「ゆったりやくも」は、最後の国鉄特急である381系により運行されるため、「ぐったりはくも」と揶揄されるように、よく揺れることで知られている。ただ、ある程度覚悟していたが、思っていたより快適だった。一方で、噂には聞いていたが、お手洗いには緊急時用の紙袋が備えられており、揺れる列車の代名詞であることに間違いはないようだ。
3時間と少しが経ち、列車は終点の岡山駅に着く。

381系のこの顔は、やはりかっこいい。

岡山駅からは、新幹線を使い、新大阪駅まで移動する。

新大阪から京都駅まで、特急はるか号に乗車する。そして、最後の列車を見送り、3日間の旅は終了する。

総括

この3日間で西は福岡県の博多、東は新潟県の糸魚川を移動し、今まで乗ったことのない列車にも乗ることができ、とても鉄分の豊かな旅だった。一方で、移動距離が長い故に、観光にはあまり時間を費やすことができなかった。まあ、今回の旅で気になったところは、またゆっくり行きたい。
いずれにせよ、とても良い旅だったことに違いはない。
この旅に同行してくれた後輩くんにも感謝する。