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日本中の織物職人が御用達! 南風原町の大城織機製作所へ!!


多彩な織物が作られている沖縄県。布を織りあげる織工さんを支えているのが、機織りに使う道具を制作する職人さんです。沖縄県内はもちろん、県外の織工さんも頼りにする職人さんに会いに、沖縄県本島南部の南風原(はえばる)町を訪れました。

与那国島から青森まで! 日本中の織工が頼る高機製作所!!

お邪魔したのは大城織機製作所。大城義政さんが迎えてくれました。
先代であるお父様から引き継がれて、製作所を切り盛りしている大城さんは文化財選定保存技術(手機制作)保持者。筆者がそのお名前を初めて伺ったのは、日本最西端の与那国島の織工さんからでした。大城さんに注文が来る地域を尋ねてみると、離島はもちろん、最盛期には北国の青森県まで300台ほど高機を送っていたそう。ですが、近頃は修理の相談が多く、制作の受注数はピーク時の1/20くらいだとか。
修理すれば使えるということは、年月を経ても壊れづらい道具を世に送りだしてきた証。大城さんの腕の確かさを裏付けるエピソードですが、同時に織物に携わる人が減っていることも伺えます。以前は息子さんと運営されていたそうですが、近頃は、ほぼお一人で対応されているようです。

今回、私が大城織機製作所を訪れた目的のひとつが、注文していた糸車の受け取りでした。
織の先輩方が使っている糸車は、輪の外周部分に竹が用いられています。大城織機製作所さんでも30年前には作っていたそうですが、ご担当者さまが離職してからは自転車のホイールで代用されているとのこと。


これがお馴染みの竹製バージョン。


これが自転車のホイールバージョン。使用前です。

織物を学ぶスタート地点にすら立てていない私。そんな分際で申し上げるのも恐縮ですが、ゆくゆくは自分用の高機も入手したいと思っています。お一人で工房を運営されているということは、早めに求めておいたほうがいいのでしょうか……。
なんて縁起でもない心配をしていると「あと20年は大丈夫ですよ」と笑顔を見せてくださいました。そのお言葉を信じていますので、今後とも縁の下の力持ちとして織物業界を支えていってくださいね!(でも、なる早でお願いしたいなぁ)

大城織機製作所/Information

沖縄県南風原町字本部236-1
TEL 090-1341-7530

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