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青と黒と黄金(どこでもきっぷ旅 2日目)

前回(1日目)はこちら


今日も今日とて、京都駅からはじまる。いきなりのダジャレで寒いが、寒かったのは事実であって、最高気温は昨日から6℃ほど下がり、急に秋らしくなった。
そして乗るのはスーパーはくと1号。この列車は鳥取県の倉吉まで行くが、乗車するのは姫路まで。京阪神を走行する数少ない気動車ということもあり、乗ってみようと思った。

今日も今日とて京都駅

このHOT7000系は余命宣告の噂(?)もでているが、車内はリニューアルされており、内装は古さを感じさせない。窓際にはコンセントも備えられている。
ところで、今回の目的地は博多。そして昨日は同行していた後輩くんとは、そこで合流することにしている。そういうこともあり、博多までの工程は考えていなかった。どこに行くか、どのように行くか。車窓を眺めながら、物思いにふける。贅沢な時間である。
列車は途中、須磨の海や明石海峡大橋を通り過ぎ、新快速にも負けぬ勢いで京阪神を走る。京都駅を出た時は、雨がそれなりに降っていたが、ここまでくると青空が見えてくる。そして列車は姫路に到着する。

そして、姫路から新幹線と山陽本線を乗り継ぎ、尾道駅に到着する。噂には聞いていたが、自転車(それもママチャリではなく、クロスバイクとかスポーツバイクみたいなやつ)に乗っている人が多い。しまなみ海道を走るのだろうか。駅前の交差点で信号待ちをしていると、自転車二人組(サイクリストというべきか)が、暑いと会話している。前述したように、昨日から急に気温が下がり、自分は肌寒ささえ感じていた。しかし、彼らにとっては、まだまだ暑いのだ。

駅周辺を軽く観光した後は、山陽本線で三原駅まで向かい、そこで昼食と新下関駅までの指定席券を調達して、こだま号に乗車する。昨日の疲れも残っており、1時間40分の乗車時間で回復しようという狙いだ。
三原駅で調達した昼食とは、3つのパンである。この「三原」と焼印のはいったパンは、ネタになりそうと思って買ったのだが、あんことクリームがたっぷりでなかなか美味しかった。もちろん、他の2つもなかなか美味しかった。
700系レールスターの指定席の、少し豪華なつくりの座席で仮眠をとる。山口県の新下関駅までは、あっという間だった。

新下関駅からは、相変わらずまっきいろの115系で下関駅まで移動し、そこからJR九州線を経由して、門司港駅を目指す。列車は関門海峡を通り、九州の門司駅に到着する。ところが、門司駅で乗り換えの、門司港行きの列車が来ない。どうやら何らかのトラブル発生したようで、小倉駅を出発できないようだ。案内表示機には3分, 6分, 9分と、3の倍数で遅れが増大して案内される。結局、列車は15分遅れで門司駅を発車した。ところが、この遅れが、思わぬ結果をもたらす。

噂に聞いていたがやはり硬い座席の列車(JR九州の形式は全く分からない)に揺られ、ようやく門司港駅に到着する。ホームに降りたつと、そこはやたらと賑やかで、まるで祭りのような雰囲気。そして発車標をみると「36ぷらす3」。やがて、間もなくして、黒塗りの列車が入線してくる。この列車の存在は知らなかったが、良いものを見ることができた。

門司港は、駅舎はもちろん、駅周辺もレトロな雰囲気が漂う。明治期に開港し、そこから昭和初期にかけてつくられた建物の一部は、今でも現存しているようだ。駅前で門司港名物の?バナナのたたき売りを横目に、向かったのは九州鉄道記念館。SLとか昔の鉄道に興味がある人は楽しめると思う。
ところで、改札を出て左側にこのようなものがある。これは九州と本州が鉄道で結ばれる前、船で行き来していた時代の名残らしい。こうした遺産が残っているのも門司港らしい。

そして小倉に向けて、門司港を後にする。ただ、小倉駅で下車したものの、特にすることはない。また、まだ後輩くんとの待ち合わせに余裕がある。そこで、広島に行くことにした。このように思い付きで長距離ワープができるのが、どこでもきっぷの良いところである。
そして小倉駅からはのぞみ号に乗車したのだが、途中の車窓から見える景色がよかったため、徳山駅で下車した。
徳山駅は海に近いため、新幹線を降りて10分ほどでこのような景色にたどり着くことができる。

夕焼けに照らされる黄金の海を眺める。とても贅沢な時間である。そしてこのひと時を過ごし、博多までとんぼ返りする。そこで後輩くんと合流し、博多ラーメンを食べ、2日目は終わりを迎える。