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70 教育者は知っておきたい心理学用語

こんにちは。
眠り子です。
今日はタイトル通り、私が独断と偏見で選んだ、教育者に知っておいて欲しい心理学用語を5つ紹介したいと思います。また今回は、教育者を教員、教育を受ける者を子どもと表記しますが、今回取り上げる現象が見られるのは、必ずしも教員-子ども間とは限りません。

有名なものが多いので、知っている方も多くいるかと思いますが、知っている単語も、知らなかった単語も、是非内容を再確認あるいは理解していただいて、自分は普段子ども等と不適切な関わりをしていないかどうか、時々省みていただくといいのかなぁと思っています。

ではどうぞ〜٩( 'ω' )و

ピグマリオン効果

これは、教員の期待やそれによる行動によって、子どもの成績が上がる現象のことです。
具体的には、教員から期待されているということが子どもに伝わっていたり、教員が「この子はきっと伸びる」と思って接したりすることにより、実際に作業の成果や成績が向上するというものです。
過度な期待になってしまうと、却って逆効果となるときもありますが、適度な期待やそこから来る教員の行動は、実際に子どもにも影響を与えるのですね。
またこれは、教師期待効果や、ローゼンタール効果という別名で呼ばれることもあります。


ゴーレム効果

先のピグマリオン効果は、教員の子どもに対する期待により、子どもの作業の成果等が向上するというものでしたが、ゴーレム効果はその真逆のものになります。
つまり、教員が子どもに対してさほど期待をしていなかったり、悪い印象をもちながら接すると、子どもの成績も下がってしまうというものです。


ハロー効果

これは、人や物事などを評価する際、その要素の中に際立って優れた、あるいは劣った項目があるとき、それによって他の要素への評価が歪んでしまうことがあるというものです。
例えば、理科がものすごくよくできる生徒に対して、理科が得意なら数学もできるはずだと考えたり、とても真面目な生徒は勉強もできるのだろうと考えたり、逆に、ある特定のことが全然できないのを見て、何をやらせても駄目そうと思ってしまったりするなどですね。
これは別名、後光効果、光背効果などとも呼ばれます。後ろから射す強い光(際立った要素)によって、その人や物事全体の見え方が変わることからでしょうか。
人や物事に対して、100%正確な評価を行うことはできませんが、それでも、評価の歪みは持たないようにしておきたいものです。


ステレオタイプ脅威

ステレオタイプ脅威とは、ステレオタイプ(固定観念や偏見など)によって、人間の能力や性格等に影響が及ぼされ、実際にステレオタイプの通りになっていく現象のことです。(参考:ステレオタイプとは?
例えば、数学のテストを行う際、「女子は理系科目が苦手」というステレオタイプを植え付けてから行うと(「あなたは女性なのだから点数が低くても気にすることはないよ」と言うなど)、実際に通常時よりも点数が下がるといったことなどが挙げられます。
人種差別なども、実際に差別されている人たちの能力に影響を与えることが考えられますね。かつての教育実践にあった、興味深い話がまとめられているウェブサイトも置いておきます。


アンダーマイニング効果

これは、内発的動機付け(〇〇が貰えるから、などの外的な要因に起因する動機付けではなく、自らやりたいと思うなど、内面に起こった意欲などによる動機付け)により生じた行動に対して、報酬を与えるなどの外発的動機付けを行なってしまうと、却ってその行動が起こりにくくなってしまうというものです。
要するに、やりたいからやっていたことに対して報酬が与えられると、行動の目的がいつの間にか報酬を貰うことになってしまい、その結果、自発的にやっていた行動が報酬が貰えないときにはやらなくなってしまう、ということです。
クラスのためになることを自発的にやっていたり、自発的に勉強に取り組んでいたりすることなどに対して、何かしらの報酬を与えるという対応は危険だということですね。


最後に

今回は5つの心理学用語を紹介しましたが、もちろん他にも知っておくといいと思うものは沢山あります(アンダーマイニング効果の対になるようなエンハンシング効果や、家族心理学に登場する円環的因果律など)。その中でも今回は、比較的有名だと思われるものを5つチョイスした形になります。興味のある方は、是非是非他にも色々調べてみてください。

そして、今回取り上げた用語(のうち最初の4つ)から私が伝えたかったことは、自分が相手に対して抱いている印象は、正確な評価を困難にしたり、相手の能力などに影響を及ぼしたりし得るということです。
全員に同じように接しているのだから内心ではどう思っていても関係ない、とは言い切れないということです。
教育者と言えども人間なので、相手に対して悪い印象を抱くことはあるでしょう。それそのものはどうしようもないことだと思います。
しかし、それを認めたうえで、それを放置するのと、違う見方を試みるのとでは、大きな差が生じるのではないかと、そんなことを考えていた眠り子でした。

お読みいただきありがとうございました。
素敵な一日になりますように。

…円環的因果律は普通に別のnoteで取り上げるかもしれません。

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