魔法使いになりたい

私は子どもの頃、魔法使いになりたかった。
いまでもちょっとなりたいと思ってるけど、さすがに呪文を唱えて魔法のステッキを回しただけで、キラキラにかわいいアイドルに変身できないことはわかります。
「できたらいいのに…」と思うことは多々あれど。

でもたぶん、呪文的なことって、みんなできると思うんですよ。
言葉には“魔力”がこもってるから。

例えば、誰かから口汚く罵られれば、そんなのホントのことじゃないってわかっててもダメージ受けるし、逆に「もうこれは死ぬしかないかな」ってぐらい絶望してても、たった一言に救われることもある。

先日、伯父が亡くなりまして、急だったのでお葬式にも行けなかったんですが、弔電を送りまして。
でもああいうのって、なんか形式間違えて書くと失礼になってしまうでしょ?「おまえは常識がない」とか「当たり前のこともちゃんとできない」とか言われ続けてきた人間なので、無難に定型文みたいの送ろうかと思ったんですけど、小さい頃よくかわいがってもらった伯父さんへの言葉だから、恥かいてもいいから自分の言葉で書こう、と思ってオリジナルの文面で送ったんです。
そしたら、いつも「あんたはいつまでたってもちゃんとしない」的なことしか言わない母からLINEが届きまして。
うわー、またなんか怒られるで、これ、ってビクビクしながら開いたら、
「恵子の弔電がすごくよかったって、〇〇おばちゃんも泣いて喜んどったわ。ありがとうね」
って書いてありました。

お葬式は、あとに残された人たちの癒しのための儀式でもあるから、私なんかの言葉でも、少しでもその役に立てたなら、ホントによかったなと。
そして、自分もちょっと救われた気持ちになった。
これからもこの「魔法」をもっとうまく使いこなせるように、日々鍛錬しなきゃなと、そんなふうに思ったのでした。

えーっと、何が言いたいかというと、

「立派な魔女に、オレはなるッッっ!」

ってことです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?