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そもそも音について: 音の三要素

前回のおさらい

この記事は前回の記事「そもそも音について: 圧力の波」の続きである。

前回の重要な部分は以下の通り

  • 空気は圧縮・膨張出来る

  • 圧縮された空気は順番に圧縮を伝え、圧力の波を作る。これが音である

  • 音は縦波である

  • 音は重ね合わせが出来る

音は空気が圧縮されたり膨張したりして出来た波だというお話だった。

音の三要素

音には音量 (音の大きさ) と音高 (音の高さと低さ) と音色 (音の種類) の3つの要素がある。本記事ではこれを順番に見ていきたい。

音量とは

音量とは音の圧力の変化の度合いである。圧力がより圧縮されたり、膨張したりしていると音量は大きくなる。

ちなみに、ある物体の体積が短時間で非常に大きくなる現象を爆発と呼び、爆発によって発生する圧力は非常に大きいので大きな音が出る。このぐらい大きな音になると物体を巻き込んで破壊するほどになる。

音高とは

音高とは波の周波数のことである。でも周波数がよくわからないのでもう少し詳しく述べる。

前回、板がすごい速さで左右に動いたら連続的に波が出来るという話が合った。一秒間あたりの行ったり来たりする回数、言い換えれば空気が圧縮されて膨張してまたもとに戻るサイクルの回数が周波数である。単位はHz (ヘルツ) で表す。1 Hz = 1回 / 1秒間なので [Hz] = [回/秒] と考えてもらいたい。

人間の耳に聞こえる音の周波数は大体20 Hzから20,000 Hzである。前回から出ていた板が動く「すごい速さ」とはつまり1秒間に20回~20,000回の往復運動なわけで確かにすごい。

音色と

音色とは音の波の形のことである。これは音量や音高ほど単純な話ではないので詳しく説明する。

前回は板が単純に左右に動くことを考えていたので、単純な波、昔習ったであろう三角関数の波 (正弦波) を想定していたが、実は音を出しているもの (発音体) はたいてい単純な動きをしていない。

例えばバイオリンについて考えると、バイオリンは弦を松脂がついた弓で擦って、弦が震え、その震えが本体の板の表面に伝わり、その板が周りの空気の圧力を変動させて音を出している。(つまりバイオリンの板の表面が、すごい速さで動いている。弦が直接空気を震わせている寄与は実は小さい。) 弦は弓に引っかかっては離れを繰り返すので、出来上がる波は複雑にギザギザした形になる。(再度注意するが、このグラフは圧力のグラフである。)

グローリーステーション音響学より

この形は楽器の構造によって異なる。よってピアノはピアノの音がするし、クラリネットはクラリネットの音がする。

まとめ

  • 音の三要素は音量、音高、音色の3つ

  • 音量は圧力の大小

  • 音高は波の周波数

  • 音色は波の形

次回はこれを踏まえてもっと掘り下げる。


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