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【第1回】ド素人ギタリストがボカロ楽曲のギターを完成させるまで~イントロ編〜

こんにちは、クガダレカです

このマガジンはギター歴12年目のアマチュアギタリストによる

音楽制作過程での散らかり具合を読める稀有なマガジンとなっております。

以前私は2か月間かけてギター録音を手伝いました。

その際に14回データ提出を行ったんですが
その変遷が面白かったので記事にしてみようという取り組みです。

音源を共有し、学びを共有することで、初めて創作をなさるかた、最近DTMやギターを始めた方への手助けになれたらと思います。

どうか最後までお楽しみください!

まずはこちら(完成版)をお聞きください。

友人の庭乃螢くんの曲「夏は色めく。」にギターを入れさせてもらいました。

テーマは「青春」。私いま24歳なんですが、青春なんて記憶のかなた。ぶっちぎりのファーラウェイなわけでして、非常に苦労しました。

今回はこの曲のイントロがどのような経緯でこのフレーズに落ち着いたかを紹介して行きます。

大きく分けて5つ。
アジカン・9mm期→空色デイズ期→原型完成期→迷走期→完成
といった流れになります。


soundcloudに載せた音源を参照しつつ、時系列順に紹介していきます。

レッツゴー!

1.アジカン、9mm期


暑苦しい。
当時意識していたのが「ライブで弾いていて楽しい」という感情でした。
特に曲にあったフレーズを作ろうとせず、自分が作りたいフレーズを好きなように弾いていたという感じですね。

使用アンプはAmplitube5の ENGL powerballのハイゲインサウンドでレスポールカスタムを使って録音していました。

没です。理由としては
「熱すぎる」
「雰囲気に合わない」
「9mmが好きすぎる」

などなど。

はい次。

空色デイズ期


この辺から「何か参考楽曲を用意して、曲にあうフレーズを追求していこう」という気概が見られます。喜ばしいことです。

しかし残念ながら私が用意したのは00年代の名アニソン、「空色デイズ」です。

今考えるとなんでこの曲を参考にしたのか全くわかりません。
とにかく爽やか=空色デイズという謎の方程式が頭の中に組まれていました。

日々の労働で気が狂っていたんですね。
かわいそうに。

しかしイントロの頭に入る「テテテ テテテ」というフレーズを開発できたのは紛れもない当時の私。

Nice!!!
良い線は行ってましたが、残念ながらボツです。

はい次。

原型完成期

Listen to イントロ4原型.mp3 by Kuganonymous on #SoundCloud

おめでとうございます!立派な原型ですよ!ここでなんとなく完成が見えてきました!

ここから私と庭乃くんは、古来より人類が行ってきた叡智、話し合いを行います。

要は何を作りたいのか
お互いしっかりすり合わせしようよ、といったところです。

結論から言えば彼がイメージしていた曲調と
私のイメージは面白いくらい異なっていて
すり合わせのために1、2時間かかりました。

そしてここから使用するアンプが変わります。

Marshall系のRedPigでクランチサウンドを作るようになります。

また、参考音源を空色デイズからヨルシカに変更しました。
どうやら効果はてきめんだったようです。恐るべし。

後半のフレーズがイマイチなため
作り直しになりました。

はい次。

迷走期

Listen to イントロ5.mp3 by Kuganonymous on #SoundCloud

Listen to イントロ7.mp3 by Kuganonymous on #SoundCloud

提出したとき「どうしたん?」と庭乃くんから心配されてしまいました。
「前の方が良かったよ」とも言われました。ごもっともです。

慣れないクランチサウンドで高山病にでもなったんでしょうか。

自分のフレーズに自信が持てず
ひねりを加えようとしているのが見て取れます。

ここでも結構話し合いを重ねました。
そこでは今後の指針となることを教えてもらいます。

1.フレーズ作りはどこかで一区切りさせなければならない
2.イントロは「相手の興味をひけるかどうか」の重要ポイント

の2つですね。

1に関して。
時間が許せばフレーズはどこまでもどこまでも作り込めます。
しかし、締め切りがある以上、どこかで落とし所をつけなければならない。

私が上記の音源でやっていたことは
フレーズの幅を「広げる」作業であって
フレーズの完成度を高める、「深く掘っていく」作業ではないんですね。

これではいくらやっても40点以下のフレーズが量産されるだけです。

2に関して。
イントロは視聴者が聴く初めての音です
シンプルで覚えやすく、印象深いものにする必要があります。

なので
ソロを作るときのようにテロテロ弾きながら考えてはいけない。
繰り返しながら、短く、シンプルに、これに尽きると思います。

この二つの観点からフレーズを再考し、出来上がったフレーズが以下のものになります。

完成期

Listen to イントロ8.mp3 by Kuganonymous on #SoundCloud

くぅ〜疲れました!これにて完成です!
なんとかフレーズが完成しましたね。

正直まだまだ良くなるとは思うんですが、現在の実力ではこれが限界でしたね。

ディストーションバキバキサウンドから、クランチのブリッジミュート中心のフレーズに変わるまで結構な心境の変化がありました。

私は友人の曲にギターを入れる立場で、非常にアドバイスに恵まれていたのでなんとか完成に漕ぎ着けることができましたが、もしこれを一人でやっていたと思うとゾッとします。

終わりに

今回はイントロの音源を紹介し、その変遷を見ていきました。趣味一直線のフレーズから、話し合いを経ていろんな姿に変わっていったのは振り返っていて面白いですね。

では次回お会いしましょう。

それではみなさん、さようなら。

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